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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.179

そして、もしかしたらウォーターサーバー業界を揺るがすことになるかもしれない様な驚くべき出来事が起きた。
2024年3月1日付けで、プレミアムウォーターが、Webサイトに「重要なお知らせ 新規ご契約料金改定についてのご案内」という記事を挙げたのだ。

ざっと内容を略せば、
「兼ねてからの円安、物価高等によるウォーターサーバーの調達供給コストの高騰に対し、生産性の向上及び諸経費の削減等、あらゆる企業努力を継続して行なってきたが、価格の据置きは難しい状況となったので、不本意ながら新規ご契約料金を改定させていただく。既存のお客様や2024年4月1日までに新規お申込みいただいたお客様には、従来の価格でのサービス提供に努めてまいります」
というもので、2024年4月2日を改定日とし、3%弱の値上げをすると言う。
例えば、ずっとPREMIUMプランの12Lボトル×2本セットの場合、3,974円(税込)が、4,082円(税込)という具合だ。
そして、「既存のお客様や2024年4月1日までに新規お申込みいただいたお客様には、従来の価格でのサービス提供に努めてまいります」というのも、価格の保証は出来ないよと、暗に仄めかしていて実に微妙で危うい。

これまで、「値上げは絶対にせず、顧客獲得を優先する」という方針であると耳にしていたので、この方針転換は意外だ。
宅配水業界の顧客数シェア30%以上。正に一強を誇るプレミアムウォーターが値上げをしないということは、他のワンウェイ天然水メーカーとて、下手に値上げは出来ない。そんなことしたら、途端にプレミアムウォーターが営業を仕掛けてきて顧客を奪われてしまう。水の味わいに差こそあれ、基本的には天然水ウォーターサーバーには価格優位性くらいしか頼るところはないのだ。

催事でのデモ販売を中心に、コールセンターや他社へのOEMで顧客数をガンガン増やしてきたプレミアムウォーターではあるが、ここ何年間は新規獲得の伸びが悪く、また、やはりコロナ禍の影響か、解約発生も止まらないという状況に対しての焦りはなんとなく傍から見ていても感じてはいたのであるが、それなのに敢えてここで値上げとは!

プレミアムウォーター自身が、日本国内のウォーターサーバーの世帯普及率は未だ8%程度とまだまだ低く、拡大余地があると主張しているものの、2011年の東日本大地震以降、認知度も新規設置も広がってきたウォーターサーバーにも、まぁ、ここ数年間で、やや飽和状態が迫ってきている雰囲気はあると私自身は感じている。
加えて、多分、恐らくだが、2024年問題を盾に、宅配便会社からの送料値上げの圧力も迫ってきているのかもしれない。

今回のプレミアムウォーターの値上げは、つまり顧客基盤拡大を放棄した訳ではないが、新規獲得の鈍化のリスクを孕んだとしてもなお、利益確保に舵を切ったということなのではないか。
それは判る。
しかし、判らないのは今後の業界のトレンドだ。

今回のプレミアムウォーターの価格改定を受けて、これまで値上げを抑えていたワンウェイ天然水の各社は一体どんな動きを見せていくのだろうか。
やっぱり追随して値上げラッシュが始まるんだろうか。

観察は怠れない。


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