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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.11

当初はそれで良かったのだ。
何故なら、『ワンウェイ方式』は『リターナブル方式』が求めていない顧客層を開拓して顧客を増やしていたのだから、ターゲット的にはバッティングはしていなかったのだ。

その様子に変化が訪れたのは東日本大震災の発生からだった。
震災直後、個人宅に於いても水の確保の需要が高まった。かなりの勢いでウォーターサーバー各社へ注文が殺到し、パニック状態となった会社も数多かった。

これを契機として、ウォーターサーバーの存在も一般的なものへとなっていき、家庭向けの販売が加速した。
事実、2011年から2013年頃までは毎年二桁%増でウォーターサーバー業界全体での設置台数は増加していったのだ。こうなってくると、『リターナブル方式』勢としても家庭向けを無視できなくなった訳だ。
もっともこれは、この物語の中ではもう少し未来のこと。

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さて、ウォーターサーバーの業界ネタはこの辺で終いにして、我々の商品の話へと戻ることとさせていただく。

サプリメントMCMを原液化し、RO濾過した天然水に配合する。
商品名は『デザインウォーター MCMのめぐみ』となった。
供給の方法はウォーターサーバーと500mlであるが、500mlはフック商品の扱いに近く、メインどころはウォーターサーバータイプだ。

この頃は、収縮タイプのエアーレスサーバーは、コスモウォーターのほぼ独占状態と言えた。当社オリジナルの商品にエアーレスサーバーを使える様な状況には無かった。
よって、我々の使用するのは、ペットボトルと同じ材質だが、収縮していかず、飲み終わったらお客様に潰して貰うボトルで、ウォーターサーバーのタイプとしては『リターナブル方式』と変わりない。

なお、MCMのめぐみでは、お水の供給方法は『ワンウェイ方式』でありながら、ウォーターサーバーは一年毎に交換する。
コスモウォーターは『メンテンスフリー』と言うが、これは聴こえは良いが、言い換えればメンテナンスを放棄している訳だ。

現在では、当社でもエアーレスサーバーを導入しているため、メンテンス交換時期は3年毎に延長させていただいているが、『ワンウェイ方式』でサーバーメンテナンスをしている会社は今もって殆ど存在していない。
嘘だとお思いなら調べてみていただければハッキリと判るだろう。
当初から、我々のコンセプトでは、『リターナブル方式』と『ワンウェイ方式』の良いところ取りをした訳で、今思えばこの点だけは正しかったとは思っている。

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考えてもみていただきたい。
ボトルが収縮して、余分な空気を取り込まないとは言っても、タンク内が言葉通りの「エアーレス」になるとお思いだろうか。
また、サーバー内部でほこりや汚れが皆無で有り続け得るだろうか。

当初全くウォーターサーバー業界の知識を持っていなかった私であったが、やがて暫くして思い至ったのは、当時既に事業を始めて5年以上も経っていたコスモウォーターを筆頭とする『ワンウェイ方式』勢が、今後メンテナンスフリーで通すことが可能なのだろうか? ということだった。
10年も経った時には、一体どうするつもりなのだろうか?
その頃になってメンテナンス交換を始めざるを得なくなったら?
確かその当時でもコスモウォーター勢は40〜50万人のユーザー数を誇っていた筈だ。
考えるだけでも恐ろしいではないか。

だが、その心配は無用であった。
その後、コスモウォーターの創業者は2015年にオリックスへ発行済全株式を売却したからだ。
さらにはオリックスも2019年には投資ファンドへ売り抜けている。
双方共になんと素晴らしい引き際だろう。
可哀想なのはFCやPB会社たちだろう。彼らは今後どうなっていくのだろうか。
南〜無〜。


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