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Rambling Noise Vol.65 「メルマガナイトへGo ahead! その51」

まぁともかく、漫画の(!)『武器よさらば』は、大友克洋が読者受けするかどうかの実験的扱いだったのか、翌年の1982年には、同じく週刊ヤングマガジンに於いて、とうとう読切ではなく連載が開始された。
そう、あれよあれ。

『AKIRA』である。


これには最初こそ興奮したが、メジャー誌だからこその制約があったんだろうか、それまでただの”一度”も描くことのなかった華美で”真っ当”な美人さんをとうとうヒロインとして描きだした事実。これがまずアサノさんに僅少とは言い切れないほどのショックをもたらした。加えて、益々の画力の見事さとは裏腹に、そのハデハデ大袈裟っぷりが段々と鼻に付く様に感じだしたのだった。

あらまったく。そう、生まれながらのアマノジャッキーなアサノさんに於いては、おやおや。


あのしらっちゃけた雰囲気、微妙なユーモア感覚、そういった曖昧さみたいなところこそが、大友漫画の魅力だったのだ。うん、まぁ、少なくともアサノさんにとってはね、はっぱふみふみ

その様な面白さを排した、押し出しの強さが際立つ『AKIRA』には、アサノさんは意外にも即どうでも良くなってしまってですね、連載開始数回目であっさり読むのを止めてしまった。
そして、それから大友氏には興味を失った。もうビックリするくらいにパッタリと。

Oh! Give me sense of wonder!


まぁ、『AKIRA』は映画版も観たし、後年になって、やっぱ一応読んどくかとコミックスも全巻買ったけど、未だ再読する気になったことは無いし、あんまり内容も覚えていない。

やはり野に置け偏屈者。
オタクで天邪鬼ときたら、どうにもならない。

「これはしたり」
これはまたいったりきたり。
はっぱのにのに


おお、そう言えば、池上遼一のくだりでも比較対象として挙げさせていただいた手塚治虫でありましたが、実は大友克洋との逸話も残されているので、箸休めにご紹介。
手塚センセが大友氏に初めて会った時、

「僕は君の絵なら描ける。僕が唯一描けないのは諸星大二郎の絵だけだ」


パーンとこう言い放ち、それをコブラ寺沢武一が傍らで聞いとったのだそうじゃ。
あーーーーーー、こわい。血も凍る様なお話じゃーあーりませんか。



こうなりゃついでの因み話をもう一つ。
大友克洋は横山光輝の『鉄人28号』が大好きでして、『AKIRA』には、そのオマージュがあれやこれやと散りばめられているのです。
「鉄雄」、「敷島」、「25号、26号、27号」、そしてアキラこと28号」
そう思って読むとそれはそれで面白いのかも。

「金田アアアアアアアアア!!!」


(続く)

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