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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.10

これは、従来の『リターナブル方式』が主にオフィスユースをメインターゲットにしていたのに対して、『ワンウェイ方式』では、天然水の美味しさを売りに、個人のホームユースへの販売を進めたからだ。

ウォーターサーバーは会社に置いてあるのを見たことはあるが、一般家庭で使う様な物ではない。その頃はそんな認識で、まだまだウォーターサーバーの認知度が低かった。

これにも理由がある。

『リターナブル方式』を広めた大手の幾つかは、元々ガス会社だった。冬はガスが売れるので良いのだが、夏になるとガスの使用量が下がる。それを補填する様な夏向け商材で、ルート営業のリソースがそのまま使えるアイテム、それがウォーターサーバーだったのだ。

既存顧客にアップセルをすれば良い。また、個人宅よりもオフィスの方が使用量も多く、売上高も良い。そして、相手が個人の場合は、配達時間の調整が必要だが、会社ならばそれほどでもない。
こういった理由で、『リターナブル方式』の主な顧客はオフィスユースになっていったのだ。

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さて、当時『ワンウェイ方式』で隆盛を誇っていたのはコスモウォーターであった。彼らが画期的だったのは、使用していくに従いボトルが潰れていく『エアーレス・タイプ』のウォーターサーバーを開発したことだ。
空気に触れないのでお水が痛まない。だから、サーバーのメンテナンスが不要であると論じ、『メンテンスフリー』を謳った。

これで、大きく分けて三種類のボトルの供給方法が確立した。
『リターナブル方式』のポリカーボネイト製の硬いボトル。
『ワンウェイ方式』のペットボトルと同じ材質だが、収縮していかず、飲み終わったらお客様に潰して貰うボトル。
『ワンウェイ方式』のペットボトルと同じ材質で、収縮するボトル。

これら三種類の共存状態は、現在でも変わってはいない。
(7リットルのビニール袋を針で刺して水を供給するタイプもあるが、現在ではレアケースである。)

しかし、収縮ボトル+エアーレスサーバーを開発したコスモウォーターは、「初期費用無料、サーバーレンタル代無料、送料無料、定期メンテナンス不要で、商品の代金のみで美味しい天然水が飲めますよ」、という手法を打ち出した。

この手法は、ワンウェイメーカーの定番となった。それは今でも変わらない。ナントカの一つ覚えの様にまったく変わらない。
2017年以降に、「宅配送料の値上がりを理由」とはっきりと明示した上で、お水の代金を上げたという事実を無視して、コスモ系のみならず、ワンウェイ各社が未だ同じ謳い文句を使っているのは、一体どういう神経をしているんだろう? やっぱりバカなんだろうか?

それはともかく、この営業トークに加え、収縮ボトルを使ったお水の供給方法で特許を取得していたことも相まって、コスモウォーターのFC若しくはPBブランド商品が市場にどんどんと広まっていった。

同じサーバー、同じお水のラインナップで、メーカー及びブランド名が異なるだけの商品が乱立し、コスモウォータータイプが市場を拡大していった。

電エース-_スライドラフ


ここで、『リターナブル方式』、『ワンウェイ方式』の双方のメリット、デメリットを挙げてみたい。

リターナブルのメリット
・商品価格が安い
・1年毎にサーバーをメンテンス

リターナブルのデメリット
・美味しさは「?」
・ボトルを使い回すので不衛生の恐れがある
・飲み終わったボトルを保管せねばならないので場所を取る
・配送タイミングの融通が効かない
・サーバーのレンタル代か、メンテナンス代が必要

ワンウェイのメリット
・天然水で美味しい
・ボトルは一度きりの使用なので安全
・使い終わったボトルは捨てられる
・宅配便でお届けするので、時間指定も夜間の配送でも可能
・サーバーのレンタル代が無料

ワンウェイのデメリット
・商品価格が高い
・故障を除き、サーバーのメンテンスはしない

上記の様なそれぞれの特徴からも、企業向けは『リターナブル方式』、家庭向けは『ワンウェイ方式』、と大雑把に分かれていったのも頷ける。


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