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GeoGuessrで進学校Mapを題材にしたゲームを作りました

2023年6月24日、私がこのnoteなどで公開している『進学校Map』を題材に、進学校ゲッサーというゲームを作りました。正確に言うと、ブラウザゲーム『GeoGuessr(ジオゲッサー)』で『進学校ゲッサー in Japan』という自作のマップを公開しました。以下のリンクからプレイできます。

GeoGuessr(ジオゲッサー)とは?

GeoGuessrは、Googleマップを使った場所当てゲームです。ストリートビューの画像がランダムに表示されるので、その画像がどこにあるのかをGoogleマップ上で推測します。推測した場所が画像の場所に近いほど高得点です。私は最近このGeoGuessrにハマり、YouTubeライブで何度か実況配信も行いました。

朝森久弥がGeoGuessrをプレイしている様子。最初に表示された場所からストリートビューで移動することができるので、周辺を探索しつつヒントを探し、場所を特定していきます。
『【GeoGuessr】日本の進学校事情をランダムに語る(第4回)【VTuber朝森久弥】』から引用

GeoGuessrで高得点を獲得するには、その土地の地理に精通している必要があります。私は単に高得点を目指すだけでは物足りないので、GeoGuessrをプレイしながら進学校事情を語ることに挑戦しています。GeoGuessrで日本のどの地点が出題されようと、その地点の進学校事情(その地点に近い進学校がどこか、どの進学校に進学する傾向があるか、その地点を含む地域の入試制度はどうなっているかなど)を語れる自信があります。

GeoGuessrには様々なテーマのマップが用意されていて、世界のすべて(Googleマップがカバーしていない地域を除く)が出題されるマップで遊ぶこともできます。私はまだ日本の進学校しか詳しくないので、もっぱら日本限定のマップで遊んでいます。
GeoGuessrは基本無料で遊べますが、課金するとプレイ時間制限がなくなったり、自作のマップを公開したりすることができます。私は「進学校MapをGeoGuessrで再現できたら面白いのでは?」と考え、GeoGuessrに課金して自作のマップを公開することにしました。

GeoGuessrでの自作マップの作り方

GeoGuessrでのマップ作りはさほど難しくありません。専用のマップエディターで、出題したい地点を設定していくだけです。ただ、ゲームとして成り立たせるには、ある程度の数の地点を設定する必要があるでしょう。『進学校ゲッサー in Japan』では556ヶ所を設定しています。

GeoGuessrのマップエディターで『進学校ゲッサー in Japan』の出題地点を設定し終えた様子

Googleマップを見ながらひとつひとつ進学校を探して設定してもいいのですが、私は先行してGoogleマップで進学校Mapを作成していたので、この情報を流用することにしました。

まずGoogleマップにログインし、進学校Mapのデータをcsv形式でエクスポートします。このデータには各地点に関する情報が含まれています。

Googleマップの進学校Map(三訂版)からエクスポートしたcsv形式のデータ

このcsv形式のデータから区切り位置指定ウィザードなどを使って、各地点の緯度・経度情報だけを抽出したデータを作ります。

Googleマップの進学校Map(三訂版)のcsvデータから緯度・経度情報だけを抽出したデータ

csv形式で作成したこのデータをGeoGuessrのマップエディターにインポートすることで、データの緯度・経度通りにGeoGuessrのマップに地点が設定されていくわけです。なお、Googleマップからエクスポートしたデータは経度、緯度の順番になっていますが、GeoGuessrにインポートさせるときは緯度、経度の順番にする必要があることに注意してください。

ところが、インポートをし終えただけでは完成とはなりません。Googleマップでは各高校の敷地内に地点を設定してしまっているからです。

Googleマップの進学校Map(三訂版)における地点設定の事例。
敷地内(校舎の中)にピンが刺さってしまっている。

Googleマップではこれで大丈夫なのですが、GeoGuessrのマップでこのままでは問題が起こります。GeoGuessrで出題できるのはストリートビューの画像が存在する場所だけだからです。学校の敷地内はふつうストリートビューの画像がありませんので、校舎内に地点設定をしたままだと真っ暗な画面が表示されてしまいます。敷地内にストリートビューの画像が存在する学校もありますが、よっぽど特徴的な建物や部屋でない限り特定できません。

そこで私はインポートされた進学校の地点を、各進学校の校門付近にずらす作業を行いました。校門にはたいてい学校名を記載した表札などがあるので、その情報から場所を特定することができます。学校名がストリートビューの画像からは不鮮明で読み取れなくても、周囲の道路などからどこの学校かを推測することができます。もっとも、校門付近にすらストリートビューがない学校もあり(とくに人里離れた私立高校に多かった)、その場合は学校になるべく近いところでヒントが探しやすいところに設定しました。556ヶ所についてこれを手作業で行ったのは結構しんどかったです。

『進学校ゲッサー in Japan』のプレイ画面の一例。表札だけでなくSSHの横断幕が掲げられているので、高校名はすぐにわかる。

進学校ゲッサーで遊ぼう!

進学校ゲッサーは、日本の進学校だけが出題されるGeoGuessrのマップです。Googleマップ上では学校名も表示されるので、地図をしらみつぶしに探せば誰でも高得点が取れるとても易しいマップとなっています。

進学校ゲッサーで遊ぶには、まずGeoGuessrのアカウントを作りましょう。メールアドレスがあれば無料で登録できます。公式サイトは英語ですが、日本語に切り替えることもできます(たまに不思議な訳が出ますが)。

アカウントを作ってログインしたら、画面上部の検索ボックスで「進学校」と検索すると、進学校ゲッサーが出てきます。プレイを開始する直前の画面でゲーム設定ができます。デフォルトでは1ヶ所につき制限時間2分となっていますが、この画面で自由に変えられるのは覚えておくとよいでしょう。

進学校ゲッサーのプレイを開始する直前の画面。1ヶ所あたりの制限時間を5分に設定している。

基本的には1ゲームにつき5ヶ所出題され、1ヶ所につき5000点満点なので1ゲームで25000点満点です。推測した場所が表示された場所から25m以内であれば、5000点満点を獲得。離れれば離れるほど点数が下がりますが、100mくらい離れていても4990点はもらえるので、学校さえ間違えなければ24900点以上は堅いと思います。25000点満点を狙うなら、毎回その学校の校門がどこかまできちんと考えて推測する必要があります。

進学校ゲッサーでは、単純に日本全国の進学校を見て楽しむことができますし、校舎やその周辺の光景から、その進学校に通う生徒のライフスタイルを感じ取ることもできます。たとえば、都会のど真ん中にあり寄り道もしやすそうな進学校もあれば、坂道が険しく毎日通学が大変そうな進学校もあります。プレイしながら「もし自分がこの高校に通っていたら」と想像してみると、得られるものがあるかもしれません。

GeoGuessrは1人で遊ぶだけでなく複数人で遊ぶ、つまりマルチプレイをすることができます。私は今後、進学校ゲッサーで多くの人とマルチプレイをしたいと思っています。具体的には、CURIOSIST公式YouTubeチャンネルでGeoGuessrの実況配信をする最中にマルチプレイをするため部屋(Party)を用意しますので、ご興味のある方はぜひ配信をご視聴ください。なお、部屋に参加してプレイするなら課金は不要ですし、無料版にあるプレイ時間制限もありません。

私はゲームクリエイターでもありますが、進学校Mapをはじめとする「教育データバンク」活動はどうしてもお堅い内容となってしまい、ゲーム制作のノウハウが活かせない状況でした。ですが今回、進学校ゲッサー作りを通してそのノウハウを初めて「教育データバンク」活動に活かすことができ、創作活動の幅を広げられたことをうれしく思います。

進学校ゲッサーが、一人でも多くの人が学校教育制度に興味を持つきっかけとなれば幸いです。

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