EQリーダーシップ

EQリーダーシップ【書評】~リーダーシップ本で一番しっくり来た本~

著者:ダニエルゴールドマン 出版社:日本経済新聞社

この本をオススメしたい人

 リーダーシップについて知りたい人、チーム運営に悩んでいる人、本が結構長いので、気長に本が読める人。長かったですが、読みごたえのある本でした。

本の概要

 リーダーとは、リーダーに必要なもの、チームに必要なこと、などが書かれています。学び方や目標の立て方、簡単なワークも紹介されていました。

この本の中のキーワード 9つ

① EQ
② ビジョン
③ 共鳴
④ 雰囲気・空気
⑤ 不協和感
⑥ 集団独自の雰囲気やニーズ
⑦ 感情は伝染するもの
⑧ リーダーシップスタイル
⑨ EQリーダーシップのコンピテンシー

 この本を読んてみて、上記の9個が、この本に出てくる『カギ』となる言葉だと思いました。キーワードに沿って、感想を書いていこうと思います。

EQ(イーキュー)とは

この本の副題にあるように、『こころの知能指数』のことをいいます。

『ビジョン』と『共鳴』

モチベーションを与え、方向を示し、意欲をかりたて話を聞き、説得しそして何より共鳴を引き起こすことで、ビジョンを実現していく。

 これがリーダーの役割だとゴールドマンは言っています。

『ビジョン』とは、目標のことです。

『共鳴』とは、人々の感じる脳が良い方向で同調している状態のを言っています。

 明確な目標をしめすことで、メンバーが迷子にならないように導くんですね。

「目標に良い方向で同調する」というのには、いろいろな準備と、いい意味で根回しが必要です。

メンバーが、いいなと思ってくれる目標を設定するには、どうすれば良いのでしょう。引き続き、キーワードを追ってみていきます。

『雰囲気・空気』が重要

お互いのすべての「感情は集団感染」する。
リーダーは感情の指針。
リーダーの感情は伝染する。
リーダーはそもそも、注目されているのでわずかな感情の表出でも大きなインパクトがある。

 これは、よくある現象だと思うのです。

 たとえば、その日チームのリーダーか、もしくは影響力の高い人の機嫌が悪かったとします。

 どうなりますか?

 メンバーは、リーダーの顔色をうかがいながら、余計な緊張を強いられるのです。生産性はガタ落ちですね。

 しかし、反対にリーダーの機嫌がよかったらどうでしょう。

 メンバーは、顔色をうかがうという余計な仕事をせずに、自分の仕事に打ち込むことが出来ます。リーダーにわからないこと、悩み事を相談することも簡単です。

 リーダーの機嫌だけで、仕事のしやすさに影響が出てしまうものなのです。

 ずっと良いのは難しいかも知れませんが、リーダーは、機嫌の波がない方がいいですね。

『不協和感』とは

リーダーが集団の感情を正しく読むとることができないと、不協和感を生む。 組織内の不協和感は人々が熱意を失い才能を発揮できなくする。


いろいろな例はあると思うのですが、「あの人、全然仕事しないんです」とか、「あのこ、空気読めないんですよね」とかありませんか。

「 不協和感」出てます。

メンバーやる気なくしてます。あの人と同じ勤務やだなと思わせてしまっている。

これは、仕事をしない人を作ってしまった、もしくは放置していたリーダーの責任です。早めに気づいて、不協和感の芽が出ないうちに摘み取る必要があると思われます。

上記の例のような状態があり、対応はしていたのですが、その状態を改善しきれず、失敗したことがありました。「あー、あれは不協和感だったのね」と本を読んでいるときに気づきました。

ですので、皆さん注意です。

『集団独自の雰囲気やニーズ』と『感情は伝染するもの』ということ

 問題の根は長年で組織に染み付いた習慣『文化や規範』であることが多い。つまり集団には集団独自の雰囲気や『ニーズ』がある。

会社や、職場の独自のルールってありませんか。規則ではないけど、暗黙の了解みたいなもの。

終わってない人を手伝わなきゃいけないとか、先輩の言うことは絶対!のようなもの。他にもちょっと変わった暗黙のルールがある職場もあると思うんです。

そんな、職場文化やルールを打ち破るのは、なかなか難しいことです。

『感情は伝染するもの』なので、良くも悪くも互いの言動から感情の影響を受ける。前向きのチームに支えられているとき人は前向きの変化をとげることができる。チームの人間関係が率直で信頼と安心感に満ちたものであればなおさら効果が大きい。

書かれている通り、感情は伝染するので、良い雰囲気にもひっぱられるし、悪い雰囲気にもひっぱられます。

悪い感情が伝染すると、収集がつきにくいです。

メンバーもリーダーも疲弊します。

みんなが、その事実を知っていることも重要なのではないかと思います。

声を大にして言いましょう。

「感情は伝染するものですよー」

チームの感情傾向を見守り「ここの雰囲気よくないよね」といった単純な気持ちを認識させることが大切。

これが変化への第一歩。

いいチームを作るためには、チームの感情傾向をつかみ、メンバーに認識してもらうことが大切なのですね。

少し難しそうですが、メンバーを良く観察し、メンバーとのコミュニケーションを重視してあければ良いなと思います。

6つの『リーダーシップスタイル』

①ビジョン型 
②コーチ型 
③関係重視型 
④民主型 
⑤ペースセッター型 
⑥強制型

 自分が持っているリーダーシップのスタイルを把握し、いくつかのスタイルを組み合わせてリーダーシップを発揮できると効果的です。すべてを獲得できる人はいないので自分に合ったスタイルを見つけて増やしていくことが大切だそうです。

4つの『EQリーダーシップのコンピテンシー』

コンピテンシーとは「 高い業績・成果につながる行動特性 」 のことを言います。

①自己認識
②自己管理
③社会認識
④人間関係の管理

自分がどのリーダーシップなのかを知るにあたり、この4つを見ていくことになります。

まず、第一に自分がどんな人物なのかを知ることが大切です。

自己認識ができていなければ、自分を知らないということなので、自己管理もできません。

そこから、まわりのことに目を向けていくのです。

リーダーシップの育成は『文化』を変えるところから

変革が人々の心に本当に浸透するには『同調』が必要。『同調』とは「ビジョンを通して心の注目を集めること」全員に当事者意識を持たせる工夫が求められる。

メンバー全員に、当事者意識をもってもらうのは難しいと思います。

そこは、明確なビジョンをもって、その取り組みのメリット、デメリットを伝えていく必要があります。

おわりに

大切だと思うことが、たくさんありすぎて、簡単には説明しきれません。(私の文章力と理解力の問題ですが)

数年前に出た本ですが、リーダーシップに興味がある方は読んでほしい一冊です。

長くなりましたが、最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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