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その先に、たくましさがあるのだから

息子が最近、また新しい環境で挑戦している。

息子は今年から学校が終わったあとに、学童のような場所にたまに通っている。日本の学童の事情は細かくは分からないのだが、ここの学童は本当にシンプルにすんなり入れた。
携帯のSMSで担当者と軽く相談して、ウェブサイトから申し込みをして、はい翌日からどうぞーという感じで、あまりのあっけなさに親の方の心の準備ができないほどだった。

学童、「アフタースクールイングリッシュプログラム」と言い換えてみると、一気に特別感が増すような気がする。
ただただ共働き夫婦(でない場合も大いにある)のお子さんが、一ヶ所にわんさか集められて、子どもたちがワイルドに敷地内を適当に遊ぶだけで、何も特別な教育プログラムなんかは用意されていないのだけど。
とりあえず安全に数時間過ごしてもらえれば、こっちとしてはこんなお安い料金で全く文句は全くありません。ということで、知らない人ばかりの環境に飛び込まされるのが嫌だ・・・と及び腰の息子を、美味しいおやつがもらえるらしいうよ!と、食べ物でつってなんとかかんとか行ってもらった。

学童という場所は、クラス分けされ、同じ学年で、色々とバランスを考えて構成された集団の中で過ごすのとは随分違う。
学年もバラバラで、息子よりも随分体格が大きくて普段の小学校のキャンパスでは絶対遊ぶことがないだろう年上のお兄さん、お姉さんもいれば、同じ学年でお互いの存在を認識したことはあっても「違うグループ」の子もいたり。
何かテーマが用意されていて、さあこれをみんなで一緒に遊びましょう、と音頭をとってくれる先生がいるわけではないから、自然発生的にできてくる小グループにうまく入っていかないとつまらない数時間を過ごすことになる。

初回の学童の時間は案の定、結構苦労したらしい。
知り合いの男の子と女の子がそれぞれ一人ずついたのだが、どうもその子達はその子達で遊んでしまってうまく小集団の中に入れず、孤独な感じだった模様。
夫が学童に迎えに行ったら
「もう少し早く迎えに来て欲しかった・・・」
と弱々しい声で伝えてきたという。

そんな話を聞くと、私は悲しい気持ちになり、もう次から学童はやめてなんとかできないものかな・・・などと、息子が辛くならない他の方法を次から次へと考え始めるのだが、夫の方は気楽な感じで
「まあなんとかなっていくから。いい英語の勉強だし」
と気に留めない感じで、その次、そしてその次もと送り出した。
夫ほど自信を持てない心配性の私は、これが港区とかのインターナショナルスクールで開催されるアフタースクールプログラムだったら、目が飛び出るほど高いはずなんだから、こんな格安で英語環境で数時間を過ごせるなんて、どんだけお得なの!と計算高くなることで、なんとか自分を落ち着かせた。

そして、回を重ねるたびに息子は学童での楽しみ方を覚えていった。
夫が迎えに行くたびに、周りの子達と楽しそうに元気に走り回っていて、最初の頃がうそみたいに
「もっと遅くに迎えにきてよ!」
なんていうようにまでなった。

そして先日の学童のあと。今日もすごい楽しかったーと満足顔の息子に、どうやってお友達を作ったの?と聞いたら
「Can I play with you?って聞いたら、みんなOf course! って言ってくれるから、聞くだけだよ。」
と、さらっと言ってのけた。

すごい!!!

ご立派!!!

小心者の息子が、中心者くらいにレベルアップした瞬間を目撃したのだ!
ちなみに、その日の学童は年上のお兄さんたちとも一緒にラグビーまでしたらしい。わーニュージーランドっぽーい!

子育てをする中で、私はできるだけ子どもたちにトラウマ的な経験をさせたくないとは思っていた。
自分がそれなりに大変な幼少期を送って、アンバランスさを抱えたまま大きくなって今も日々苦労しているからこそ、子どもたちには、傷つく体験をできるだけしてほしくないという思いが強かった。特にできるだけ人への信頼を失わないようにしてほしいなという思いがあった。世の中には色々な人がいるのだけれど。

しかし、最近、そんなに過度に子どもたちのことを心配する必要はなく、彼らが多少もみくちゃにされる経験、そういう厳しい現実もうまく受け入れられるようになること、そして自分が居心地よく感じる方法を見つけ出す力なんかも大切なのかなーと思い始めた。

息子にたまに小学校でのお友達のことを聞くと、一人また一人と、仲良しグループの子達が減っていく。
小学二年生になって最初の頃こそ、一年生の時の仲良しグループの子達と変わらずワイワイとお昼ご飯を食べたりそのあと一緒に遊んでたのに、段々とそれぞれ新しいお友達ができて、前のようには一緒に集まらなくなってきたらしい。
「S君は最近、女の子と食べるようになった」
「L君は一個上のお友達と仲良くなった」
そんな報告がちょこちょことある。そういう報告をする時の息子の表情はちょっと寂しそうに見えなくもないし、それはそういうものだと割り切っているようにも見える。

今では結局、息子がもともと大親友だったお友達二人と3人グループになっている。

人は変わっていく。人との関係も変わっていく。
その中でも波長が合う子とは続いていくこともあるし、新しい出会いがあることもある。
知らない人ばかりの環境で、うまく馴染めないこともあれば、自分の一言で周りと人間関係がすんなり作れることもある。
そういう学びの過程で多少の寂しさや悔しさを感じるのもありなのかもしれない。あまりにもナイーブに人を信じすぎたり、想像していたのとは違う現実に繊細に反応しすぎてしまう癖がついてしまうと、生きにくくなってしまうのは確かなのだから。

そんなことを思いながら、今日から息子には、また知らない人ばかりの集団のホリデイプログラムに通ってもらっている。
さあ、今日お迎えに行った時の、息子の第一声はなんだろう?
どんな言葉であれ、息子の成長につながる時間になっていると信じていこう。

【ニュージーランドの秋を満喫!】日本が春の今、ここニュージーランドは秋。秋といえば・・・栗!栗拾い!!
まさかここ、ニュージーランドでも栗拾いができるとは・・・🙏
韓国人のお友達ファミリーと一緒に栗拾いへ、ファーマーズマーケット、そして近くの素敵な自然公園に行ってきました。
ニュージーランドの夏が大好きすぎて、季節が変わるのが切なくてたまらなかったのですが、こういう楽しいことを経験すると、秋もいいなーと思います🌰  https://youtu.be/O3as54BBThw


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