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弘法大師も滞在した、かつての大寺院「海禅寺」富山県

日本各地には様々な「三十三ヵ所観音霊場巡り」があります。
私の住む北陸地方にも「北陸三十三ヵ所観音霊場」がありまして、仏像好き、神社仏閣好きとしては巡らないわけにはいきません。
行けるところから、気負わず、ゆっくり巡っていけたらと思っております。その参拝日記。

さて今回は、北陸三十三ヵ所観音霊場 第三十番「稲荷山 海禅寺」。
富山県富山市にあります。

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行基も弘法大師も滞在した、かつての大寺院

海の近くにある海禅寺(かいぜんじ)。大宝元年(701年)、文武天皇の第七皇子、経の宮仏性上人によって開基されました。

奈良時代には行基菩薩が滞在され、厄除のために薬師如来、不動明王を、大同三年(808年)には弘法大師が立寄られて、正観世音菩薩を刻まれました。これを機に当寺は華厳宗から真言宗に改め、観音霊場として越中第二十四番札所となりました。

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現在地は岩瀬城の本丸跡

元々は寺地は、隣村の打出にあったのですが、千余年前に海岸浸食により岩瀬石の鳥居と称する所(現在の西岩瀬諏訪神社の海岸側)に移り、七堂伽藍が甍(瓦葺の屋根)をならべて繁栄をきわめました。

元禄八年(1695年)富山藩前田家二代正甫公より岩瀬城本丸跡の現在地をたまわり、富山藩の祈願所となって、梅鉢の紋章を許され、歴代藩主の尊信厚く、放鷹、御漁の折には御宿を仰せつけられました。

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本堂

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本堂の横にある観音堂。
観音堂に鎮座されているのは聖観世音菩薩立像。秘仏。御前立様と聖観世音菩薩立像の写真が中央に祀られています。

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上杉謙信から守るため、海中で隠された聖観世音菩薩

弘法大師作と伝わる聖観世音菩薩立像。秘仏。像の高さは83センチ、ヒノキの一木造り。

上杉謙信が越中に攻め込んだ際、海中に隠して守ったと伝わっているそうです。柔らかく優しく、どことなく素朴で、越中らしい仏像。文化財調査によると、鎌倉時代初期の作と考えられているようです。

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御朱印

北陸三十三ヵ所観音霊場 第三十番<稲荷山 海禅寺>
【住所】富山県富山市四方西岩瀬定籍
【電話】076-435-0250
【宗派】真言宗
【拝観料】無料
【駐車場】あり

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