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オリジナル童話『じゃんがら池のたからもの』4

再びひとりぼっちになってしまった
主人公カッパに試練が。
物語が急展開です。

前回までのおはなし

第4話


どれくらい歩いたことでしょう。

いつの間にやら、雨雲は消え、
お日さまがカッパを照らしはじめました。

急いで帰らなきゃ。

カッパは、ひたすら走りました。

お日さまが
からだをじりじりとせめてきます。

カッパは、息をするのも苦しいほどでした。

池まであと少し。

そう自分に言い聞かせて、
力をふりしぼりました。

じゃんがら池に着いた頃、
カッパはくたくたになっていました。

もう、動けないや。

どぼーん。

池に飛び込むと
そのまま深く深く沈んでしまいそうでした。

その時です。

「カッパさん!」

その声につれられて、
カッパは、はっとしました。

見上げると、水面からやわらかい光が
射し込んでくるのがわかりました。

カッパは、誘われるように
すーいすいと浮かんでいきました。

池から顔を出してみると、
目の前にはハチがいたのです。

「雨があがったから、急いで来ちゃった。」

「今日は、お仕事じゃない?」

「うん、お休みだけど。」

カッパは、胸のあたりがじんわり
温かくなっていきました。

(続) ※次回、最終話。


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