50歳の処方箋　病を口から防御

私の口腔内における諸問題をまとめてみた。

歯の問題
・奥歯の根元が折れて腐っている。
・そこから気づかない程度に口内に滲み出ている膿のせいで、他の歯にも菌が伝播しており、歯を磨いても菌の危険が常にある。
・根元に溜まった膿が血管内に吸収され、血液とともに臓器に運ばれ内臓に負担がかかっている。
・これが原因で糖尿病になる可能性もある。
・歯周ポケットが深い（折れている歯は9mm、ほかの奥歯も４～５ミリある場合も。前がなどは２、３mm）

噛みしめ・食いしばりの問題
・寝ているときや集中している時に噛みしめることが常態化している。
・噛みしめのせいで歯がすり減ってきている。
・歯が折れたのも噛みしめの圧力が原因のひとつである。
・顎の骨を受ける頭部の受け部分の骨が薄くなっており穴が空きそうになっている。

口腔内の問題
・唾液の分泌量が著しく低いため、菌が洗い流されず、菌にとって繁殖が容易な環境となっている。
・菌の繁殖は口臭の原因となる。
・食事のときむせやすくなった。
・食事のときに舌を噛むことが多い。
・口腔内が狭くなり口の内側を噛みやすくなった。頬が膨らまない。

以上の症状が起因する体の問題
・長年、左ばかりで噛んでいたせいか正面から見た顔が歪んでおり、右の顔の筋肉が弛緩して下がってきている。
・まっすぐ立っているつもりが完全に左側に体重がかかり、立ち姿が歪んでいる。
・歯の根元が折れて２、３年経っており、その間に菌が体内に回り内臓を痛めつけている。いわゆる「隠れ糖尿」なのでは？と心配になってきている。

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普通に歯医者に行っているだけだと歯を治療されて終了なんだが、私の通っている歯科ではこれらをすべて教えてくれて、ケアやその方法を教えてくれるビックリ治療である。もちろん保険内診療の通常治療だ。抜糸のあとは歯磨き、舌の運動、そしてマウスピース。この３つだけで劇的に改善した。治療開始約10ヶ月で私の表情はもとに戻り、唾液の分泌が潤沢になり、もちろん菌は洗い流され口臭もなくなり、口の中が広くなった。

口の中が広いことの何がいいのか。デカい口でものが食べられる、空間を物理的に獲得できた、というだけでなく、私が現在やっている英会話にとって、これは大変よいことらしいのである。英語という言語は発音を喉や鼻腔も含めた口腔内全体で行う。音を響かせて発音するのが英語だ。日本語は口先だけの発音が可能で、深く発音しなくても通じる。けれど、英語と言うのは口腔内の響きがないと通じにくい。音の発生装置として口の中が広くなっり、音が響きやすくなったというのは語学を学ぶにあたってかなりのアドバンテージが獲得できる、というわけだ。

さて、私は奥歯を抜いて、そこに何を入れるかで悩んでいた。ブリッジがインプラントか。そうとう悩んだ。だって金額が全然違うから。でも、私は何かにお金をめっちゃ使うわけでもない。車もない。服もめったに買わない。コスメなんてそのへんの薬局に売っている1000円くらいのヤツを使ってる。美容院も年に2回くらい1000円カットに行って揃えるくらいだ。強いて言えば年に数回の旅行に行くくらいだろうか。そう、私は普段から金のかからないヤツだ。だが、ここでは金をかけることにした。なぜって、これが今後の私の一生において大事なパーツとなるからだ。口の中が整っていないと散々な目に合うことを実体験で分かってしまった私はもう腹を括った。インプラントだ。

さて、インプラントの金額は前回も書いたけど、一本50万円だ。インプラントというのは保険がききません。なんできかねーんだよ！と毒づきたかったですが、考えてみてください。もしインプラントが保険診療なら、歯のないお年寄りがみんなインプラント入れちゃうんじゃないですかね。あるいは、歯医者さんが「大丈夫、インプラント入れればいいんだよー。保険効くから」とかいって大儲けする人とかでてきそうじゃないですか。そう、インプラントを保険診療にしちゃうと大変なことになりそうなんですよ。まあ、それが理由かどうかは知らんけど。私の勝手な想像だけど。

ということで、インプラントは保険が効かないんである。私は人生初の保険外診療をすることになった。インプラントを入れるには適切な歯の手入れが必要で、歯磨きがおろそかだとせっかく大金かけたインプラントも無駄になるそうだ。その代わり、きちんと手入れをすれば一生もので、しっかりものを噛むことができる。

ここまでで、私はハッ！となった。つまり、数カ月かけて先生は（こいつインプラントしても大丈夫かな？ちゃんと自分で歯のケアできるんかな？）ってね、見てた思うんですよ歯磨きはできているか、舌の体操をしてちゃんと噛みしめが軽減されているか（インプラントを入れて噛みしめると割れてしまう）。口腔内ケアの意識が向上しているか、ってうのをね。

いっぽうで、私の口中衛生に関する意識はそりゃもう以前に比べると格段に上がっていたわけよ。自分の食べたものが自分の体を作る。それにはちゃんと食べられる口でなくてはならない。歯やそれを支える歯茎、舌やあごの機能が十分発揮できる状態。それがつまりは体を作る大前提。だからなによりも一番大事である。と、まあそれくらいの意識にはなっていた。

でも、インプラントなんぞしなくてもブリッジで十分だ、なんて記事が、ネットを調べるといくらでも出てきますね。だからいろいろ調べ始めるともう悩んじゃう。だから調べるのはやめにした。インプラント一択である。この50万にはインプラントそのものだけじゃなくて、事前の検査費用やもろもろが一切含まれている。それで合計で約50万円だ。自由診療だから医者によって結構値段が違うかも。けれど円安だし、こういうのもどんどん値段が上がっていくと思うから「今が一番安い」と思うことにした。なんでも考え方で乗りきるスタイルだ。インプラントは今月に入れることが決まっている。