ドリンクのこと

実際に訪店できるお店は浅草中心なのですが、気持ち的には台東区にある飲食店全てを応援してるのでインスタで台東区住所の飲食店を見かけると基本的にフォローさせていただいてます。その中には少し遠くてもいつかは訪店してみたいと密かに胸に秘めてるお店もあります。 

冒頭から話が飛ぶのですが、飲食店の売上(利益)にとってドリンクオーダーが非常に大きいウェイトを占めていることは飲食業に色々な形で関わってきた立場上、重々理解しています。ドリンクと言っても勿論アルコールのことです。それも何杯も飲んでくれる客こそ上客で、売上(利益)に貢献してくれる大事な存在です。

数日前、フォローしてるあるお店のストーリーを見ると、「予約時はワインを飲むと言ってたのに実際来店したらノンアル注文で残念だった」という趣旨のことが書かれており、非常に気になりました。

また話が飛ぶのですが、自分が常に信条として強く思っていることとして、どんなビジネスであれ提供側と客側はWINWINでなければならないというのがあります。どっちが上でも下でもない、提供側は提供した商品やサービスの対価として正当な報酬を得、客側も享受した商品やサービスで楽しい時間を過ごす。これが鉄則だと考えてます。このバランスが崩れれば両者の関係は歪になり、持続させることは、困難です。

話を戻しますが、前述のストーリーをよく見ると、客として来店した人のストーリーのリポストでした。お客さんのアカウントはオープンだったので元の内容を読んでみました。スクショを取ってなかったので自分の記憶に基づきますが「予約時はワインを飲む旨を伝えたが同伴の友人が翌日仕事になり急遽アルコールを控え、ノンアルドリンクをオーダーした。すると女性スタッフの態度が悪くなり最後の会計時も顔も見ず明後日の方向を向いた状態で形だけの"ありがとうございました〜"であった。ワインを注文しなかっただけで何故このような扱いを受けるのか。二度と利用したくありません(泣)」といった内容でした。その場で様子を見てないのでそれが事実かどうかは分かりません。ですが、少なくとも間違いなくその客は接客態度が悪いと感じ、ストーリーに書きたくなるほど残念な気持ちになったことは事実だと言えます。

その事実に基づいた想像になりますが、お店のスタッフの気持ちとしては「予約連絡の時はワインを飲むと言ってたのに何なの?嘘つかないでよ!」という感じだったのかもしれません。一つここで言えるのは、そのネガティブな気持ちが外に出てしまったとしたら、それはプロフェッショナルではないということです。これも私が常に胸に秘めている信条なのですが、どんなビジネスであれ個人的な感情が言動を左右するのはプロフェッショナルではなく、アマチュア(趣味の延長)だと考えてます。例えば、少なくとも、私は一連のやり取りを総合的に見て、当事者どちらとも面識がない客観的な立場で感じた印象は、「この店はアルコールを飲まない客は歓迎しない」ということです。また、普段からお店のインスタの投稿で「ワインを飲んでいただけるお客様を優先します」的な発言を何度も見ていたので、その印象をより確かなものにしました。

私自身はあらゆるアルコール飲料をこよなく愛してますし家でも店でも飲みます。しかしながらグループで訪店する場合はともかく、一人でディナータイムに訪店してアルコールの杯を重ねることは極めて稀です。オーセンティックバーや英国式パブなどは飲むことが主目的のお店なので例外ですが。そうすると、主に日常的に一人で訪店することが多い私は「飲まない客は歓迎しない店」には訪れることができません。そして、世の中には身体的事情で飲めない人もいますし、仕事などの都合でアルコール摂取できない人もいる以上、そういったお店はインスタを通じて広く紹介することはできなくなります。なぜなら、私が紹介したことにより、もし飲まない人がそういったお店に訪れた場合に不快な体験をする可能性が高くなるからです。このように個人的な感情に左右された言動によってビジネスにマイナスインパクトを与える可能性は十分にあり得ます。それが個人的な感情で言動する人はプロフェッショナルではないと考える理由です。なぜなら今、自分が表に出している言動が自分のビジネスにどういう影響を与えるか考えられていないからです。恒久的にビジネスの持続的な発展を真に願っているのなら、できないアクションです。

一部の理解者、一部の常連・ファンに愛されていればそれで良しとするのも一つの考え方だと思います。しかしその考え方はビジネスの発展に寄与するのでしょうか。狭い閉ざされたコミュニティの中だけで存在し得るビジネス、私なら怖くてとても続ける勇気が持てません。例えば常連で通ってた人達が仕事や家庭の事情で遠方に転居することだってあり得ます。その人達が毎月数万円落としてくれていた売上が急に無くなるわけです。それは持続可能なビジネスと言えるのでしょうか?

黎明期を支えてくれた古参の客はもちろん大切です。ですが新たなファンを開拓していくことも必要不可欠です。どちらが欠けても駄目だと思います。今後恒久的に生き残っていけるお店は(飲食店に限らず)どちらも大切にできるお店(会社)ではないかなと思います。


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