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シリコンバレーのエレベーターで -広告格言と今- vol.3

かつてあのビル・ゲイツが自身のブログで
「いまのシリコンバレーを知りたいならこれを見ろ」
紹介したHBOの海外ドラマシリーズがある。
↓実際のゲイツのブログ記事

以前からそのドラマ『シリコンバレー』のファンであった僕は、
2018年、偶然機会をいただき訪れたカリフォルニアで、
同作にも出てくるパロアルト(シリコンバレーの主要部)の
街並みを眺めながら、「ドラマに出てくる街並だー!」
「アーリックが車で走ってそー」「パイドパイパーひゅー!」
など、ひそかにひとりでアガりまくっていた。

個性的な起業家やエンジニアたちの奮闘が
おもしろリアルに描かれている同作で
重要な役を担うのがシリコンバレーを主戦場にする投資家たちだ
彼らからの投資を得るため、主人公らは自分たちのアプリが
いかにすごいかをプレゼンするシーンがたびたび描かれる。

そのシリコンバレーが発祥といわれるプレゼンの手法で
エレベーターピッチというものがある。
決定権を持つボスや投資家はつねに多忙を極めている。
新しいアイデアを提案するには、エレベーターに乗っているくらいの
短い時間でその本質を魅力的に伝える必要があることに由来する。
勘違いしたくないのは、その本質は「短く的確に伝える力を」ではなく、
「ひと言で伝わるほど、圧倒的に良いアイデアを」
だということ。

広告クリエイティブの良し悪しの判断もまさに似ていて
本当に良いアイデア、面白いCM・イケてるキャンペーンには、
感動的なプロローグの企画書も分厚いマーケティングデータもいらない。
「一家のお父さんが犬で…」「宇宙人ジョーンズが工事現場で…」
良いものは、たった一枚の絵、一行の説明で、すでに面白いのだ。
自分が面白い・正しいと思った案でも、説明に時間を要するのであれば、
それは良い案とはいえないのかもしれない。
いったんはその発想から離れて見るのが良いだろう。

その一切の内容と創造を、
令和の時代を生きる僕らに委ねられた
新しい普通、ニューノーマルの世界。
みんなが瞬時に共感しあえる
美しい絵がきっとあると信じて。


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このnoteは
Facebookでいただいた「ブックカバーチャレンジ」にチャレンジ感が足らない問題に端を発した、「”ブックカバーチャレンジ”チャンレジ」のモチベーションにより運営されています。
広告・デザイン業界の成長過程でよく見聞きした広告格言を通して、今の世(ニューノーマル)の雑感をつぶやきます。
ああ、2年前のサンフランシスコ楽しかったなー。UBER本社のおしゃれすぎるサラダボウルの話しや、混浴ロシアンサウナ「アルキメデス バーニャ」で天国を見た話しをいつか紹介したい。

#ブックカバーチャレンジ #ニューノーマル #地方創生 #コピーライター #独立国家のつくりかた #坂口恭平