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死ねばいいのにと生徒に言われた

「死ねばいいのに」と生徒に言われた
家庭科の授業中、隣の生徒と私語が止まらない生徒がいたため
「そこは私語が止まらないなら、次の授業から席を変えよう」
と、言ったところ「死ねばいいのに」と男子生徒がつぶやいた。
言われた瞬間 さーっと冷たい空気が脳に走った
ただ、激昂するほどの事にも思えなかった。
「死ねばいいって言った?それってどういうこと?」と問い返したら
「死んだらいいのにって思った。言葉通りの意味ですけど。むしろその他に何かありますか?」と。
「私が死んだらどうなるかなとか、私が死んだら悲しむ人がいるんじゃないかなとか そういったことについては考えたりしないの?」と言うと
「ありませんね。僕がそのことについて考える必要がありますか?ないでしょ」との応え。
これは、感情の発達に問題ありの子か。と思い
「あ~そうなのね。そういうことは言わないほうが良いってことを覚えておいて」と流して、授業内容に戻った。
31人いるクラスの30人を置き去りにするわけにはいかない。
付き合いきれない。そんな感情が私に沸いた。
同じクラスの話だが、授業の冒頭に忘れ物のチェックをしたところ 持参するように伝えてあった教科書やファイルなどを忘れてきた子が10名ほどいたので「忘れ物をすると自分の持ちポイントがダウンするから、どこかで挽回するか、忘れ物でポイントを下げないように」と話したところ
「家庭科の点数なんかいらないし。」という女子
「点数なんかもらえなくても別に関係ないじゃん」と。
まぁ たしかに 中学校は点数が足りないから留年するわけでもないし。
点数を教員が握っていて、それを脅迫材料にして授業を進めるスタイルは得策でないってことか。と。ふんわり思った。
ただ、この女子は心の声が駄々洩れなだけで、授業中は反抗的なわけでもなく、むしろ積極的に意見を言う生徒。積極的に言うというか 思いついたことは口に出てしまうため、いきががり上 意欲的に見えるタイプ。

授業が終わり 隣接する準備室に入ったところ、専任教諭が「さっきのアレどうしますか?担任に相談しますか?本人を呼んで謝らせますか?」と声をかけてくれた。
そこでふと考えたのだが、別に謝ってほしい気持ちはない。
謝られたからと言って、死ねと言われた暴言を許す気持ちもない。
だから、別に大事にしなくてもこのままでいいです。と答えたが専任としては問題発言があったことを 担任に報告の上で状況を説明して対応を考えたいとのことだった。
体育教師である担任に「暴言がありました。この生徒です。」と伝えに言ったところ「どういう状況でそうなったんですか?」と聞かれた。
まぁ当然の事だろう。
特にお互いに声を荒げたわけでもなく、冷静さを欠いたわけでもなく、つまり売り言葉に買い言葉的なことではなく、彼は平常心でそう発言したと思います。と伝えたところ、「本人呼んで謝らせます」と担任はいったのだが、職員室で生徒から謝られたら許さないというわけにもいかないだろうから
心の狭い私は「いえ、結構です。ご指導は担任の先生にお任せするので教科でそういうことがあったという事だけご報告に参りました。」と言って退散することにした。

これまでの学校の、授業が始まるころには生徒は教科書を準備して席に着き、50分授業の間は当てられたとき以外は私語を慎み、内容について理解しようとする。スタイルはこの学校では難しいんだな。
座席も固定にするのは難しそうだな。とおもうが、自由席にすると「友達関係」で悩む子は自分の席を決めるのに非常に精神に負担がかかる。
何か策を講じたほうが良いな。と思い 思いついたのが席替えソフト。
毎回授業時に PCをスクリーンに映して席替えをランダムにおこなう。
とりあえず 連休明けからやってみよう。
それと、デジタル教科書があるのだから教科書の忘れ物をチェックするのは無駄な作業ではないかとも思う。

生徒が私語を辞めないのは、授業内容が生徒にマッチしていないからなのかなとも思う。
中学生にフォーマルの服とカジュアルの服の区別など教え込んだとしても彼らが自発的にその知識を使える場面は想像できない。
それよりも彼らのQOLが上がるような内容に授業内容を変えたほうが良いのだろうな。

「死ねばいいのに」とつぶやいた生徒について考えていた時、発達障害児の英語教育に力を入れている友人のブログにあった言葉が目に飛び込んだ。
「困らせる生徒は困っている生徒」
なるほど 
彼には私の注意は届いていたという事かな。
注意されて、困ったな嫌だな。と思う気持ちを表すツールとしての言葉が「死ねばいいのに」しか持ち合わせていない。
そういう図かもしれない。
なにしろ 生徒を動かすよりも自分が変わったほうが早い。
それに尽きると思うGWの初日だった。







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