森のリトリート体験〜今を感じ、過去とつながり、未来を創る。

晩秋の和歌山・紀美野町にて。
11月半ばに参加した2泊3日の「森のリトリート」は、存分に森の中で自分と共に過ごす贅沢な時間でした。

あれからまだ2週間。ずいぶん昔のことのように感じます。
たくさんの現実世界での出来事があり、それを裏付ける内面的な変遷も大きかった濃厚な2週間でした。

リトリートとは

2013年2月、はじめて"リトリート"と名のつくプログラムに参加して以来、「趣味はリトリートに参加すること」と言ってもよいぐらい、たくさんのリトリートに参加してきたわけなのですが。

リトリートとは・・・

retreat【名】
1)避難、引退、引きこもり
2)避難所、隠居所、静養所
3)《軍事》撤退、退却、撤収、撤退の合図、退却ラッパ
4)瞑想[静修](期間)
(英辞郎on the web 辞書より)

もともと軍事用語で、撤退、撤収、退却・・・進軍するのではなく後退するというような意味合いの言葉です。

転じて、仕事や家庭などの日常から離れて、心身を整えなおすような場や機会を指す言葉として使われています。

入院がきっかけで「リトリート道」へ


初めて参加したのは、友人のSちゃんが主催していたハワイ島でのリトリートプログラム。2013年2月のことでした。そこから私の怒涛のハワイ通いがはじまるのですが・・・その話は改めて。

Sちゃんと出会うきっかけになったのは、2012年に人生で初めて入院していたときに読んだこちらの本でした。

入院したのは・・・ある日突然、角膜炎が悪化して文字通り目に穴があいてしまったから。(びっくりしたー!)即日入院、緊急で部分角膜移植手術を受けましたが右目は視力が戻らず、以後、左目の視力メインで暮らしています。(術後の入院中に本が読めるぐらいなので、日常生活には支障はほとんどないです)

思えば、あのときの入院から私の人生は急速にシフトしていきました。
点と点のようなできごとが繋がって、道になって、未来を創っていくのだということが、今振り返ると本当によくわかります。

入院していなければこの本も読んでいないし、そうしなければSちゃんとも出会っていない。人生の展開はいつも面白いです。

森のリトリート体験

さて、今回は、私を「リトリート道」にいざなってくれた盟友Sちゃんがスタッフをしている「森のリトリート」、その名も<株式会社森へ>という会社が継続的な事業として提供しているプログラムに参加しました。

初日。
お昼前に集合して、お宿でランチをいただいたあとは早速森へ。民家のお庭の裏側から山に入っていきます。

予想外の険しい山道にペースを崩して焦ってしまい、たどりついた森では、一気に身体のしんどさが出てしまいました。自分の場所を見つけて一人で過ごす時間では、汗がひいて体が冷えてきて、心細い感覚に。
途中から早く帰りたい、明日はもう森になんて行きたくない!と思っていました。
身体のしんどい感じを通して、実際には、言葉にならない気持ちのしんどさがデトックスされていたのかもしれません。寒さや疲れで泣き疲れたようにうずくまって倒木の陰で眠りました。

日が暮れる前に森から宿へ。
焚き火を囲みながら語らい、温泉に入ってあたたかいお食事をいただき、何も考えられない空っぽの頭と身体で、たっぷりと眠りました。

二日目。
初日のしんどさが嘘のよう。
新鮮で澄んだ空気。縁側から朝日の差し込む和室での朝食。
日の出とともに活力が湧いてくる感覚がありました。

またあの急勾配を登るのか・・・と構えていたけれど、マイペースで休みながら登ったら、険しかった山道もあっという間で。

初日に森の中で見つけた<自分の場所>で、丸一日過ごします。
無邪気な解放感を味わって、落ち葉の上に大の字で寝ていたら、急に滝のようにインスピレーションが降りてきて、一心不乱にメモをとり、仕事のプランが出来上がってしまった。森がオフィスになっちゃうなんて楽しい。

お弁当は、自分たちで炊きたての新米を結んだおにぎりを。スタッフが沸かしてくれたお湯でお味噌汁もいただき、大満足です。

同じ場所でも、自分の状態がちがうとまったく違った体験になることを体感しました。ふだんの生活でも同じことが起きているんだろうな。世界を変えるためには自分を変えるのが一番近道なのかもしれない。

三日目。
急な山道も慣れたものです。すっかり馴染んだ森のなかの<自分の場所>に座って、今日は11月17日か・・・と思っていたら、5年前の記憶が蘇ってきました。
5年前のその日、私は、末期がんを宣告されていた夫と神楽坂の治療院に行っていたのでした。膵臓癌の肝転移・ステージ4、余命はもって半年。お医者さんからはホスピスを探してくださいと言われていた。治癒の見込みも展望もないなかで、それでも日々の気持ちを前向きに奇跡を信じることはやめなかった。
二人で治療院の中庭の足湯に入って、ホッとひと息ついた瞬間は永遠みたいだったな。

そんなことを思い出していたら、閃きとともに、あのときの私は未来の私に守られていたことを知る。

森の中のホッとした感じと、あの時の感じは同じだったから。未来(5年後の今日)の私が、大丈夫だよって見守ってくれてたんだな。

絶望的な状況なのに、なぜだかとても穏やかで安心していた不思議な記憶が蘇り、解き明かされた。ああ、そうだったんだ、とわかった。

森は何も語らずただそこに在るだけなのだけど、私は、そこで時空を超えた内なる旅をさせてもらって、過去の私と邂逅したのでした。

何か特別なことをするわけではないのに、特別なことをたくさん体験した森のリトリート。それは本来は人間が当たり前にそなえているセンスなのかもしれません。

今を感じ、過去とつながり、未来を創る。
とても大切な時間になりました。

ご一緒した参加者のみなさん、スタッフのみなさんとは大人の成熟した繋がりを感じていました。干渉しないけれど見守り合える関係性が心地よかったです。
焚き火を囲んでの分かち合いのとき、私がふと口にした「呼応する」というキーワードに「呼応」して、大切なことを分かち合っていただきました。

滞在させていただいたお宿は、
天空から森を見渡す絶景に建つ「風の古民家うえみなみ」
(有形文化財に登録されている歴史300年の建物だそうです!)

あたたかい寝床とご飯、ホームを守ってくれたスタッフの存在もとてもありがたかったです。

「森のように生きる」〜本もオススメです。

リトリートの時間が大好きなのは、日常がすぐ戦場になってしまう生き方をしてきたから。

撤退ばかりしているわけにもいかないけれど、やっぱり、ときどき退避したくなるのです。

そんなときにイチ押しのプログラム「森のリトリート」ですが、いきなり参加できないよという方は、主催者の方が書かれたこちらの本がオススメです。

この本で紹介していきたいのは、現代で生きる私たちが、自然から必要なものを感じる力を取り戻し、自然や森からのサインを受け取って人生に活かすためのヒントです。
あたかも森を歩くようにこの本を読み進めていくと、どこかでふとしたきっかけで、必要なサインがやってくることでしょう。そのときは、先を急がずに一旦立ち止まって、そのサインと共にしばらく時間を過ごしてください。
ひとつだけ、アドバイスをするとしたら、できるだけ”ゆっくり”読むことです。ゆっくり森を歩くと、今まで気づかなかったような草花が足元に咲いていることに気づいたりします。
この本の中にあるあなたにとっての大事なサインは、ゆっくり進むことでキャッチされるのを待っているかもしれません。

リトリートの帰りの新幹線で読もうと買って、いつもの癖でざーっと流し読みをしようとした私を優しく戒めてくれた冒頭のメッセージです。

読んだら絶対、森に行きたくなっちゃうと思います。

(了)

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