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「生きづらさ」はどこからやってくるのか(2)

自分の前回の投稿で、「行動を減らすことが、生きづらさからの回復の、第一歩」だと書きました。

「生きづらさ」はどこからやってくるのか(1)
https://note.com/asako_emerald/n/n374fa0362168

行動を減らす。

「辞める」ということ。

これまでやってきたことを、これまで続けてきたものを、辞めていくこと。足りない、渇望している、この穴をどうやって埋めればいいのか、そんな想いからやっていたことをひとつずつ、辞めていくこと。それが「行動を減らす」。

言葉でいうと簡単ですけど、すごく勇気が要るんですよね。だって、そうしなければいけないと思って、命綱のように握りしめてきたものから、手を放していくのです。どんなに周りからみて大したことがなくても、本人にとってはまるで自ら死を選択するのと同じくらいの重大な決心であることも多い。


ちょっとしんどいのは、行動を減らしたからといって、すぐに楽になれるわけではないっていうことでしょうか。むしろ、減らし始めた最初は、思った以上に大変な状況に遭遇することが多いみたいで。だからまた、そこで感じる「不快」から逃れたくて、行動を増やしてしまいそうになる。


でも、そこで立ち止まることが、すごく大事です。これだけは、気合と根性かもしれません。そのために逃げ場とか、気を紛らす手段を増やしてもいいから(ちょっと矛盾ですが。。)行動を増やすほうにいかないで、踏ん張ってほしい。
きっと、気が付くと思うんです。不必要に強くブレーキを踏んでいることに。アクセスを踏んでないのに、力いっぱい、ブレーキを踏んでいる自分がいることに。

例えば、一人になることが怖かったから、恋人と絶対別れたくなくて、しがみついてきた。それなのに、結局別れることになってしまって、一人になった。
そこで、すぐに誰かほかの人を捕まえようとする前に、立ち止まって気が付いてほしいのです。一人でいる怖さと淋しさに襲われながら、二人でいたときもビクビクして淋しかったということに。一人でいても、二人でいても、変わらず自分は一人を恐れて泣いているということに。


「自分が、選ばれるはずがない」
 

恋人がそのときいるかどうかにかかわらず、最初からこう思ってしまっているんじゃないでしょうか。強烈で強固な、思い込み。信念。ビリーフ。これが、ブレーキの正体です。

行動は、その起点となるものを強化する働きがあります。「自分が選ばれるはずがない」が起点にあれば、たとえ恋人がいたとしても、「選ばれた」とは思えないし、「どうせたまたま今回選ばれただけでしょ。いつか捨てられるに違いない」と不安を感じていたりします。そして別れることになれば「やっぱり捨てられた」と感じるでしょう。そうして「自分が選ばれるはずがない」を強化していき、不安からの行動が止まらなくなり、また強化されていく。がんばってもがんばっても、満たされない。こんなにがんばっているのに、どうして私は誰からも選ばれないんだろう…こんなふうにして、空ふかしが起こっていくのです。


大切なことは、行動を減らすことによって、自分の持つ思い込みに気が付くこと。そして、その思い込みを疑えるようになることです。願わくばそこから、「もしかしたら、自分も、選ばれる(選ばれている)かもしれない」という可能性に、目を向けられるようになること。

ゆとりがないときは得意なパターンが出やすいというか、思い込みの影響をより受けやすくなりますから、強く思い込んでいるほど何事も「やっぱり選ばれない」って結論付けやすいんですよね。そのパターンに変化をもたらすためには、心身にゆとりが必要です。ゆるむ、といいますかね。それができてくると、少しずつ、これまでとは違った行動の選択肢が生まれてきやすくなります。

行動を増やしていくのは、それからでも全然、遅くないです。
もどかしいかもしれないけど、長い目で見るときっとそのほうが早いんじゃないかな、とおもいます。

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