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米の神様【ファンタジー ショートショート】

我が家の米は冷蔵保存だ。
ひとり暮らしなので大抵一合炊いて、朝と晩の分がある。昼は会社の近くで外食だ。
冷蔵保存であれば大丈夫かとは思うが、念の為、唐辛子成分の入った虫よけを入れている。そろそろ効果が薄れる頃なので、換えを買ってきた。
冷蔵庫を開け、米の入ったタッパーを開けたときだった。
「わしに何か用かの」
タッパーの縁に、白い着物を着た髭の長いおじいさんが立っていた。もちろんおじいさんと言っても、タッパーの縁に立てるくらいだからとても小さい。身長5cmくらいだろうか。
僕がびっくりして見ていると、おじいさんが再び話しだした。
「はて、そなたがいつも米の手入れをしてくれるのかの」
そんな、手入れなんてしていない。ただ、虫よけを入れ、冷蔵庫で保管しているだけだ。
「いつも手入れしてくれている礼をしたい」
レイ?お礼ってことか?
僕は思い切って聞いてみた。
「あの、あ、あなたは?」
おじいさんは、ほっと言って笑った。
「わしは米の神じゃ。全ての物には神が宿っとる。食べ物だけでなく、そうさな、いまどきのもんじゃと、ぱそこんなんかにも宿っとる」
「か、神?」
そんなこと、突然言われたって信じられない。
「ほほ、にわかには信じられんかの。まあよい。これから礼の品をやるから、これを見たら信じられるじゃろ」
神がそう言うと、米の入ったタッパーがまばゆく光り出した。
まぶしくて腕で顔を覆っていると、やがて光はやんだ。
恐る恐る目を開けてみると、神の姿はなかった。
よかった。夢でも見たんだ。そう思い、虫よけを入れようとすると、タッパーの中身はコメではなく、ダイヤモンドがギッシリ詰まっていた。
米を炊くことができず、夕飯はカップラーメンになった。


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池ノ上さんの記事の影響で、神様の話が書きたくなりました。
それなのに、まじめな内容でなく、すみません(;・∀・)


最近、彼氏がドラゴンボールのゲームをやってるので、神様の喋り方は、なんとなく亀仙人になってる気がします(^_^;)
今、セルゲームが終わったあたりです。その辺はアニメ見てないので、その先は知りません。


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