オペ後変わったこと【体の使い方】
5月、左手に血液透析のためのシャント増設を行った。
注意事項はよく分からない。私もナースではあるが、そんなこと学校では習わないからだ。
病棟で、処置室で、下請けのクリニックで、色んなナースに注意事項を聞いてみるが、ひとつだけ共通しているのは、シャント肢を締め付けないこと。
重いものは持ってもいい、だめだの千差万別。そのへんはまあ、医療者として分かってるところなので、話半分に聞いておく。有益そうなこと、やって取り返しのつかないことだけはやらない。
さて、オペ後の痛みは未だあり、それもあってシャント肢はほぼ使わない生活に慣れてしまった。おかげさまで左右の腕の太さが異様なほど違う。
先日お米を送って頂き、2階のリビングへ持って上がった。5キロにしては思いなと思いながら、片手で抱えたのだが、10キロあった。ありがたいことだ。
ちなみに元より力はあって、とある治療で1日6リットルの水を飲んでいた時は、12リットルの水の入ったダンボールを左右片手ずつ持って歩いていた。
そんな力持ちの私ではあるが、最近は力任せには持たなくなった。それこそ看護学校で習ったボディメカニクスを意識するようになった。たとえば今かい10キロのダンボールを持つのに、箱の真ん中の底面を支え、できるだけ体に沿わせた。体に近づけることで、力が少なくて済むのだ。我が家の猫殿は7キロあるが、私は片手で抱えさせてもらい、足置きとしてシャント肢を添える。甥っ子が、すごーい片手で抱えてる、と驚いていた。よくぞ気づいてくれた、甥っ子よ。これは猫殿との信頼関係もあるのだが。
ちょっと看護の話になるが、暴れる人は重い。力を預けてくれる人はなんとかなる。それと猫殿の対応は同様、つまり信頼関係があり、こちらへ体を預けてくれるのだ。
さて、話があちこちしたが、1番言いたいのは、体に近づけると、小さな力で済むということである。
それはつくづく片手になって感じるようになった。
どこを持つかというバランスよりもそれは重要である。
多分投げ技なんかも、体に近づけるのは重要になってくるだろう。
怪我の功名で、ひとつ体得できた、という話であった。