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声優→俳優へと活動の幅を広げるメリット・デメリット

こんにちは。演劇・エンタメ分野にビジネスの要素を絡めて情報発信しているAsakawaです。

前回の記事では「俳優・声優の需要・供給バランスとはどれだけ悪いのか」というものをご紹介しました↓

これを読むと需要に対して異常な供給量があるのをご理解してくれると思いますが、いずれも仕事を一つ取るだけでもとんでもない倍率を潜り抜けなければいけないのは変わりがないとはいえ、声優のお仕事よりも俳優のお仕事の方が若干、数は多いというのも分かります。

そこで、今回のテーマは声優俳優へ活動の幅を広げるメリットを解説していきたいと思います。

実は昔と比べて人気が逆転している

このnoteでは声優の歴史なんかも少し取り上げていきましたが、そこで触れるのは昔は俳優の方がなりたい人は多かったです。

そして、声優はそんな競争からはみ出てしまった俳優のアルバイト感覚みたいな仕事であったのです。顔出しはしない、声のみとはいえ演じることができるのは間違いないので全く違う業種のバイトよりは良いだろうと思っていた人は一定数いました。

ある意味、演じる機会のない俳優にとって声優は新しい演じれる場所だったと言えるかもしれませんね。

しかし、テレビアニメの大ヒットにより声優という立場の人にも注目が集まるようになると状況は変わっていきます。幼い頃にアニメを観て育った人の中から『最初から声優になりたい』という人が現れ始めたのです。

これにより当初は俳優たちが担っていた声優という仕事が、分離してしまったかのように声優というのは独立した存在になっていくのですが、やはり歴史を振り返れば『声優とは俳優の一部であった』とは言えると思います。

とはいえこのテレビアニメの大ヒットによりいよいよ声優というのは一大人気コンテンツになり俳優よりも将来の夢として声優になりたいと思う人達が増えていくことになります。

この逆転現象により何が起こるかは明白です。先ほど昔は演じる機会のない俳優のアルバイトみたいなポジションで声優があると書きましたが、今度はその逆のことが起きるわけです。

声優→俳優へ活動の幅を広げるメリット

今はもう俳優なんてほとんど見向きもされないくらい若い人達は演劇・芸能関係の仕事であるなら声優になりたいって言う人しかいません。それは声優学科がある専門学校や養成所の数を見ても明らかです。

これだけ声優になりたいと言う人が増えてしまうと、もちろん需要と供給のバランスから全ての声優志望者に声の仕事を割り振ることはできません。

同期に一人、事務所に準所属として身を置くことになった人がいたのですが所属してから2年間は全く声の仕事をすることはできなかったそうです。

そんな状況に耐えられなくなった同期はある行動に出ました。それが舞台に出演する、つまり俳優活動に手を出すことにしたのです。

声優の専門学校の中にはやはり声優の歴史から『俳優は声優の一部』という考えのもと指導しているところもあるので声優志望者にも体全体を使った演技をやらせますし、卒業公演という形で舞台も経験させる所もあります。私の専門学校がそうでした。

そんな経験から舞台で演じるのも楽しかったと感じたのでその同期は舞台演劇をやってみようと思えたわけです。そしてわりと直ぐに出演することが決まりました。

これが声優から俳優へと活動の幅を広げるメリットですね。

声優からもう一段階、範囲を広げることによって演じれる機会が増えることになるのです。

その同期も一番やりたいのはアニメやゲームのキャラクターを演じる、せめて声の仕事をやりたいだとは思いますがそれに拘ってしまうと需要の少なさから数年間は仕事が掴めない、演じれる機会が全く訪れないと悟ったのです。

そこで、なら舞台や俳優の仕事はどうなんだ?と考えたおかげで舞台の出演を掴むことができたのです。

このように『声優になりたい』というのはただでさえ少ない『俳優の仕事』からさらに範囲を狭めた分野の世界でやっていきたいと言っていると同じなのでかなり難易度の高い選択を自らしてしまっているのです。

せっかく学校や養成所で一通りの訓練を積んできたのであればあまり声優という形に拘らず様々な場所で演じてみるという方針に変えてはどうでしょうか?

自分も専門学校に入る前から声優の歴史を調べてみたら声優は俳優の一部と知り、故・野沢那智さんの『声優である前に俳優であれ』という言葉に出会いました。

さらに他のベテラン声優・野沢雅子さんなども一度は舞台を経験した方が良いと言っておられたのであまり声優には拘らず俳優という意識を持とうと決めました。

そのおかげで自分は養成所を出てから3年くらいしかまともに俳優活動はしていなかったのですがCM撮影の仕事やシアタートラムの舞台に立てたり、またとある演出家から君みたいな声が欲しいと思っていたなんて言われてとある舞台で声のみの出演という役をもらい声優としての活動もできました。

2年間全く出演機会がなかった同期とはえらい違いですね。人によって考え方は違うでしょうが、演技などの訓練を積んできたのに声優という形に拘ってしまっているがゆえに演じれる機会がないというのは悲しいと思うのですがどうでしょうか?

俳優として活動するデメリット(?)

だが、しかしタイトルの通り一応デメリットもあります・・・。

舞台に出演することにした同期ですがその後はなんと「もう二度と舞台には立ちたくない」と言いました。一体何があったのでしょうか?

それはその出演した舞台がチケットノルマが課せられ売り切れなかった分は自腹という舞台だったのです・・・。何枚課せられたかは分かりませんがこんな枚数はなから売れないと諦めていたようで最後は無料で良いからせめて観に来て・・・と投げやりになっていました。

これが俳優活動をするデメリットと言って良いでしょう。待遇が悪いものが多いのです。活動すればするほど支出ばかりで収入は全く入ってこない、赤字状態が続くことを覚悟してくださいませ。

なぜこんな待遇の悪いものが多いのかも全ては需要はあまりないのに供給が多すぎるに他なりません。まともな報酬が入ってくる俳優の仕事など極一部しかないのです。それでも、演じたいと思っている人が舞台であったり映像作品を企画するのです。

俳優として活動していけば演じれる機会は増えるかもしれないが、今度はそれによる金銭的報酬は期待できない、どっちを選んでも厳しい現実が待ち受けています・・・。

まとめ

近年「声優になりたい」そこから演劇活動を始める人の方が多いわけですがその声優という形に拘ってしまうとなかなか演じる機会が、お仕事を貰えることがない状況に陥り、なら俳優として活動していけば舞台や撮影の仕事は出来るものの今度はそれによる金銭的な報酬は見込めないということになります。

だったら声優の方がいいじゃん!ともまた思ってしまいそうです😓
現に声優のお仕事であれば舞台みたいにチケットノルマなんてないし、少なからずギャラは入ります。

最近は宅録なんて言葉があるように自宅で録音してその音声データを送るなんて形もあり俳優活動と比べて体の負担も少ないですし。

何よりもしもちゃんとした役であるアニメやゲームキャラクターを演じることができればかなり宣伝効果は高いです。地上波で自分の声が流れる、名前がクレジットされるというのはもう顔出ししていなくても十分、自身の名前が知られるきっかけになります。

が、そうなると何度も言うように東大に合格するよりも厳しい競争を勝ち抜かなければならず年単位で出演機会が得られないなんてことが起こり得る・・・どっちが良いかは個人的には作品出演は自身の宣伝という考え方を持っているので少しでも自分の露出を増やす方向にしていった方が何かしら良いことが起こる可能性はあると思います。誰が見ているかは分かりませんのでアクションは絶えず起こした方が良いと思いますが・・・、

それでも総じて言えるのはこんな世界でやっていくのは普通は無理です・・・となりますw

これで私も俳優活動を続けるのを断念しました・・・。こんな世界と知ってからというもの今はまともな報酬は入ってこない俳優活動をやってても経済的には大丈夫ですと言えるくらい余裕ができることがない限りまたやりたいとは思えませんね〜💦

そんなことを実現するにはどうしたら良いのか?と考えた時に就職するよりも『個人事業主』として働いて稼げるようになれたら可能になると気がついたので俳優・声優志望者にも演技の他にビジネスの勉強をしましょうと主張しているわけです。

ここでは必要な知識が書かれた記事を多数、書いていますので是非、他の記事も読んでみてくださいませ!では今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。


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