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演劇界はどれだけ『人材育成・教育』に力を入れているのか?

こんには。演劇・エンタメ分野をビジネス視点で語るAsakawaです。

もうだいぶ前からどの業種でも叫ばれている事と言ったら「人手不足・なり手不足」ですよね。

昨今の日本は「少子化に人口減少」という深刻な問題も避けられない事として一般人にも認識されてきているので、より優秀な人材や若者をできるだけ多く獲得する、うちの会社を選んでもらおうと待遇を上げたりと必死になっております。

そしてなんとか来てもらった人材をその会社の戦力になるべく大切に育てていければ良いわけですが・・・その育成・教育の点に関してはどうなのか?なかなか上手くやっている所を私はあまり見たことがないのですが・・・、

ここで私が若い頃に関わった演劇界に視点を移してみると・・・。

演劇界の中でも俳優・声優の育成・教育に関しては実はおそろしいほど丁寧にやっていると言えることができると気がつきました。

この手の養成機関は専門学校や養成所と山ほどあります。

そして、そこに通うことになったら1年から2年は訓練に励むことになるでしょう。さらに俳優や声優になりたかったら専門学校+養成所と二つ通うのが望ましいという風潮もあるので計3年〜4年間、勉強することになります。私も3年間学びました。

現場に出る前の俳優・声優の卵は3年〜4年間、必要な知識や技術を学んでいることも多い・・・、

ここだけを切り取れば人材の育成・教育に携わっている人はもしかしたら、どれだけ時間をかけているんだ!?って実は思う人がいても不思議ではないくらいの年数なんですよね〜。

年数だけみれば高度な知識・技術を要する医者並みかよって思います 笑
(実際は取得するべき資格や合格するべき試験などはありません)

一般の社会人になってある程度の年数が経っている人であれば誰もが思っていることですが新人の育成・教育とはものすごく手間のかかることです。

でも早く使える、安心して仕事を任せられるようになってほしいから根気よく育てるのです。

が、これは私も何度も経験したことですが、まだ経験が無いに等しいしろくに教えてもらっていないのにいきなり現場に立たされて右往左往しながら実践させられたことはないでしょうか?

冒頭でも申しました通り基本的にどこも人手不足です。そんなじっくり教えて使える見込みができるまで待ってあげられる時間などない場合も多いのです。ましてや年単位なんてもってのほかでしょう。

で、たとえとりあえずは一通りのことは教えても結局行く着く所は「あとは実際にやりながら覚えていって」ではないでしょうか?😓

私も研修の最後によく言われた言葉ですし、教える立場になったら私も言ってしまいました。

しかし、これはこれで一理あります。
100回の練習より1回の本番の方が成長スピードは早いともよく聞きますし、やはり練習と本番の場では空気感もまるで違うものなので早めに本番を経験して、自分の仕事とはこういうものだと慣れていくのは大事なことです。

学生でも例えば部活内の練習から初めて他校との試合になった途端に緊張していつも通りに動くことが出来ずに普段はしないミスを連発してしまったなんて経験はないでしょうか?

部活も最終目標は大会の場でしょうから、学校内での練習で上手く出来てもその大会の場でそれが出来ないのであれば意味はないのではないでしょうか。そこでも普段通りの自分を出すためには実戦の場を多く踏んでいくしかないと思います。

あとはアルバイトでもやり方を事前に教わっても、最後は何度も失敗しながら覚えていって慣れていった方が殆どなはずです。

このように時間をかけて教えている暇なんてないから早々に現場に放り出されて経験もない仕事をやらされたり、最初に教えるべきことは教えても最終的には本番で、現場を場数を踏んでこそ使える人材に、一流になっていくんだと思います。

では俳優・声優の卵は事前に数年単位で勉強・訓練をしてきている、きっと早く現場に立ちたいと思っている人も中にはいることでしょう。他の業種の常識で考えれば有り得ない長さで育ててもらったわけです。

満を持してプロの俳優・声優の第一歩を踏む・・・、
これが現実だったらどれだけ良かったことでしょう・・・⤵️


ご存じの方も多いと思いますが学校や養成所で数年間通っても殆どの人は、現場に立つことすら許されません。やっと立てたとしても数年後なんてことも珍しくない。

経験者なので分かりますが学校と養成所を卒業できずに去っていく人もそれなりにいるので、しっかりと修了過程を経た人というのはそれなりに誠実に努力もして優秀な人材は多い印象です。

なのに、あなたは必要ありませんと通告される事もあるが現実です。

ここでも他の業種の常識で考えたら有り得ません。

先ほども言いましたが新人の教育には手間がかかります。
必要な事だとは分かっていても「時間や指導者などリソースを割くコスト」とみなしている人もいるくらいです。

にも関わらず年単位で育てた人を本人はやる気なのにそう簡単に捨てられるはずはありません。

それが出来てしまえる演劇界とは?

答えは簡単です。
他の常識ではコストと見られている新人育成がこの世界では儲かるビジネスとして成り立っているからですね。

つまり育てている対象が次世代を担う新人ではなく「お客様」として見られているのです。

しかもこの構図の問題点として挙げられるのが、その育成をしている施設にとって生徒を優秀な人に育てても特にメリットがない点です。

えっどういうこと?」って思うかもしれませんがあながち間違えでもありません。

なぜならある専門学校が優秀な人を育てても、その人はまた別の組織ないしは事務所へ行くことになるので、つまりはその優秀な人は卒業後は専門学校側には特別、その苦労に見合った何か利益をもたらしてくれる訳ではないからです。

なぜ新人の育成・教育が重要かってその会社の事業を円滑に進めるため、一層成長するための歯車が継続的に必要だからですよね。

けど演劇界ってその育成・教育を独立した組織が行なっていることも多いので、ぶっちゃけ言うと生徒が集まってお金さえ払ってくれたら目的は達成されたことになるんですよね・・・。

「使える人間になってもらわないと困る!」という切羽詰まった状況下にはないのです。

それどころか売れてしまったらその人は忙しくなりレッスンどころではなくなるので、通っていた生徒が来なくなる・・・なんて事態にも陥りこのような教室を個人で開いている講師は収入減にもつながってしまい、育てているのにその教え子が羽ばたいていったらこちら側が損するなんて、なんとも皮肉なものです。

専門学校は甘すぎる!」と私の時代からよく耳にしましたが、それも当然のことなのです。本気で売れる人を育てていこうと思いあまり厳しくして授業についていけない内容だと2年目の学費が回収できないので、気持ちよく授業を受けさせることを重視して卒業してもらう方がビジネス的には重要ですからね。

普通に考えたらその業界の未来を担う人を育てるのが目的なら楽しい思いばかりになるわけがありません。

教え子や卒業生が有名になったらその人を広告塔にして宣伝してもらうのも手ですが、それでどこまで生徒が集まるのか?一時的には集まってもその効果は長く続かないことも多分にあるので、やはり体力・神経すり減らしてスターを育てるメリットはそこまでないのではなかろうか?とも言えます。

では、どういう場所で育ててもらうのが理想なのか?

この記事でも申しましたが↓

直接、俳優・声優を起用するコンテンツ制作会社から育ててもらい、優秀者はうちが作るコンテンツに出演させます!というような制作する側と直結している場が理想ではないでしょうか?

優秀な演者を育ててれば一番得するのは誰なのか?
それすなわちコンテンツの質を上げたいと日々願っている所と言えば映画やアニメの制作会社である、

この発想からそう結論を出しました。

とはいえその人材を管理、派遣をしているのがいわゆる芸能事務所になっているため現実的にはその事務所が経営している養成所に通いそこで認められるのが手っ取り早いでしょう。

ここまでをまとめると・・・、

人材の育成・教育しか行なっていない所でいくら励んでもあまりその後には繋がらないので、ここで認められたら現場に繋がっていく所で学ぶのが理想である、

ということになります。

あとはそんな過程すら飛ばして出演オーディションや新人発掘オーディションなど、合格すれば売り出していくことを前提とした人材だと認められるオーディションを受けるのがお金も時間もかからない道になります。

個人的にはそんな人材だと認められて初めて必死に勉強やレッスンを長期間、受ける意義があると思っております。

が、そんなオーディションだと思って応募したのにあとになってから高額なレッスン料(百万近い)を請求された、なんて話もよく聞くのでやはりこの世界は、

次世代の人材育成という建前のもと志望者から高額なレッスン料を取る方が本物のスターを育てるより簡単に儲かるという認識なのでしょうね〜💧

ということで、
演劇界は『人材育成・教育』に力を入れているのか?

というテーマで書いていきましたが、

見かけはとても丁寧に力を入れて指導をしているように見えるが、それを可能にしているのがそれ自体が生徒にお金を払ってもらっているのでビジネスとして成り立っているから儲かる、だから年単位で学ばさせることができる、

というのが実態になります。

ちなみに舞台に出演するとたまに仕込みやバラシなどの裏方作業に協力することもありますが、その仕事に関してはここまで一切教わっていないのにいきなりやらされた人もいるのではないでしょうか?笑

こっちは誰もやりたがらないから人材が不足しているということですね・・・。

しっかりやっているように見えてそれは儲かるからであるなら、やっぱりどこもそんな人材育成なんて面倒でやりたくない💦というのが本音と言えることもできるのではないでしょうか😓

みんな専門学校や養成所のいいカモになるな!

演劇界に身をおいている人であれば一度は聞いたことがある言葉だと思いますが、その言葉の意味はこういうことになります。

同期がかつて通っていた養成所が最近潰れたと聞きました。

個人的にはもうこのようなビジネスは志望者もここまで解説してきた事情を把握しており、人が昔ほど集まらなくなっているはずなので縮小するフェーズに入るべきだと思っています。もうなっているのかもしれませんが。

専門学校や養成所の数に対して現場で必要とされている人数があまりにも少ないと、せっかく時間をかけて勉強してきてもそれがほとんど無駄だった人が続出しますしね。

そんな人達を減らすために当noteでこの世界で売れるために足を踏み入れた人が本当に知るべき知識を投稿しておりますのでぜひ他の記事も読んでみてくださいませ。

その最大の特徴として学校や養成所ではまず扱うことのない売れるために直接、必要な知識・技術であるビジネス分野と、そのビジネスとして成功するために個人事業主としての心得などを強調しております。

この世界で成功するということはビジネスとして成功した、と意味するからです。

では今回は以上になります。ここまでお読みいただきありがとうございました。


現在「自分のビジネス」を構築中なのでこれはためになったと感じてくれましたら是非サポートをお願いします!