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マレーシアで至高のかき氷に溺れる日々

徐々に、モンゴロイド圏からオーストラロイド圏へ。
黄色いアジアから褐色のアジアへ。
仏教圏からイスラム圏へ。

マレー半島は古来より海上交易の中継地として栄え、アラビア半島から海を越えてやって来た商人たちによってイスラム教が伝わり、大航海時代にはポルトガルやオランダに支配された。
19世紀からイギリスに支配され、労働力として中国人やインド人が連れてこられて、多民族社会が形成されていった。
第二次大戦中は日本が支配。
支配されっぱなしの歴史を歩んできたが、1957年に独立。

多民族な東南アジアの中でも、マレーシアの多民族性は趣きが異なる。
現在のマレーシアの主要な民族構成は、マレー人(65%)、中華系(24%)、インド系(8%)。

都市部に住んで商業に携わってきた中国人は経済的に有力な支配層となり、もともとこの土地に住んでいたマレー人は昔ながらの土着的な生活を続けていたため経済的弱者となっていた。
華人はマレー人から敵視され、特に華人が集中していたマレー半島の先端部はマレーシアから追放され、分離独立してシンガポールとなった。
その後も、マレーシアは華人に対して差別的でマレー人を優遇する政策をとり、民族的な軋轢が生じた。

マレーシアの特徴は、民族同士で融合せずそれぞれのコミュニティの中で生きていることだ。
特に、「マレー人=マレー語=イスラム教」と「華人=中国語=仏教またはキリスト教」は、経済格差を抜きにしても簡単に相容れるとは思えない、棲み分けした方が楽に生きていけるだろう。

マレーシアはイスラム教を国教として定めており、非イスラムである華人やインド人を無視あるいは排斥し、あくまでマレー人の国であることを強調しようとするマインドが見てとれる。

旧イギリス植民地であり、現在もイギリス連邦に加盟しているため、英語の通用度は高いが、地方ではマレー語しか話せない人も多い。
また、経済政策として日本を手本にしてきたこともあってか、親日度も高い。

左側通行。

サイクリングもさかん。
よくわからないが自転車の集団がやってきて、カメラを向けたら皆笑顔でポーズをとってくれた。

僕がマレーシアで何よりもハマったのが、チェンドル。
冷たいスイーツの宝庫である東南アジアで片っ端から食ってきたが、マレーシアのチェンドルはかき氷の最高峰。
つくりはシンプルで、ココナッツミルクで浸された氷に、カヤと小豆がトッピングされている。

カヤとは、パンダンリーフを原料としてゼリーにしたりジャムにしたり、ペーストにしてパンの中に入っていたりもする、見た目は不気味かもしれないが風味豊かな食材。

とにかく猛烈に暑い東南アジア、道端チェンドル屋さんを見かけるたびに駆け込み、火照りすぎた体を冷やす。

2リンギット(52円)のチェンドルに救われる。

突然現れた外国人に警戒することもなく、笑顔で迎えてくれたチェンドル屋さん。

イスラムであれ何であれ、オバ様方が世話好きなのは世界共通。
「日差しが強いんだから長袖着なきゃダメよ」とか、「それじゃ水足りないでしょ、ウチで汲んでいきなさいよ」とか、マレー語でも意味がわかってしまうのだが、終始世話を焼こうとする。

雨季に入ってしまったのだろうか、よく雨が降る。
走行中、激しいスコールが降り始めたと同時に、古びた小さなモスクから声が。
「ミスター! こっちだ、中に入りな!」

しばらくモスクで雨宿りさせてもらい、楽しく談話。

皆さん日本のことをよく知ってくれていて、基本的なあいさつぐらいなら日本語で言えたりする。

フレンドリーな人が多く、よく声をかけられる。

宗教が文化に与える影響は非常に大きいが、もちろん中東アラブとは民族的にまったく異なるので、ここではそれほど厳格でもなく、土地に応じたイスラム文化が形成されている。

またチェンドル。

チェンドルだけではない。
アイスカチャンやABCなど、ネーミングはともかく多種多様なかき氷がある。

なんとすばらしき、かき氷天国。
朝昼晩とかき氷三昧。

日本人の食に対する探究心は世界屈指だと思うが、かき氷に関しては遅れをとっている。
ただ氷にシロップをかけるぐらいじゃ芸がない。
小豆、ゼリー、フルーツ、ココナッツミルク、アイスクリーム、などなど、何でもぶちこんでミックスしてみればいい。
ただ、たまにコーンが入ってたりするのは違和感がある。

たこ焼き!

ウッキウキで買ってみた。

・・・タコ入ってなかった。

ペナン島。

ここは華人の割合が高い。

すかさずチェンドル。

超早業で、10秒ぐらいでつくってくれる。

見ばえは良くないけど、やっぱり絶品。

他の東南アジアと同じく、マレー料理も辛いものが多いので、どうしても中華に足が向いてしまう。

文句なしにおいしい。

ただ、他の東南アジアと同じく、圧倒的に量が少ない。
どこへ行ってもお子様サイズ。
幼稚園児だってもっと食べるだろうに。
一体何軒ハシゴすればいいのか、何人前注文すればいいのか。
満腹になってみたい。

首都クアラルンプール。

ペトロナスツインタワー。
88階、高さ452m。
20世紀までの建築物としては世界一高く、ツインタワーとしては現在でも世界一高い。

ペトロナスという名前から連想できるように、石油会社によって建てられた。
アジアの石油大国マレーシアのシンボルとも言える。
施工したのは、ツインの一方が日本のハザマで、もう一方が韓国のサムスン。

マレーシアもそこそこ日本。

クレープ屋!

紀伊国屋!

とにかく暑いので、街歩きするだけでも際限なく冷たいものを買い続ける。

マレーシアは豆乳がうまい。

物価が安いからといって際限なく飲み食いし続けると、結果物価が高いヨーロッパなんかより出費がでかくなってしまう。

サトウキビジュース。

満腹にさせてくれる店?

ビュッフェだけど食べ放題というわけではなく、量に応じた金額になってしまう。

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