キルギスで食べてみたレアなあれこれ
標高4336m。
タジキスタンとキルギスの国境。
中央アジアの国境には2km前後の緩衝地帯があることが多いが、ここの緩衝地帯はなんと20kmにおよぶ。
どこの国でもない誰のものでもない、20kmの空白地帯。
No Man's Land。
もし、ここで通りすがりの旅人を殺したら誰に裁かれるのだろう?
あら。
誰のものでもない緩衝地帯で天からの恵み。
腹はボヨンボヨンだから、背中から切り裂いてみる。
・・・・・
内蔵ドババババ
(画像自粛)
ほとんど内蔵だ。
小動物とは思えない大きな心臓、肝臓、腸がとめどなくドバドバ出てくる。
肉なんかどこにあるんだ?
手脚も短いし、首まわりの肉を強引に削いだ。
コンソメスープでグツグツ。
気圧が低いため、お湯は80℃台で沸騰する。
ナマナマで、いただきマーモット。
おいしいっ!
いけるやん!
今まで食べたことのない初めての味。
次はもっと段取り良く捌いて、上手に肉を取れるようにしたい。
周囲のマーモットたち、いつも以上に大声でざわついていた気がする。
同胞が食べらているのを感づいていたのかな。
一連の~スタン国で唯一、キルギスは国名からスタンを取ってしまったが、今も旧称「キルギスタン」と呼ぶ人が多い。
タジキスタンと同様、キルギスも山岳国。
国土の40%が標高3000m以上。
筋金入りの遊牧民、キルギス。
地平線の彼方までユルトが散在している。
ユルトの位置情報を入力すれば、自動運転のドローンが何でも配送してくれるようになるかもしれない。
都市部よりも広大な大地の方がドローンの規制もゆるくてすむだろうし、ソーシャルディスタンスもバッチリだし、これからのライフスタイルに合致するのではないか。
遠くから目ざとく僕を見つけて、全速力で駆け寄ってくる子供たち。
幼少の頃から、生きていくための仕事を手伝っている子供たちだが、遊び盛りの年頃。
自転車に乗った外国人が現れたりしたら、仕事を放り出して遊びたくもなるだろう。
さあ、下ろう。
標高900m、キルギス第2の都市オシュ。
ドライバーたちは粗野で自分勝手。
特にバスやタクシーは自転車の存在などまるで意に介さず、ことごとく進路妨害してくる。
発展が遅れている国では、譲り合い精神はなく、あくまで自分優先。
馬に乗るのは誰よりも上手でも、車の運転はまるで原始人。
オシュはウズベキスタンとの国境近くに位置し、住民はキルギス人よりウズベク人の方が多い。
両者は対立しており、しばしば暴動や衝突が起きている。
キルギス人も、むやみにクラクションを鳴らす。
ダメだ、このクラクションだけは絶対に慣れない、許せない。
旅においてこんなにも僕の心をかき乱すものは他にない。
イヌにやたらと追いかけられるようになった。
やっぱり相関関係あるのかな、ドライバーのしつけの悪さとイヌのしつけの悪さって。
路肩に人だかりができていた。
交通事故のようだ。
車が1台だけ停まっていて、前方がぺしゃんこになっていた。
その数十m先で、ウマが死んでいた。
明日は我が身。
標高3200m。
「ハロー! ハロー!」
一重まぶたっすなー。
標高800m、首都ビシュケク。
日本人宿の「南旅館」に滞在。
旧共産圏特有の団地の一室が宿になっている。
古びていて、居心地の良い宿。
何といっても、毎晩ふるまわれるシェア飯がたまらない。
長旅において、何よりも恋しくなるのが日本食。
ここの主(?)は料理の達人でレパートリー豊富。
日本食だけでなくロシア料理など何でもござれ、毎日違うメニューで楽しませてもらえる。
イチゴタルトの国、キルギス。
これはウマイ!
イチゴを噛んだ時のブチュッという歯ごたえがいい。
イチゴとタルトの間にはカスタードクリームまたは生クリームがたっぷり仕込まれている。
店によって味が違うので、片っぱしから買ってみて、その違いを楽しむ。
毎日毎日、イチゴタルトの日々。
ワンホール発見!
ホイップクリームをぶっかけ、さらにアイスを落としてみた。
これは男のロマン。
ビシュケクはロシア人が多い。
独立以前のソ連時代は、ここはロシア人が多数派であり、街もロシア人によってつくられたのでロシア的な街並み。
現在は、人口の比率でいえばロシア系は10%ほどだが、その文化的影響力は大きい。
おいしいケーキ屋やカフェやファーストフード店が多いのもその影響と思われる。
今までも中央アジアにケーキ屋はあったけど、全然おいしくなかった。
ドライブマナーも悪くない。
自転車に乗ってる時はオラオラやられたが、歩いて道路を横断する時は車はピタッと止まってくれる。
たまにバカみたいなクラクションが聞こえてくるが、全体として騒音はそこまでひどくない。
これもまたロシアの影響と思われる。
犠牲祭の日。
旧約聖書に出てくる、アブラハムが息子のイサクを生贄にしようとしたのを免れて、代わりにヒツジを捧げた話に由来する。
ユダヤ教にもキリスト教にも通ずる話だが、これを祭り事にしているのはイスラム教だけ。
この犠牲祭で、近所や親族の間でヒツジの肉が出回る。
南旅館には、ヒツジの睾丸がまわってきた。
体の比率からいって、デカすぎじゃない?
しょう油をつけて、刺身でいただき!
ベア・グリルスでさえ吐き出したヒツジのナマ睾丸。
ジャパニーズ刺身スタイルならいけるぜ。
こっそり撮ってたら、バレた。
都市部だけど、子供はすぐなつく。
1ヶ月以上も滞在してしまった。
腹いっぱい食って、そろそろ走行再開。
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