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世界一の美食天国、台湾

台湾。
言わずと知れた未承認国家。
独立国家として機能しており、入国時にはパスポートに「中華民国」のスタンプが押される。
貨幣には「中華民国」と書かれており、買い物をするとレシートには中華民国建国の1912年を紀元とする年号が書かれている。
国際的には、中華民国は国として承認されておらず、ここは中華民国と名乗る者が実効支配している政治的空白地帯、ということになっている。

首都、台北。

日本語が上手な台湾人カップルのお宅でしばしやっかいになる。

ふたりとも自転車が好きで、日本一周中に出会い、つきあうようになったそうだ。
彼氏は自転車メーカーGIANTで働いている。

オーバーホールを依頼。

自転車ができ上がるまで10日ほど、台北に滞在。

1895年日清戦争で日本が勝利してから、1945年第二次世界大戦で日本が敗戦するまでの50年間、台湾は日本領だった。

街並みが日本。

今も、3割ぐらい日本な感じ。

日本語を話せる人も多い。

最も異国情緒を感じさせない国。

日本では当たり前の食品サンプルも、海外ではきわめてめずらしい。

夜市。

美食天国、台湾。

とにかく食の国。

何を食べても極上。

台湾人も、民族的には中国人と同じ漢族。
ベースは中華料理で、台湾独自のメニューも数多くあり、日本領だったので日本食も広く普及しており、アメリカとの結び付きも強いので洋食もある。

何を食べてもおいしいが、バリエーションの豊富さも驚異的、とてもこの場では紹介しきれない。
人と話しても、食の話題が尽きない。

僕は、祖国日本の食が世界一だと思っていたが、これは負けたか?

ビュッフェスタイルのかき氷。

セルフでトッピングを皿に盛る。

その上に氷をかけてもらう。

とてつもなく暑いので、ヒマさえあればかき氷。

たくさんごちそうになってしまった。

何から何まで世話を焼いてくれて、底なしに親切な台湾人たち。

台湾。
九州ほどの面積に、オーストラリアに匹敵するほどの人口。

世界の人口の60%がアジアに集中している。
次いでアフリカ13%、ヨーロッパ11%、中南米8%、北米5%、オセアニア0.5%、という比率からも、人類のアジアへの局地集中っぷりがわかる。

中心部から離れても、あちこちに屋台の煙が立ち上り、食欲をそそられる。

こういうのは情緒ある。

自転車、完成。

何もかもボロボロだった愛車、スッキリ生まれ変わった。

台湾独立問題。

そもそも、台湾は独立宣言をしていない。
公式には、あくまで中華民国であり、現状は台湾しか実効支配できていないが本来中国全土が中華民国の領土である、というスタンス。
中華民国は、毛沢東率いる共産党に敗れ、日本が撤退した後の台湾に逃げ込んだ。
戦勝国であり国連常任理事国だったにもかかわらず、国連は毛沢東が新たに建国した中華人民共和国を承認し、中華民国は国連を脱退した。

それなら中華民国などというこだわりを捨てて、台湾国として独立宣言してみてはどうか。
その場合、必ず中華人民共和国が武力を行使して阻止しに来る。
中国は台湾を自国領土とみなしているし、台湾を独立させてしまったら、チベットやウイグルやその他少数民族が触発されて独立運動を激化させ、中国崩壊へとつながるからだ。
台湾はアメリカと軍事同盟を結んでいるため、台湾が攻撃されたら、アメリカが中国を阻止しに来る。
しかし、核を保有する超大国同士の武力戦争は、ない。
アメリカも中国も、核は抑止力であって実際に使えば双方を破滅に導くということを知っているからだ。
よって、台湾は独立宣言できない。

2020年の台湾人の意識調査によると、

現状維持派 52%
独立派 35%
中台統一派 5%

誰もが独立を理想としているだろうが、現実的な観点から現状維持派が過半数。
しかし、独立派は2018年には20%だったのがここ2年で急上昇している。
おそらく香港の騒動が影響している。

僕が出会った台湾人たちも、強い政治的意識を持っている人が多く、「中国と戦ってでも独立する!」という血気盛んな若者もいた。

穏便な解決はない、武力で勝ちとる時代でもない、膠着状態のまま、でも目に見えぬところでも歴史は動いている。

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