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日本の映画チケット代は、世界と比べて本当に高いのか? 消費税増税を控えて考えてみる。

よく、日本の映画のチケット代って世界一高い、と言われるけど本当なのだろうか。とにかく映画業界の話は、過去のデータをずっと流用したりして、現状の事実確認をしないで記事にされることが多い。

ということで、グーグル先生に次の言葉を入力してみまました。

How much NY cinema ticket

教えてくれたサイトは、トリップアドバイザーの以下のサイト。

さて、答えは、

$12-$17  $1=¥111 とすると ¥1332-¥1887

ロンドンはどうだろうか

ピーク時が £9.84 オフピーク時で£8.40 £=¥146円とすると¥1226-¥1436

パリはどうだろうか

ノーマルが €13、12時前が€9、シニアが€10.9  €1=¥126として¥1134-¥1638

ベルルリンはどうだろう。以下のサイトはヨーロッパの各国の平均チケット料金を知ることができる。

https://www.statista.com/statistics/398393/cinema-tickets-average-price-germany/

ベルリンの2019年度の映画の平均料金は、€8.26 、¥1040である。

先日TOHOシネマズの一般料金が1900円に値上げされることが発表されたが、シニア料金や、サービスデーがあるので、日本の映画館の平均料金はいくらなのだろうか。

これは、アップリンクの3月のデータから見てみると、 ¥1277 だ。

現在の多くの映画館の一般料金1800円を基準に比較すると、ニューヨークよりは安いが、他の都市より高いということになるが、平均単価の1277円を比較すると、ヨーロッパとそんなに変わらないのではないだろうか。

次によく一般の人が勘違いしている事実、映画料金1800円はどの映画館でも一緒だということ。これは配給会社がいくらで販売してくれということを映画館に強いることは法律で禁じられているので、映画館独自の料金設定ができるのだが、他の映画館の料金を参考にしているので実質横並びになっているということでしかない。一緒にしなければならないというルールはない。

現に、一般料金1800円は同じだが、シニアの料金はアップリンクが1100円、ユーロスペースが1200円、岩波ホールが1500円と映画館によって違う。

さて、消費税増税にどう料金設定を変えるかだが、難しい。単純に2%増税なら1800円は、1834円となる。あくまで試算だがアップリンク渋谷・吉祥寺で値上げをせずにアップリンクが増税分をかぶるとしたら、年間2館で1000万円ほどのマイナスになる。これは増税には最低でも相当分を値上げしないとやっていけない。お菓子とかなら、価格据え置きで内容量を減らすという手もあるが、映画ではそうもいかない。

顧客サービスとしては、アップリンクの場合22歳以下のユース料金1500円とユース会員の1000円は上げたくない。未来の観客を育てるために料金は据え置きたい。一般1800円も上げたくないが、映画を観るお客さんで一般のお客さんの比率は一番多い。一般会員の平日1000円、週末1300円も上げたくないが、会員の利用は2番目に多い比率なので正直なところ、2%増税分は上げざるを得ないのではと考えている。

最近交通機関ではPASMOで支払うと1円単位の料金設定で、券売機で買うと10円単位なので、PASMO利用より高いことが普通だ。アップリンクの場合、オンラインでチケットを購入するお客さんの割合は、56%と高い。ならば、オンラインで購入のチケット代を1円単位で刻むことができる。例えばだが、会員料金の1000円はオンラインでは、2%の増税分を四捨五入し1019円として、当日を1050円とするとかも考えられる。

比率的に3番目に多いシニア料金の1100円は、ユース据え置きに協力してもらうとして1200円に上げざるを得ないかなど考えている。

ここに書いた値上げ案は、あくまで検討中で何も決まっていない、これからスタッフと統計を元に考えていきます。

もちろん、一番いいのは、増税がキャンセルされ料金据え置きだが、最低賃金は確実に10月1日から東京都は現在の985円から1000円を超えることはわかっているし、様々な分野で値上げはやってくる。

さて、未来の映画のチケット料金をどうしようかと悩む。。



一番のサポートは映画館で映画を観てくださることです。 アップリンク渋谷・吉祥寺をよろしく。