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ママ友と引き出しと熱視線(日記5/20〜5/22)

5月20日(月)
いわゆる「ママ友」と数年ぶりに食事をしてきた。息子の中高6年間の同級生のお母さん仲間で、私を入れて3人。昔から時々一緒にランチをしては情報交換したり子育ての愚痴や悩みを話してきた仲。中学受験の塾でも一緒だったので付き合いは長い。

うちの子はひとりっ子だけど、他の方は上下にきょうだいがいて、その子たちも全てもう社会人。なので、自分や我が子たちの近況をひと通り報告した後は、やはり話題は「親」「これからの生き方」「自分の健康」「夫との向き合い方」が中心となった。

ママ友、2人とも夫とは会話がほとんどないらしく、定年になってずっと家に居ることを想像すると気が重い、どうしよう、再雇用で週に数日でもいいから出て欲しいと言っていた。旅行をしても行きたいところなどが全く合わないので全然楽しくない。老後の有り余る時間をどうしよう、と。

私の場合は、別に自慢とか惚気るとかでもなんでもなく、そういった不安は特にない。もちろん「夫がずっと居るようになったら昼ごはんを毎日ある程度ちゃんと考えないとあかんのやろか、めんどくさいな。私だけなら前の夜の残り物で十分やけどな」「昼間、一人っきりになる時間も欲しいな」くらいのことは思う。でも夫とは学生時代に友人だった期間が長かったためか、会話がいつまででも続けられるのでその点ではとても気が楽なのである。趣味などはほとんど一致しないので一緒に楽しめるものはないのだけれど、なんの有益性も生産性もないトピックでダラダラと永遠に会話してワハハと笑っていられるので、そこそこ楽しくやっていけそうに思う。

5月21日(火)
自分のピアノのレッスン。楽しい。めっちゃ楽しい。また今日もお茶とお菓子までご馳走になってしまった。

キッチンの食器棚の、カトラリーやお箸などを入れている引き出しが開けられなくなった。入れ方が悪かったのか、菜箸か何かが引っかかってつかえているのではないかと思われる。力ずくで開けようとすると食器棚ごと揺れる。危ない。下敷きを差し込んでつっかえている何かを動かそうとするも、それらしき物になにも当たらない。引き出しの前面部を取り外してみようと試みるも外せない。どうしたことか。困る、大いに困る。いったん呼吸を整えて左右均等に引き出せるようにじわじわじっくりと引き出していく。それでも固くて力が要る。腰に非常に悪い。それでも少しずつ開いていき、ようやく開けることができた。つっかえているのではなく、建て付けそのものが悪くなっていたところへ無理くりしめたのが良くなかったらしくまっすぐ嵌まっていなかったようだ。蝋を塗って滑りやすいようにしておかねば。

引き出しが開けられずに時間を浪費するって、こんなにイライラして徒労感を感じることはないね。これまでいちばんイライラ度&徒労感マックスの作業と思っていたのは「外れた網戸がなかなか嵌められない時」だったけれどそれを軽く超えた。

5月22日(水)
コンビニで買い物をして外へ出ると、何やら視線を感じる。えっ誰ッと思ってふと隣に停まった車を見ると、パグ犬が私をじっと見つめているではないか。あの濡れたような黒々とした瞳で微動だにせずに私に視線を集中させている。その視線の強さたるや一瞬たじろぐほどで目を逸らしかけたが、いやこれは根くらべや、こうなったらあのパグが視線を逸らすか私が逸らすかとことん試したろうやないか、と謎の闘争心が湧き上がってきた。私のその秘めたる闘志を知ってか知らずか相変わらずパグは私に熱視線を送ってくる。私もじっとその那智黒飴のような瞳を見つめ返し、逸らすものか、と耐えに耐えた。25秒ほど経ったころ、パグはついに根を上げふと横へ視線を逸らした。

勝った、俺は勝った。

#日記 #エッセイ #ママ友 #夫 #パグ #犬  

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