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高熱からの生還(日記 7/22〜7/24)

7月22日(月)
前回の日記(ここ参照)のラストは大熱を出していたが、結局この3日間、寝込んでいた。

前回書いたが、あまりにしんどくて解熱剤を飲んでいったんは楽になったもののそれはやはりお薬がそうさせただけのことだった。再びグングンと熱は上がって猛烈にしんどくて、夜中にまた解熱剤を服用。夢ともうつつともつかない心持ちでふわふわと漂っていた。熱が下がったのも束の間、朝にはまたどんどん上がってきた。おまけに喉まで痛くてもうこりゃコロナ確定だなと覚悟を決めた。

夫が夏休みをとってくれると言うのでお医者へ連れて行ってもらう。自分で運転なんてとてもじゃないができないので。さあ行こうとしたら今度は血圧がぐんと下がってその場に座り込んで動けなくなってしまった。そんな時にタイミング悪く、仕事のご依頼の電話がかかる。「も…し…も…し…」消え入りそうな私の声に相手の方もギョッとしている。内容だけお聞きして、今こういう状況ですのでまたお返事します、といったん切らせてもらった。

血圧も元に戻ってきたようなので病院へ。例の鼻の奥をグリグリする検査をして結果を待っている間に注射。再び呼ばれ検査の結果を告げられた。

「陰性です」

えっえっ、コロナと違うんですか!?

「ウィルス性の扁桃炎ですね。コロナだけでなくてウィルス性の夏風邪もものすごく流行ってますからね。」

私はもともと扁桃腺が大きくて子どもの頃はしょっちゅう扁桃腺を腫らして高熱を出していたのだが、成長するにつれそれも減っていった。それでも無理をしたり、抵抗力が落ちていたりみたいな要素が重なると扁桃炎で高熱を出していた。もうここ何年もそういうことがなかったので、高熱×喉の痛み=コロナ陽性という公式が出来上がってしまっていて、すっかりコロナ陽性に違いないと震え上がっていた。

ただ、コロナだろうが扁桃炎だろうが、しんどいものはしんどい。病院から戻っても
うんうんとうなされていた。高熱のせいで体も痛いし、ずっと寝ているから腰も痛いし、喉も痛い、喉からくるのか耳も痛い。…痛いことばっかりやないかーい!!

病院の先生が「どうしてもしんどかったらしょうがないけど解熱剤を使ってばかりだと治りが遅くなるからね」とおっしゃって、うん、そうでしょうね、分かってはいたんですけどどうしても耐えられなかったんです…と心で答えていた。なのでなんとか使わずに乗り越えたい。

夫が買い物に行ってきてくれた。同じ水分でもポカリみたいな方がええぞ、と渡してくれたのだが、どうも私はポカリ(に限らずアクエリアスなどこういうスポーツ飲料)が苦手だ。そもそも甘い飲み物が好きではないのだ(フルーツの果汁の飲み物は好きなのだが)。甘さが喉の奥に残って結局喉が渇いてくる。だから、夏はもっぱら濃く沸かした麦茶と梅干しという昭和ストロングスタイルである。夫は「そうは言うても高熱の時はポカリも美味しく感じるもんやぞ」と言うので何十年かぶりに飲んでみたが、塩をかけたスイカの味だった。塩をかけたスイカは美味しいのに、塩をかけたスイカの味の飲み物は不味いのはどういうことなのだろうか。なんだ、この禅問答みたいな問いかけは。

今日は解熱剤を使ってないのでやはりずっと高熱のままだ。しんどい。何か食べないと薬も飲めないのでお粥だけ無理やり食べて寝る。というかずっと寝ていてどこからが就寝かわからん。

7月23日(火)
しんどくて1時間毎に目が覚めていた。目が覚めてもすぐにまた眠れるわけでなく、そんな時に、先日書いた(ここ参照)Amazonオーディブルがたいへん心強い味方となってくれた。こういう時は物語性のあるものではなく、なんでもいいのだけれど、自己啓発系の(例:朝の時間の活用法とか、自己肯定感を高める方法とか)ものがいい。なぜかというと語りが淡々としているから。内容に一切興味はなくていいので、というかむしろ興味がない分野がいい。集中して聴き入らない方がいいのだ。淡々とした語りを聴いているとたいていいつのまにか眠りに落ちている。昨夜は目が覚めるたびにそれを繰り返していた。ありがとう、Amazonオーティブル、ありがとう、興味のない自己啓発本。

朝になっても熱は下がっていない。と言ってもいっときのような38.5℃〜39.5℃というピークは脱したようで、38℃過ぎくらいまでにはなった。不思議なもので38℃というと相当しんどいはずだが、こうなると「ちょっとだけ楽になったかも」と思える。

今日の仕事はもちろん休ませてもらう。ピアノの発表会が近いのに申し訳ないことだがしょうがない。生徒さんがたにメールを入れる。みなさんお優しいお返事をくださり大変ありがたいことです。この調子だと明日も仕事は休むことになるだろうな…。コロナでないとはいえ、ウィルス性の風邪、平熱に戻って1〜2日経たないと子どもたちとレッスンは無理だ。

少しずつ、少しずつではあるが熱を測るたびに下がってきている。それにつれて体もほんのちょっとずつ楽になってきた。ただ、扁桃腺は相変わらず激痛である。病院で処方されたトローチを舐めて過ごす。子どもの頃も扁桃腺が腫れて病院へ行くと「どうやって食べ物が通ってるのかってくらい腫れてるねえ…」と先生に気の毒がられたことを思い出した。

発熱以来ずっと、ほぼフルーツで生き延びてきた。桃、りんご、フルーツゼリー…。漂流して無人島に着いた人が島に自生するフルーツで飢えを凌ぐというシーンは子どもの頃から物語で見てきたが、そんな気分。命を繋ぐフルーツ、ありがとう。

夕方からは37℃台になってグッと楽になり、もうちょっと食事らしいものを食べることにする。と言っても、お粥、味噌汁、冷奴、漬物、という山寺の修行僧のような食事だが。漂流者から修行僧へ。

不思議なもので私の具合が悪い時は必ず猫がそばに寄り添ってくれる。夏などは暑さで廊下やフローリングの部屋でごろりとしているのに、私の発熱後はピッタリと私にくっついて寝てくれている。何がそうさせるのだろう。猫を触っていると弱った気持ちが少し回復する。ありがとう、猫。

7月24日(水)
昨夜はよく眠れた。起きた時の気分もいい。体温を測ると36.5℃。おおぅ…苦節3日、ようやく平熱に戻ってこられた。おかえり、平熱。ありがとう、平熱。平熱がこんなにも尊いものだったとは。失ってみてわかる平熱のありがたみ。ごめんよ、平熱。これからは大切にするよ、平熱。ずっと離さないぞ、平熱。

喉の腫れもずいぶん引いている。痛みもかなり少なくなった。ただ無理もないことだが体力が相当落ちている。高熱だったことと、食べ物が漂流者と山寺の修行僧のそれだったから。しかも量も少しずつ。筋肉も落ちていて歩くとヨレヨレする。もう1〜2日かけてゆっくり治していかないといけない。無理してぶり返しては大変だ。抵抗力をつけないと、仕事に復帰して今度はコロナに罹患などとなったら洒落にならない。

ということで、今日は横になったり、体を起こしてこの3日間のことをこうしてnoteに書いたり、を繰り返して過ごしたら今回の投稿がいつもより恐ろしく長くなってしまった。

書いたものをここまで読み返してみたら、ずいぶんといろんなものに「ありがとう」と言っていた笑。でもこれは心の底からの気持ち。いろんな人やもののおかげで生きていることを感じたり、普段あたりまえのように思っていることが実はあたりまえではないと気づくことが多かった。

何度となく書いているが昨年から今年にかけて体の不調続き。今回の発熱は特に酷かった。できればこれをピークとしてもう体調不良は少なくなっていってもらいたい。って、他人事みたいな書き方をしていてはいかんな、無理をして身体に皺寄せがくるような働き方や暮らし方を是正していかないといけないのだ。そう思ってはいたのだけれど、行動は具体性に欠けていた。実際にどうすればいいのか、これを機会にゆっくり具体的に考えてみようと思う。

#日記 #エッセイ #発熱 #扁桃炎 #夫 #仕事 #猫 #Amazonオーディブル

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