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【エッセイ】北海道弁
ねこばちょしてたっけ、かっちゃかれたさ
とか、
あったら山の中だら、熊いたっておかしくないべ
というのが北海道弁であるという自覚はある。ふだんから使っている言葉だ。
しかし、北海道弁でしゃべってみて、などと言われると、とっさには出てこないものである。
北海道弁といっても地方によって方言があったりするし、もしかしたら我が家だけで使っている言葉や言い回しもあるかもしれない。
年配の人たちが使っていて意味もわかるが、自分では使わない言葉や、今では聞かなくなったが、時おり思い出してなつかしく思う言葉もある。
文字にするときは、無意識に「きれいな言葉」に変換してしまいがちだ。しかしいつも使っている「生の言葉」を文字にすることで、もしいつか北海道弁が喪われても、自分の記憶として、あるいは文字の記録として残すことはできるかもしれない。そう考えると、なんだか感傷的な気持ちになるが。
何気なく使っている言葉が北海道弁であると気づいて、思わず笑ってしまうことがある。今度からは、笑うついでにその言葉をメモしておこうと思う。そうして、またこんなふうに文字にして残しておこう。
言葉を残すとか、記録するとか、そんな大それた目的はない。ただ、自分の備忘録として。
ねこばちょしてたっけ、かっちゃかれたさ
意味:ねこを触っていたら引っかかれた
あったら山の中だら、熊いたっておかしくないべ
意味:あんなに山の中なら、熊が出てもおかしくない
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