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【エッセイ】へえ

 目上の人と話をしていた。
 はい、はい、と丁寧に相づちをうちながら、「ええ」って言ってみたいな、と思い立ち、「はい」の合間に「ええ」をすべりこませた。
 これはなかなかいけるぞ、と味をしめ、はいとええを織り交ぜながら会話をしていたのだが、話に飽きてきたうえに使いなれない言葉に混乱した私は、ある瞬間に「へえ」と江戸の御用聞きみたいな返事をしてしまったのだった。

 今となっては懐かしい、学生時代の話。

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