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【エッセイ】ちょっとこわい話

 母が皮膚科にかかったときのこと。
 診察を待つあいだに前の患者が診察室から出てきた。おじさんだった。
 そのおじさんは看護師となにやら親しげに立ち話をはじめた。
 やーやー、水虫になっちゃってよう。ほっといたら爪まで入っちゃって。
 母の目線は自然におじさんの足元に向く。
 爪水虫がひどくなったというおじさんは、病院のスリッパを裸足で履いていた。

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