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2022年1月の記事一覧

「自分の人生このままでいいのか…」は実は良い状況 作家・森博嗣氏の目から鱗な哲学

■人を諦めるのが早い自分【相談1】  私は、人間関係をさっさと諦めてしまう人間です。仕事関係でも、友達でも、ちょっとした違和感や嫌なことが重なると、すぐにシャッタを下ろしてしまうのです。  ところがふと気がつけば、一緒に旅行にいったり、気軽に食事にいけたりする友人が誰もいなくなっていることに気がつきました。こうした自分の性格は、どうやったら治るのでしょうか。 【森博嗣さんの答え】  治す必要がありますか?  人間関係を諦め、一人で生きていく、一人で楽しめる、と考えれば良

今日のおかずが決まる!『なんてことないTHE定番。おかずのネタ帖』を立ち読み

■はじめに 毎日やってくる、食事の時間。家族や自分のために、栄養のこと、味つけ、見栄え、飽きない工夫、バリエーションetc.……。そんなことを、あれこれ考えているけれど、結局、辿り着くのは、いつも食べ慣れている定番料理。時間のあるときは、目新しいメニューに挑戦するのも楽しいけれど、日々のごはんは、おなじみの味のほうが、実は作りやすく、おいしく感じるのかもしれません。  この本は、なんてことない主菜、副菜、主食、汁物を、調理の目安時間別に区切って(=時間切り)並べた定番料理カ

「相手に諦められたのではなく、あなたが諦めたのです」作家・森博嗣氏の“諦め”論が深い

■この歳まで、なにも成し遂げられていない【相談1】 「俺はこれをやった」という仕事が、50歳近くなって、ほとんどありません。諦めるのは早いでしょうか?  これからそういう仕事をするよう頑張るのか、そういう無駄な気持ちを持たないよう にするのか、あるいは別の道か、どうすれば良いでしょうか? 【森博嗣さんの答え】  仕事というものは、「これをやった」というものが存在しなければ、賃金を得ることができません。もし、仕事をして賃金を得ているなら、なにかはしているはずです。 「ほと

【「鎌倉殿の13人」放送開始記念】草刈正雄が振り返る「真田丸」昌幸の名台詞秘話と三谷幸喜マジック

■直球の決め台詞 三谷幸喜オリジナル脚本による、NHK大河ドラマ『真田丸』(2016年)。僕にとって、1976年の『風と雲と虹と』から数えて7本目の大河出演でした。  主人公真田信繁(幸村)に堺雅人さん、兄の信之に大泉洋さん。真田丸とは、信繁が大坂の陣で築いたとされる大坂城の出城です。「戦国の荒波に立ち向かう一艘の船」に真田家を喩えた、三谷さんらしいタイトルでもあります。そう、真田丸は家族船なのです。  撮影前の衣裳合わせ。真田昌幸のいでたちは、マタギのような毛皮つきでし

「生きるのに“やる気”は不要」ベストセラー作家・森博嗣氏の“諦めの作法”

■見切り癖の早さについて【相談1】  僕は昔から、なにごとも拘らない性格です。仕事でも「これはこれでいいや」「こんぐらいでいいや」と手離れも早いです。正直、「どうでもいいや」という感覚に近く、本質的に興味がないのかもしれません。  それはそれで楽なのですが、たまに「あのときもっと慎重に考えておけば良かった」「もっと必死にやっておけば、あの成果は自分が手にしていたのかも?」と後悔をすることも。  諦めずに結果を出している人も見かけるため、このままの自分で良いのか、もやもやし

【「鎌倉殿の13人」放送開始記念】草刈正雄が明かす三谷幸喜との出会いと「真田丸」誕生秘話

■「この作品は、やらなくては」 いい台本とは、究極のレシピです。書かれているままに演じれば、いい味が出るからです。役者はホンに従えばいい。ホンの通りにすればいい。自分がなにをするべきか、ホンがすべて教えてくれるのです。  いいホンとの出逢い。それが人生をも変えることを教えてくれたのが、三谷幸喜さんです。三谷さんの話をしようとすると、自然に笑ってしまうんですよね、とにかく面白いから。  何がって? 創る世界そのものが、です。時代劇にしても、現代劇にしても、三谷さんの筆にかか

「絶望にはまだ早い」ベストセラー作家・森博嗣氏が問う“諦め”の作法と価値

■諦め癖がついています【相談1】  昔は「頑張ったら自分はできる」と思っていた時代もあったのですが、結果に結びつかないことが多く、前向きになれないことが増えてきました。「どうせ駄目だろう」「だったら、やっても無駄」というふうに、動かない理由をつけては、ぐだぐだしています。こうした諦め癖・負け癖を拭い去るには、どうしたら良いでしょうか? 頑張っている人を見ると冷笑的になる一方で、「こんなもんだ」と、なにもしない自分にも嫌気がさしています。 【森博嗣さんの答え】  それでよろし

元自衛隊メンタル教官が教える 夫婦げんかにスッと効く「ありがとう瞑想」の魔法

 一説によると、恋愛の賞味期限は3年。恋愛という感情は、DNAを残すのが目的で、1人の人を愛して、子どもを作り、ある程度まで育ってくれたら、その目的は達成されるから、だそうだ。  だから、どんなに熱い思いで結ばれた夫婦も、情熱が冷め、そのあとは人間同士のつき合いとなる。洗濯物の干し方から食べ方、子育て方針、人生観まで、違いが目立ってきて、「ムカつく」「許せない」ことは増えてきてしまう。 「人間関係の悩みで一番多いのが、実は“配偶者”です。結婚は異文化との遭遇、夫婦とはどう