仮想通貨の取引はどのタイミングで所得を認識するのか

税理士ドットコムでは、仮想通貨の所得を認識するタイミングや計算についての質問が多く寄せられますが、多くの税理士が精通しておらず、あまり回答されていないのが現状です。

税理士が仮想通貨に精通していない理由の一つとして、税理士の顧問先は事業者が多く、仮想通貨の申告の経験が少ないことがあげられます。また、自分自身で仮想通貨の売買を経験しておらず、実態が分かりにくいということもあるのかもしれません。

仮想通貨に投資している方について、少しは申告や課税の知識を持っていないと、予期せぬ納税額が発生する場合があります。仮想通貨の申告についての詳細な知識を持たなくても、所得の認識所得の計算の二段階で課税について考えられると、少し頭の整理ができるのではないかと思います。

まず、課税対象となる所得を認識する時期です。そして、次は所得の計算です。

所得を認識しないと、確定申告をすることや利益が出ているのか損失が発生しているのか次のステップに進もうとは思いません。確定申告の前になって、どうしたらいいのか慌てることになります。場合によっては多額の利益が出て、納税に苦労する場合もあります。

課税対象となる所得の認識

1 仮想通貨の売却
一番単純なパターンで、購入した仮想通貨を売却する場合です。


2 仮想通貨で商品等を購入
仮想通貨を支払い手段として、商品を購入したり、サービスを受ける場合です。

3 仮想通貨同士の交換
仮想通貨の投資家にとってはよくあることです。仮想通貨の交換においては、保有しているのが仮想通貨には変わりありませんので、所得を認識する必要がないと考えられることがあるのかもしれません。しかし、仮想通貨同士の交換は、所有している仮想通貨で別の仮想通貨を購入したことになりますので、交換時点で所得を認識することになります。

4 仮想通貨のマイニング
マイニングの場合は、仮想通貨を取得した時点で所得を認識することになります。1から3の場合は、利益が出るとは限りませんが、マイニングについては、多くの場合に利益が出ていると思われますので、忘れずに所得を認識する必要があります。

1から4のタイミングで所得を認識し、利益が出ているのかそれとも損失が発生しているのかを計算することになります。

課税される所得の認識を忘れてしまうと確定申告もできませんので、まず、どのタイミングで所得を認識するのかを確認しておいてくださいね。また、所得を認識し、計算の結果、多くの所得が出ていることが判明すれば、年末までに節税対策ができますので、仮想通貨の投資家にとっては、所得の認識は必須だと思います。

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