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頑固も孤独には耐えられない。


概要としては、朝鮮戦争の退役軍人のウォルトがある少年と出会うことで人種を超えた友情が芽生えてくるストーリーです。元々、人種差別主義者の彼は、妻が亡くなったことでますます偏屈な性格になっていく。家族も「あの頑固じじい、イヤだ」という気持ちを態度に滲ませてくる。そんな混沌とした喪中のシーンから映画が始まる。そして、隣に住む非力で意気地なしのタオに出会う。共に食事や仕事をしていく中で仲が深まっていく。男としての生き方、磨き方をタオにアドバイスし、練習として色々な人に会わせた。タオの家族とも友好的になったにも関わらず、彼ら家族のチンピラ従兄弟に家庭を銃撃されてしまう。怒りと後悔でウォルトは自暴自棄になる。復讐心に取り憑かれたタオに罪を負わせぬよう一人で立ち向かいラストシーンを迎えた。

印象的だったのは、ラストシーン。 
ウォルトは銃も持たず丸腰でタオの従兄弟のアジトへ向かった。
彼は過去に朝鮮戦争で青年を射殺した経験があり、人を殺す怖さや不快さが夢に出るほど覚えています。誰も殺さず従兄弟の仲間を刑務所に送るにはあの選択がベストだと私も思います。私がウォルトの立場でも同じことをしていたと思います(実行できるかわかりませんが笑)。

過去の過ちは、例え懺悔したとしても拭いきれぬものであり、人間はどこかのタイミングで償う瞬間がある。
そのタイミングを逃さないこと。
そういう教訓にも受け取れた映画でした。


この映画が素晴らしいと思ったのは、
ストーリーではなく、映像の色味です。

光と影をバランスよく配置。

コントラストを強くし、大人な映像に仕上がっている。
絵画のような映像には惚れ惚れしました。

さらにブルーや黄色のフィルターがかかった映像で、
グリーンが引き締まって見える。

この映画が好きなのは完全に映像に惹かれたからと言っても過言ではないほどカッコいい作品でした。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

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