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無期限くるま旅のホンネ #3 食生活は充実しない(私的に)。

カンタンな近況

私は今、大好きな沖縄で借りていた部屋を解約して、4年勤めた会社も辞め、DIYなしのN-BOXでパートナーとともに無期限の車中泊旅をしている。5月5日、こどもの日に沖縄からフェリーで出発して鹿児島にわたり、そこから3か月かけて私の地元・旭川市まで北上した。今はパートナーが彼の故郷・弘前にもろもろの目的を果たすためとどまっているので(私も3週間いた)、旅はそれぞれの故郷にて小休止中だ。

(サムネイルは兵庫で食べた明石焼き。ふわふわ低糖質でおいしかった)

今回のホンネ

今回のホンネは、車中泊では、食生活は充実しない(個人的に)ということだ。
もちろん「食生活の充実」とは人によって異なる尺度だと思う。
毎日大好きなラーメンを食べることが喜びの人もいるだろう。
私にとっての充実した食生活とは、一次的(?)な食材(生野菜や、加工されていない肉など)を、「〇〇の素」などを使わずに醤油・塩・酢・みりんなどを用いて毎食自分で料理したものを食べ、たまに飲食店でラクや贅沢をすることかな。

節約+怠惰=白飯とカップ麺

私の家である車は、天井に寝具をしまうためのネットを設置しただけの、ほぼDIYなしN-BOXだ。
軽乗用車の中では広めの空間を誇るものの、座席も床もフラットにならず、テーブルや換気扇の設置もしていない(座席を取り外すことはできるけれど、運転席・助手席を除いた空間の全長は、体を伸ばして寝るには足りない
)。
ダッシュボードの上すら平面ではないので、安定してお皿を置くスペースも皆無に等しい。

そんな車内で、テーブルやシンクを設置した車中泊仕様の車のように満足な調理ができるはずもなく、また調理器具を収納するスペースも限られている(You Tubeでよく見る、大型のバンに水道やシンクやトイレまでついたようなキャンピングカーは憧れるけれど、一生車で暮らすつもりでもない限り、贅沢すぎて手が出ないし、便利すぎておもしろくないとも思う)。

では車外はどうかといえば、公園や駐車場などはたいていバーベキューなどは禁止。堂々とできるのは主にキャンプ場になるが、宿代節約のために車に寝泊まりしているので、無料キャンプ場以外は基本利用していない。

そんな状況で、苦肉の策として、お湯を沸かす・ごはんを炊く・具材を煮るだけのスープやみそ汁をつくる程度の炊事を、ドアを開けた車内でよくやっている。

この程度の調理でも、狭い車内での調理や、こげついたご飯を洗うなどが手間で、ついつい億劫になりがち。クッカーなどを洗える場所も限られている。

それでも34歳・育ち盛り(笑)のパートナーはけっこうな大食い。おかずやラーメンだけでは満たされないので、よくご飯を炊いた。でも野菜やお肉を使った調理は面倒になりがちだったので、よくあったメニューが白ごはん+カップ麺(or袋麺)だ。

家では袋麺もほとんど使わなかったけど(辛ラーメンだけは別)、ラーメンは美味しくて便利なので、ハイカロリー&添加物だらけと知りつつ、たいへんお世話になった。当然、糖質を抑えていた家での生活よりも炭水化物をたくさんとったので、旅の間に体重は増えた(泣)。どれだけ運転してへとへとになっても、カロリーは消費していないしね。

洗わないで済むようにラップを敷いたシェラカップで酒盗のせごはん&キャベツとわかめの味噌汁
たしか宮崎県の霧島の道の駅でのごはん

食生活を大切にできないとストレスがたまる

ごはんもラーメンもおいしい。でも、こればかりの生活はストレスがたまる。私は農業を営んでいた両親に、身体と健康をつくる食べ物の大切さを、子ども時代の食生活を通して教わってきたので、比較的、いわゆる「ていねいな暮らし」をゆるくでも求める方だ。それができないとストレスがたまる。自分の体をいじめているようで、自己肯定感が下がってしまう。

土地土地のグルメはおいしい、でも観光より住んだ方がおいしい

当たり前だけれど、その土地の本当の良さを、ちょっと通りがかっただけの人間が、たかがネット検索で見つけるのはとても難しい。それに「良さ」だなんていろんな分野があるし、訪れる人の数だけ「良さ」を判断する角度も違う。文字や画像や映像で垂れ流される「オススメ」や「ランキング」など異なる価値観の他人やPRしたい側の押し付けを調べて何になるだろう。

よく、「これから向かう街の名前+観光」のようなキーワードで前日にYou Tube動画を見た。これはあくまで私の感覚だが、その中で行きたいと思えたスポットは1/10とか、1/20の確率でしか紹介されなかった。特に神戸の紹介動画はひどかった記憶がある。港の側のカフェやレストランばかりで、他に見どころはないのかと思った。もっと歴史的におもしろい物語が垣間見える場所があるだろうに、紹介されていたのはグルメやショッピングモール、夜景ばかりだった。

前回の記事にも書いたように、弘前の散歩の途中で芋づる式に(私的に)ワクワクスポットを次々見つけるような興奮は、自分の足で探るだけでなく、ある程度の期間その土地に居てみなければ出会えない、味わえない、と思う。ネットで紹介される人気店と、自分の嗅覚で見つけた「私的」名店にはきっと隔たりがある。感覚が鋭い人ほど、大きな隔たりが。

また、外食のみならず、土地の食材を買って、家での暮らしのように日々ごはんを作る、つまりそこで生活を営むということも、移住までとは言わずともロングステイでなければできない。弘前では、3週間も滞在したからこそ、案して野菜や徳用のお肉やお米を買い込み、ステイ先のホステルのキッチンで自炊ができたのだ。


もし、日本の魅力的な土地を広く深く味わい尽くしたいと思うなら、やるべきことは縦断旅などではなく、各地でロングステイをすること(お試し移住、または今の言葉だとアドレスホッパー?)なのかもしれない。



くるま旅の様子がKindle本になりました!
noteに書ききれなかった書下ろしモリモリの書籍となっているので、ぜひ見てみてくださいね♪


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