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OKINAWAN COLOR

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沖縄の濃密な香りと色彩を届けるフォトマガジン。日記ともエッセイとも妄想ともとれる言葉たちとともに。
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#やんばる

自分が救われるために人を傷つけた朝は

自分が救われるために人を傷つけた朝は

沖縄は梅雨の気配が満載。そこかしこで月桃の蕾が木の実のようにたわわになり、気温も湿度もぐんぐん上がってきている。それでも、限りなく薄着で、サンダルで過ごせる沖縄の5月は身軽で嬉しい。

これが最後だと思ってやりたかったことをしたい。沖縄で暮らしたい。ミニマルに暮らしたい。身軽でいたい。そういう気持ちが結びついて今沖縄の北部で一人暮らしをしている。自分の軽自動車に積めない物はなるべく買わない、という

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沖縄の緑はどうしてこんなにも

沖縄の緑はどうしてこんなにも

またひとつ、小さな小さな夢を叶えられた。
会社に向かう30分の道のりの中程にあるの道の、左右に広がる深く濃い森を、長い鉄橋をゆっくり登りながら撮影した。

その鉄橋はさながらジャングルの中を上ったり下ったりするトロッコのレールのようで、車で上る以上に急な傾斜に感じられた。

ここ数ヶ月、休みのたびに緑の写真ばかり撮っている。2月頃からにょきにょきと生えだした木々の若葉があまりにも美しい。カラフルな

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梅雨を待つ月桃

梅雨を待つ月桃

梅雨。月桃。きれいな言葉だなあ。

ついたばかりの瑞々しい月桃のつやつやとした蕾。

沖縄の春「うりずん」らしい気温にならないまま、沖縄は梅雨を迎えようとしているのか。月桃は梅雨を知らせる花とも言われるそう。

気持ちよく晴れた今日もカラッとしていて、梅雨の気配はないけれど、連休はずっと雨予報。今年ばかりは家にいなさいとお天道様が言っているのか。

沖縄ではまだまだ冒険したいことがたくさんある。与

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軽薄な強さ

軽薄な強さ

沖縄が、そして仕事が多くを占める日常生活が、愛おしいものになるにつれて、私は身軽ではなくなっていく。

土地や仕事や人間関係にこだわりを持つほどに、世界をサバイブするいち生物としては弱くなってゆく。

とても幸せなことであり、その幸せをかみしめるほどに恐ろしい。

まだあともう少し此処に居させてほしいと願いながら、サラッと沖縄を置いて行ける強い自分が必要だと本当はわかっている。

PHOTO:海辺

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沖縄の色と匂い

沖縄の色と匂い

私にとって、沖縄を沖縄たらしめるもの。それは色と匂いだ。当たり障りない答えみたいだけれど、沖縄を知らずに北海道でも同じように考えただろうか。いや、北海道では間違いなく、四季の移り変わるど真ん中に暮らせることだと答えただろう。

沖縄では色も匂いもとても濃い。それでいて、どちらもいつも湿り気を帯びて五感を強く揺さぶる。
ふと風に乗って訪れる濃厚な花の香り。春の夜香木、百合、月桃、梔子。夏のプルメリア

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