いと楽し、いと痛し小樽。
最後に小樽に行ったのはいつだったかな。
そうだ。まだ学生だった頃に友人とぶらり小樽の旅をした時か。
あの時は確か、何かお茶のソフトクリームを食べた気がする。後は名物なるとの若鶏半身揚げ。宿泊した記憶はないから、やっぱり日帰りか。
そこから二十年。
それだけ年月が経てば随分と変わっているはず。
すっかり長旅はバス民となった私は、久しぶりに券売機でJRのチケットを購入することになるのだが。
本当に久しぶり過ぎて購入にもたついてしまい、田舎者丸出しでようやく手にしたチケットは指定席だった。あれ?何か高いな。友人に言われた金額より八百円くらい高いな。そうか、ここは「自由席」だったか……。
まぁいいさ。ゆっくりのんびり座れるじゃないか。絶対座れるし。
と、ガラガラの指定席で自分に言い聞かせた。
札幌から小樽までは快速で約四十分程。釧路で言うところの、厚岸までの距離だろうか。
JRなんて久しぶりだわ〜なんて、ちょっとワクワクしながら独特の揺れに身を任せていると、視界いっぱいに広がる海。ああ、海が見える窓側にして良かった。
海なんて飽きるほど見ているのに、地域が変わると全然違う海に見えるのは何故。
そこに突然現れた大きな岩。
すぐ近くを通り過ぎた時に、この岩肌に鳥達がとまっているのが見えた。休んでいるのだろうか。
海にポツンと頭を出す岩に鳥達が何匹も。
間違えて指定席を買ったおばさんは、半ば興奮状態で窓から見える景色を次々に写真に収めていく。落ち着け。
海も違うけど、生息している鳥の種類も全然違うのね!とわくわくしっぱなし。改めて指定席で良かった。
無事小樽駅に到着した私が改札を出ると、迎えに来てくれていた友人が手を振った。
そうなのだ。この友人はつい最近釧路に来てくれた友人なのだ。この二人が集まるとそれはもう食べまくるのだ。今回も嫌な予感がするだろうか。そう、今回も食べまくるのだ。(でも歳のせいか少し抑えめにはなった。笑)
それでも今回は、食べる以外にもう一つ予定があった。実は友人が以前行ってすごく良かったという“パワーストーンのお店に行ってみる”という事だった。
あ、大丈夫。決して怪しい話しでは無いです。
それも手相を見てパワーストーンを選んでくれるというお店が主流?なのか、小樽には何店舗かあるらしい。
そして友人に導かれるままいざ店内に入り、店主さんに両手を差し出す。
「お客さん……これ、かなり大変そうな手相してますよ……」
がーん。
いや、何となく嫌な予感はしていたんだ。
私の手相が何か変なのは気付いてたんだ。
右と左が全然違うのはまぁ良くある事だとは思うのだが、片方が変形のますかけ線?というものらしい。波瀾万丈で良い時と悪い時の差が激しい。人間関係のストレスとかもろに自律神経に来るし、胃腸も悪いし(食べ過ぎな)、生命線も短いし、仕事は報われない仕事だし(それ知ってて働いてるから何も言えない)、恋愛運……ないですかね……(だろうな……そもそも自分が恋愛する気無くて……)
というね。うーん。そうだな。
良い点みたいの、一つも言われなかった気がするのは気のせいか?我破天荒?故に我短命?
それで、結局健康運を上げる感じの組み合わせでお守りを作って貰った。色合いも素敵で、ポケットに入れておくだけで良いので割と気に入っている。
こういうものは、どっぷりハマるわけでもなく、何となく良いのかな〜と思っているくらいが丁度良いと思う。という個人的な意見。
観光客が撮っていたので、私もそれに乗ってパシャリ。小樽って銀行が多かったのかな。そんな安易なコメントを堂々と載せるスタイル。
おお、小樽って感じするー!やっぱり運河ですよね。
小樽はめっちゃくちゃ人気の観光地という事で、この日も海外から来た方々で賑わっていた。行き交う人はほぼ違う言語を喋っていた気がする。韓国人が特に多かったかも。
この時点で、私の体に異変が起こっていた。
坂が多い。あっちもこっちも坂。
都会に来るからとか言って、スニーカーじゃない靴を履いてきた私の。私の足が。私の足が死にそうになっている……!
しかも友人はかなり歩く人なのだ。基本徒歩移動。札幌では基本地下鉄には乗らない。歩数は基本一万以上。勿論小樽でも徒歩移動。
札幌でも足は痛くなるけれど、坂とレンガ造りっぽい道が何とも足に鋭い痛みをプレゼントしてくれる。
それでも「痛い」だなんて泣き言を言う訳にはいかない。せっかく友人が色々考えてあちこち連れていってくれるんだもの……(涙)
小道でちょっとベンチに座ってひと休み。
この時間が永遠に続けば良いのに。(足)
ズキズキと悲鳴をあげまくる足を引き摺り、予約してくれていたお店に無事到着!
対面カウンターの素敵な雰囲気で美味しいイタリアンを頂くのだ!(やっと足休められて嬉しい!)
まずは小樽のノンアルコールビール。これはフルーティーですごく美味しかった。
美味しいお通しの画像撮り忘れちゃった。
釧路ではあまりお目にかからない“しゃこ”。
食べてみると海老と蟹の良いとこ取りなお味。生パスタもモチモチで、このソースがまた絶品。
パンにたっぷりソースを付けて最後まで美味しい。
言わずもがな。美味いに決まってらい。
夕食を終えた私達は、夜の珈琲タイムを過ごしに「小石珈琲」さんへと向かった。徒歩移動。
お洒落な音楽が流れる、大人な空間。
美味しい珈琲とスパイスが効いたナッツのパウンドケーキ。ここはウイスキーも置いてあるらしい。思わず憧れる。
ゆっくりと時間を過ごし(足を休め)、宿泊するホテルへ。
冷静な顔をしながらも内心ヒィヒィ言いながら、すぐお風呂に入って色々塗ったくって、ベッドにゴロンと身を投げた。
ここでようやく出てくるのが勉強。そうなのだ。この人、明日大事な試験があるのだ。信じられないでしょ。
といってもこれは想定内で、その為に事前にかなり勉強をしたのだ。(言い訳)
寝る前にまとめたノートやテキストを眺めてはぶつぶつ言っていつの間にか寝る。
夜中に起きて暗めに付けたライトの下でまた続きを読み込んでいつの間にか寝る。
そんな夜を過ごし、終始足が痛いおばさんは試験に臨むのだった。
次回、小樽→札幌観光編につづく。
試験の様子はこちら↑
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