私には家をおしゃれにできない

今の家に引っ越してきて3年弱。
郊外の中古一軒家。
コロナが流行りだした頃で、まだそんなに郊外は人気ではなく安めの値段で購入できた(購入したのは夫だけれど)。
子供を産み育てる予定は最初からなかったから、二人暮らしサイズの家を買った。
サイズはちょうどよく、狭すぎることもなければ広すぎて持て余すこともない。
買った時にすでに築十数年経っていて、一応注文住宅だったようだが建てた人がこだわった部分とそうでない部分で素材等の質が違っていたりする。
例えばお風呂場にはテレビが付いているけれど、扉や引き戸全般は安っぽい素材が使われている。

私はわりとインテリアに凝るほうで、よくインスタでおしゃれな家の人の写真を眺めている。
それで段々わかってきたのは、いいなと思う家具やインテリア用品は高いということ。
あと、賃貸住まいでもおしゃれな部屋の人は大体努力してDIY等をしている。

私の家は購入したのだから賃貸の人より好き勝手できるはずである。
自由度は高いのだ。
でも、私にはこの家をおしゃれにすることは無理だ、と最近思いつつある。

まず私が無気力であるのが一番の理由。
DIYをする気力がない。
キッチンに洒落た壁紙シールを貼ろうにも、どれくらい壁紙シールが必要か測るのがしんどい。
だからいつまでも注文できずにいる。
貼るのは自分でやれなくても、シルバー人材センターの人に頼むこともできる。
でもそれもしんどく感じる。
だったらまるごと業者に頼んでしまえばいいのではと思うけれど、そんなにお金をかけたくない。
お金をかけた分、ちゃんとキッチンに立ち料理をしなければというプレッシャーがかかる。

DIY以外では、素敵な家具がほしいと思ってもかなりお金がかかるし前の家具の処分も困る。
私は働いていないからそんなに好き勝手インテリアにこだわれない。

そして最近特に思うのは、いずれ死ぬのにインテリアにこだわってどうなるんだろう……ということ。
高い家具を買ったりDIYしたりしても、いつかは死ぬわけだ。
しかもいつ死ぬかわからない。
死後の世界まで持っていけるわけでもないのに、お金をかけたり努力をしたりすることになんの意味が……？
と考え始めたら、もう、どうでもよくなってきた。

どうせ無気力でDIYはできないしお金を稼ぐことも難しい。
私にはこの家をおしゃれにするのは無理だ。
インテリアが好きでも、実践にはパワーがいる。
そういうふうに感じる。