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我が家の米騒動

父がものすごな勢いで話しかけてきた。

スーパーにも百貨店にも米があらへんねん
どっか自分の通てるとこから米買われへんのか?

気づけばうちのお米はあと3キロほどをきっていた。
スーパーのお米売り場に行く機会がしばらくなかったが、言われてから見にいく商品棚は空っぽ。
ニュースでも取り上げられていた(私はテレビをあまり見ない)

米農家さんに連絡をすると、米を買いたいという要望が増えて在庫がなくなったとのこと。

でも、米農家さんは淡々と冷静に言う
もうあと2週間もしたら新米が出回るからもう少し待っとき。


そう、2週間お米を食べなくても
むしろ乾物やパンやらの食品に溢れた食生活の中で
そこまで苦痛なことでもない

それでも、米がない!という事実は、気持ちを焦らせ
手に入らないという状況がさらに購買衝動に追い込んでいく

なぜお米が不足しているのか?
今回の騒動は南海トラフの買い占めが原因とのこと。

お米を自分たちで作らなくなった環境にいる私たちには見えていない
自分が1年でどれだけの量のお米を必要としているのかすらも分からない人が多い
目に見えない何となくの不安は、より安心できるように買い占める衝動を引き起こす

もしも自分たちの必要な分だけでもお米を作っているなら、こんなことにはならないのかもしれない
作れなくても直接農家から購入できる繋がりを持っていれば不安にはならなかったかもしれない

自分たちの必要な食べ物を作り手の見えない市場に任せてしまって良いのか?

スーパーや百貨店は商品がなくなればただの箱
米だけに限ったことではない
石油を使って遠くから運ばれてきた食品が並ぶスーパー・量販店では
石油危機が起きたとしても商品はなくなる
私たちは生きるために必要不可欠な食べ物をリスクの高いところに頼っている現実がある

もしも個人個人が自分や家族の食を賄えるだけの食を生産していたら
もしくは生産者から直接購入できる繋がりを持っていたら
世間のニュースや周りの衝動買いに巻き込まれることなく普通の生活を送れているだろう

そして生産者は
お米がどれだけ必要かによって作る量を決める
個人から直接必要なお米を請け負うことになり、
お米の需要が増えれば農家も生産量を増やすために考えてくれる


今、この米騒動から考えなければいけないのは
目先の数週間のお米をどう調達するか、乗り切るか。
ではなく
自分や自分の家族が必要な量を理解し
農家さんから直接入手する繋がりを持っておく
もしくは自分たちで作れる環境を持っておく

お米は1年に1度しか実らないのだから
来年どれだけ必要になるのか

そして、もう少し濃い繋がりを維持したければ
お米を仕入れる農家さんのお米づくりを部分的にでも
関われると良い関係が作れますよ


なんて考えていたら
騒動の父は、どこのか分からないお米をホームセンターで大量に買って帰ってきたのでした。 
私の忠告は無念に終わる。

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