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2022年のお仕事ライナーノーツ:レビュー記事編

今年は本業を辞め、専業ライターという茨の道に突入した一年でした。ありがたいことにMogura編集部に加わることができ、食いっぱぐれることなく様々なものを書くことができました。そして、今年書いたものをリストアップしていくと、その数からして「仕事しすぎた」といまさらながら気づくなど。

というわけでこの一年、浅田カズラはなにを書いてきたかを振り返ってみようと思います。ただ物量がすごいことになったので、まずはレビュー系記事から……

(Cover Image: Generated by Midjourney)

デバイスレビュー

今年もめちゃくちゃいろんなデバイスをさわる機会に恵まれました。特に今年はVRデバイス業界がめちゃくちゃ元気でしたね。これもひとえにザッカーバーグのおかげかもしれません。ARもNreal Airからなにか火がついたようにいろいろ出てきた印象です。

というわけで順番に並べてみましょうね。

Varjo Aero

実は記事は2022年に出たけど、取材は12月末だったり。まぁ今年公開されたお仕事なので今年カウント。
Varjo一族を体験したのは、この時が初めて。ビビリました。ご厚意でVRChatも(自分のアカウントで!)遊ばせてもらったのですが、「世界の解像度がちげえ」と震撼したのをおぼえています。これをテキストで伝えるには「まんまスクショの解像度」っていう表現しか浮かばず。
そして、誕生日祝いという名目で自費購入した一台でもあります。とにかく解像度に間違いはないので、「この粗さはコンテンツの問題か」とすぐに判断できるようになったのは大きいですね。

MeganeX

みんな気になるメガネ型のアイツ。1月にプロトタイプを、12月にほぼできあがった(であろう)やつをさわらせてもらいました。
こういうコンセプトのVRデバイスはまだまだレアで、しかし長時間運用に合理的なのはソーシャルVRプレイ経験が積まれるほどに理解できました。いま思えば、国内メーカーから出るべくして出た感じですね。
しかし12月でもまだまだ調整中で、もろもろかたまるのはCES2023という話を聞かされ、「どうなっちゃうの~!?」と笑ってしまったり。たのしみですね。

Quest 2のサードパーティ製ストライプ

デバイスか?まぁデバイスかもしれません。「Eliteストライプって便利だけど、高いし、他社製のいいのないの?」みたいな話から生まれた比較記事だったはずです。
いろいろ仕入れて試してみたんですが、発売からだいぶ経ち、Quest2はサードパーティアイテムがとても充実している印象です。オフィシャル超えしてるな……というものもあったのが印象的だけど、アクセサリーってまぁそういうものですよね。

arpara VRヘッドセット(Gamer 5K/AIO)

arparaという香港の新興企業っぽいとこから出てきた一台。スマホとかにつなぐ3DoFのHMDモード、SteamVR対応のモード、一体型機種の3つがラインナップするというもので、5K解像度も含めて意欲的なコンセプト。
では実際にさわってみるとどうか。SteamVR対応のGamer 5Kはまぁまぁよかった印象で、視野角がせまいのを抜きにすれば、軽くて画質もいい感じ。顔の形状次第だとフィットせずズレる可能性もあるけど、自分は使えそうだな……とは感じました。
一方の一体型タイプ・AIOは……ちょっと検証機材と環境が残念でした。具体的にはWi-Fiストリーミングで速度が全然出てないというやつ。なので「判定不能」とさせていただきました。
完成形出たらさわらせてほしいのですが、どうやら発送が遅れているようで……ちゃんと世に出るとよいですな。

Nreal Air

出た直後くらいにさわらせてもらいました。スマートグラスはあんま体験ない中での検証でしたが、厳密にはARではなさそうだけど、「なんかグラサンかけると目の前にスマホの動画がデカく映るぜ」というのは訴求点としてアリだなっていう印象を受けました。
このときはまだAndroidのみ対応で汎用性低そうだったんですが、その後便利なアダプターが登場して、iPhoneやPC、ゲーム機ともつながるように。GOROmanさんもオススメし始めていて、なんか一気に使いやすくなったように見えます。いずれ実機買うべきかもですねぇ。

ThinkReality A3

おもいっきりビジネス向けのスマートグラス。大まかな感触は「Nreal Airよりもリッチ」だったけど、体験させてもらったコンテンツが最適化されてた影響かもしれない。
主だった用途は工場での作業補助や、PCとつないで拡張ディスプレイにするというもの。前者はHoloLens2とかでも運用が見込まれているやつで、こっちはより軽い代わりに、PCやスマホが子機として必要。どっちがいいかはケースバイケースですかねぇ。
とはいえ、稼働時間が伸びると熱がたまってしまうのは気になるところ。そこからNreal Airは発熱が少ないというメリットに気づいたり。やっぱいろいろ触らないとわからない……

Pico Neo 3 Link

遅れてやってきたQuest2対抗馬。おおまかな使い勝手はだいたいQuest2だけど、DPケーブルからPCVR出力ができるという機種です。このDPケーブルストリーミングがほんとに優秀で、自分は「スタンドアロンでも動くPCVR」としてこいつを認識しています。
全体的によさげな一台だったのですが、このあとにPICO 4が……

nofioのVALVE INDEX無線キット

おもしろ度合いで言えば今年一番。壊れるほど愛してきた(そして実際2台壊れた)VALVE INDEXが無線化する? そんなおもしろい話ある? あったわ。いやほんとに無線でINDEXが動いてる。ちゃんとWi-Fiで稼働してるので、日本の技適もたぶんOK。正直感動しましたよね。
なお、このときの体験はnofioの人が来日し、Moguraの事務所に持ってくる形で行ったのですが、対応者は自分ひとり。向こうは日本語そんなに話せず、こちらも英語そんなに話せず。スマホの翻訳機能があってよかったですね。なんだかんだ好感触でよかったのですが、最も冷や汗をかいた取材でもありました。英語(おもにスピーキング)勉強しなきゃ……

mutalk

1月に体験したデバイスから、mutalkだけ先んじて発売となったため体験しにいきました。1月にさわったプロトタイプはデカくて、性能もまぁまぁという感じだったのが、このときにはだいぶ小さくなって性能も良好になっており、実用に耐えそうなラインだなと素朴に感じました。
いいものだな~と思ったので即ポチしましたが、届くのは来年1月になるとのことです。ただし、遅らせる分音質は向上したみたいなので、「待っても良い延期」ではあります。着弾が楽しみです。
余談ですが、VRChatとの併用テストに使った機材はアシュトンさん持参物です。どこでもPCVR VRChatマンは実在した! そしてこのあと、岩佐さんも含めた出席者の一部は、PANORAさんの「メタのみ」へ足を運んでいました。もちろん僕もです。たのしかったですね。

PICO 4

今年一番ビビったやつ。いろんな面でQuest 2に並ぶものが、ついに出てきたかという衝撃がありました。軽いし、画質は4Kっぽくてきれい。パススルーの画質もきれい。遠近感がないので歩くのはやや危ないけど。
一方で、ゲームチェンジャーになりそうかというとそうでもなく、あくまで選択肢が増えたというのが適切な評価ではあります。それでも、スタンドアロンVRの領域で選択肢が増えた、というのはエピックな出来事ではあります。
ちなみに、当初発表の本体重量・295gは、正しくはディスプレイ部分の重量だったという一幕もありました。メーカーはこのへんのスペックを正確に示してほしいと思いましたし、僕はあのあと"はかり"を買いました。きっと今後デバイスレビュー案件で持ち歩くことでしょう……

Meta Quest Pro

今年一番"むずかしかった"やつ。自分が触ったどのXRデバイスにも合致しない特徴を持ち、得られる体験も新感覚。「これはなんだ???」と首を270°くらいかしげて記事を書いたおぼえがあります。別途HoloLensを触ってみたことで本質がつかめた印象です。
記事にも書きましたが、Quest Proはエンドユーザーには早すぎで、正しく実験機のようなもの、というのが現状の安定した評価でしょう。これ自体が広まることはなさそうだけど、これ向けに開発されたコンテンツと、これの運用から得られた知見が、次の5年の糧になる、そういうものっぽいです。

mocopi

なんなら今年一番の衝撃。「ソニーさんどうしちまったんだ!?」という驚きとともに触らせてもらったら、あらあらまぁまぁすごいことになっていた。ゲームチェンジャーになり得るすごいものが出てきたし、それが12月に出てくるんだからこの業界おもしろい。
モノとしての性能もよかったのですが、開発陣の理解度の高さが個人的には一番おどろいたところだったりします。というかばもきゃのあきらさんも関わってるとか予想できんじゃろ。あとなにより、「写真にとってのカメラ、のような誰でも手に取れるデバイスが3DCGには必要」という思想が素敵だなって。
ちなみに浅田はmocopi1月ロット予約済みです✌

ContactGlove

これも感慨深いデバイスでした。グローブ型VRコントローラーがついにコンシューマーにも……! そして実際に触ってみたら、けっこう異色だけど、ふしぎとなじむ操作感というおもしろさがありました。INDEXコントローラー使ってる人はマジで飲み込み早いと思います。とはいえ人によっては蒸れそうなので、要対策。
ちなみにまだ触覚あり版は触れていないです。ちゃんと触覚までフィードバックされるようになれば、VRの体験深度はさらに高まりそうです。はてさて、2023年のいまごろはなにができるようになっていることやら。

ツールレビュー

デバイスほどではないですが、ツールレビューもいくつか担当してます。VTuber向けツールとかそういうやつ。これも体験しないと感触がつかめないので、可能な限りやっておきたいところですね。

一番「すげえ!」ってなったのは「Shoost」でしょうか。アバター、背景(静止画か動画)を取り込み、いい感じの映像効果を付与できるツールです。VTuberの中にも使い始めている人はいるんですけど、映像から受けるアバターの実在感が一気に引き上がります。画面上では平面に映るアバターが「環境の影響」を受けると、認知がけっこう変わる気がします。

「FumiFumi」もすごくよかったですね。これもいまいろんな人が使ってますが、「Shoost」と同じく、画像効果などで「そこにいる」感じをググっと引き上げられるのが最大の魅力です。アバターは自らの半身、あるいは代理人。だからこそ、現実での存在感もちゃんと作りたい。そういう欲求はアバターが広まるほどに強くなりそうです。

あと思い出深いのは「Vカツ」が終了するけど乗り換え先はどれよ!っていう案内も兼ねたこの記事。文字通り移行先ガイドでもあるのですが、同時に「同じデザインでもツールによってどれだけ差が出るのか」を、個人的に検証したかったものでもあります。ツールのちがいって、ある種の「作画の違い」に等しいと思うので。
ちなみに、検証用に作ったデザインの女の子には、「モグラ・イブ」という名前があります。ただし、その事実を知っているのは僕だけです。

ほかにもいろいろツールレビューを担当しました。こうして見ると選択肢増えたなぁ……(運用に最適かどうかは別として)

ゲームレビュー

実は今年、一本だけゲームレビューというやつをやりました。アストネスさんのPR案件ですね。やったゲームは『After the Fall』です。
あんまりVRシューターを遊んだことなかったんですが、割と遊びやすいタイトルでした。操作感はなかなかによくて、敵もゾンビというよりクリーチャーなので、ホラーっぽさが比較的少ないんですよね。なのでいろんな人にとって遊びやすい。
ゲーム内でも表現されていますが、感覚的には銃コントローラーを使うゲーセンのゾンビシューターゲームのVR版という感じ。なので難易度もまぁまぁ高い。ソロだとクリア普通に厳しい。オンラインで野良マッチで遊ぶのがちょうどいいバランスなんだろうなぁ……ということを書きました。

【つづき】

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