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【エッセイ】わたしと母のお話。

#note書き初め

子どもの頃から視点が
少し風変わりな子だった

歳を重ねるごとに
生きるすべを
ゆっくり
身に纏い
なんとなく
世の流れに
乗ったような
乗らないような…

母はいつも
そんな私を見て
ふわふわした
現実離れした
世間知らずだと
心配していた。


どんな風かって?

たとえば…
こんな感じ…

コンビニであっても
雑貨屋さんであっても
どこのお店であっても

ものであっても
映画であっても
本であっても
なんであっても

お買い物をするとき
何かを観ている時
読んでいる時

ふわりと
頭をよぎること

手に取っているコレ

わたしの手元に来るまでを
イメージして辿っていくのだ…

レジで精算してくれる人
店頭に並べてくれる人
お店に届けてくれる人
商品を作る人
開発する人
商品を作るための
機械を作る人
それを開発する人

作品を考える人
それを具現化する仲間たち
それを支える器具を作る人

それらを作る人が関わる人
それらの人々のお父さんお母さん
そのまたお父さんお母さん…

そのすべての人が…
数えきれないその全てが
寸分の狂いなくたどる道を通り
次の人へと繋がっていく

すべての人の喜び悲しみ苦しみ…
色々を抱えて乗り越えた先に…
わたしの手元にやってきた。

思いつく限り突き詰めると
宇宙創生までたどり着く。

そして気づくのだ。
わたしが欲しいと思ったコレは
わたしが手にするために
存在したのだと。

時は非線形だと気がつく。
そして世界は壮大であり
シンプルであり緻密であり
わたしには敵わないと
降参するのだ。

そして手にしたコレに
わたしは「ありがとう」と言う。

… … …

お母さん… 相変わらず
わたしはこんなことを考えて
過ごしています。

きっと… 変わらないなぁと
心配して眺めているのかなぁ。

たくさんぶつかりもしましたね。

長い長い在宅介護の日々のなかで
わたしは一体なんなんだ…と自問し
あなたの生活と自分の生活の板挟み。
わたしの時間の全てを捧げることを
まるで当たり前のように振舞う…
と苦しんだ時期もありました。

あなたの歳に近くなってきて
想いを馳せることが増えました。

ぶつかることも多かったけれど
あなたと真剣に向き合って
手にした気づきは宝物です。

私はあなたの子どもで
本当によかった。

もうすぐ
あなたの命日です。

今もあなたの生き様を想い出し
気づきや学びをもらっています。

わたしのお母さんでいてくれてありがとう。

きっとわたしは…

今年もたくさんの「ありがとう」に囲まれて過ごすだろう。

だから今年の書き初めは「ありがとう」なのだ。





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