困難事例
包括さんから「『困難事例』なんですが、アルパカさんのところで受けてもらえませんか?」って結構な頻度で連絡がくる。
いわゆる8050問題(年老いた親とその子どもたち、引きこもりやニートが多い)という、多問題ケースと言われるケース。中には虐待案件もちらほら。
はたまた、トラブルを事業所と起こしてしまわれ、度々ケアマネ事業所、サービス事業所が変わっているケース。
難病で使える制度が煩雑だったり、障害サービスやらなんやらいろんな制度を駆使するようなケース。
包括が困ったら「アルパカさんの所にお願いしよう」って思われてて、なんか、もう易しいケースがほとんどこない・・・。
まぁ、とにかく、困難事例と言われるケースを振られることの多いことこの上ない。
でもね、いざ、紐解き始めるとね。
そんな言うほど『困難』っていうのは無いねんなぁ。
もちろん、中には虐待案件とかで、本人の命のリスクがある!っていうのもあるけど、ほとんどの困難事例と言われているケースは支援者側が勝手に『支援しづらい利用者やその家族』っていう風にしてしまってる事がほとんど。
たいていの場合。
本人達は困ってないのよ。こっちがあれやこれやと焦ったり、あの手この手でやろうとしても、なにぶん、困ってない人になんかしたって『余計なお世話』でしかない。リスクマネジメントは大切よ。伝えるべきこと、やるべきことはやる必要あるけど、それ以上は時としてお節介だし、逆に依存されたりして関係があやふやになったりしてしまう。支援者としては最悪の事態を想定して、こうなったらこう動こうっていうシナリオと役割分担はしておくべきやけど、焦ったら絶対ダメ。
選択肢はある程度提案しとくんよ。こういう提案は?とか、この時はこうしてみると良いかも・・・って。でもね、決定するのは本人達やからね。ここで、無理に押し切ると、『あんたに言われたからやったのにうまくいかなかった』って責任転嫁されるからね。そもそも、決めるって事がとても苦手なひとたちが多いんよ。そこを押さえておかないと、こんがらがるケースが多い。たいがい『〇〇さんに言われた』とか、『前のケアマネさんはこう言ってた』『あなたも前の人と同じように(業務外のことも)やってくれるの?』とか。
時に、ピシッと線引きをして『出来ません』って言うとびっくりされる事もある。ほんま業務外、自分が出来る範囲外の事を一回しちゃうと、いつかそれが当たり前になる。そして、やってくれる人は良いひと、やってくれない人は悪い人ってなっちゃう。だから時折悪者にもなりますよ。
こういう人達と関係を再度作る時はまず本人や家族達に対して1人でいくのはダメ。家というある意味閉鎖空間で、第三者がいないと、言った言わないが起きるからね。
こういう時に使えるのが、包括さん。場合によっては区役所の人達。特に包括さん達は地域でいろいろつながってるし、なんとか関係がきれないようにしてるはずやから。
はじめから業務外の事を言うてくる人に対してはこちらから、淡々と出来ないって言えばいい。誰かが言ってこなかったからこじれたんであれば、それを一回断ち切ってみるのも1つ。
ついこないだもあった。
新規の相談あった人やねんけど、案の定、ケアマネさんの交代って。プランきけば、洗濯もんほしがわりに平行棒のレンタルが入ってたり、ヘルパーさんにも業務外の事を求めたり、そんでもってケアマネさんには、役所に出す書類を持っていったりさせてて。役所も包括もその事実を知ってるのに、何も動かんし、役所にいたってはケアマネが持ってくるのを当たり前のように受け取ってて。ケアマネさんが、途中で変って思って(その前も数ヶ月でケアマネ交代あったらしい)出来ないって言うたとたん、ケアマネ交代って言われたって。
もうね、そのケアマネさん知り合いやったから、包括で前情報聞いてる時に、線引きおかしない?って思わず突っ込んだよ。関係性を崩してしもたんは自分らやん?って。
そんで、交代っていうても、おんなじ事求めてくだろうから、そのケアマネさん、包括の主任ケアマネさんと一緒に訪問。
引き継ぐ予定である事、ケアマネは何をする人って説明していたら、早速言われたよ。
『あんた事務所が役所の近くなんやろ?毎月来た時に役所に出す書類を持っていってくれるんだろ?』って。
ここぞとばかりに言うたよ。
『それはケアマネのやる仕事じゃない。役所に出す書類は自分で郵便局行くか、切手買ってポストにいれて』『動きが悪くて、外出出来ないなら、役所の人に言って郵送以外の方法相談したら?』
そしたら、言われた。『あんたんとことは契約しない』って。
それ言ってくれるの待ってた。『分かりました』って言えば良いだけ。
包括さんは超困った顔してた。元のケアマネさんは『アルパカさんそこまで言う?』って顔してた。
元々のケアマネさんももう来なくて良い、うちの事業所とも契約しない。じゃあ、ケアプランどうするの?って思うやん。本人も『そういうことやってくれるケアマネはいないんか?(包括に)さがしてくれ!』って。包括も『範囲外の事をやってくれるケアマネはいない。』『業務の事をやってくれるケアマネさんは探すお手伝いするけど』ってはっきり言うてくれた。
うちが悪もんになった事で、関係性がリセットされた瞬間。
そのあとはどっかのケアマネさんがついたかな?結局うちの所は契約しなかったから守秘義務もありその先は聞いてません。
そのケースを通じて、包括さんや、役所の人にも良くいうといた。
自分達がやるべきものを現場のケアマネに押しつけて、何でも屋にさせないでって。紐解きしたら、過度な要求に対して断り方を知らないケアマネさん達が、結局やってしまって、自らの身動きとられんくなってるよって。なんでもかんでもケアマネさんに相談したら?とか、役所の人なんか、ケアマネさんに頼んで持ってきてもらって!とかアホなことぬかす人もおるからな。そういう人いたら、ほんま『はぁ?』ってなるし、『なんであんたらの仕事をうちらがやんねん。自分らの仕事やろ!』ってキレてるね。
立ち位置がずれるとほんま引っ張られちゃう事あるからね。いつも心がけてる。
仕事でやってるって事を絶対忘れちゃダメ!奉仕でも、ボランティアでも無いねん。
立ち位置がぶれて、勝手に『困難』にしちゃってるのは誰かって事。
よく、肝に銘じとかなきゃね!
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