見出し画像

学校に残りたがる教員と早く帰りたがる教員

複数の学校で勤務すると,大体その地域の学校の特性のようなものがわかってきます。
例えば,慣習としてなかなか止めることができない活動があることや,無駄に体裁を整えようとするなど,地域によって良くも悪くも特性があります。

そして,今の勤務地域の学校で驚きなのが『学校に残りたがる教員』が一定数いるということです。
わたしも含め,『早く帰りたがる教員』はなんとなくわかります。しかし,なぜ学校に残りたがるのか疑問に思います。
とくに初任者の指導担当がこの『学校に残りたがる教員』だと大変苦労します。時間外勤務をすることが美徳としている節があるからです。

今回はそんな『学校に残りたがる教員』の理由を考察してみました。


学校に居場所があり,心地よいと感じている

画像3

学校の中で比較的重たい校務分掌を任されていると,管理職や同僚の方との繋がりが自然とできていきます。その関わりの中で「自分が必要とされている」と感じることがあるそうです。
すると「大変だけれど,やりがいがあるな!」や「いい職場だな」と感じるそうです。

つまり,学校に自分が必要とされている実感を持ち働くことができている教員は,学校に居場所があり,働くことを通して,居心地がよいと感じる場面が多いのではないでしょうか。
あなたの周りにもいませんか?やたら多くの先生方から頼られている人。そういう人はなかなか帰宅しませんよね。


「自分がやらなきゃ回らない」という勘違いマインド

画像2

体育祭や合唱コンクールなどの行事ごとでやたらと口を挟んでくる教員がいます。今年の担当になった先生がお願いしていないのに関わらず,お節介のように口を挟む方がいます。
そういった教員は,” 自分が口を出してアドバイスをしてあげた→そのおかげで行事がうまくいった→やっぱり自分がいないと成り立たない ” という勘違いマインドを持っているのです。
わたしの今までの経験でしかありませんが,どの学校にもこういったお節介教員はいます。自分に迷惑が掛からなければ何も問題ありませんが,文句を言ってきた時には,少し嫌な思いをします。

こう言った教員は,「自分がやってあげないと!」というなぞの使命感から自ら仕事を増やし,帰ることができなくなってしまっているのです。


自宅に帰ってもやることがない・帰りたくない理由がある

画像4

一番『学校に残りたがる教員』に多いのではないかと思う理由が,” 自宅でやることがない・帰りたくない理由がある” ということでないでしょうか。
教師という仕事は,良くも悪くも公私の区別がつけにくいです。

自宅で教師以外の趣味を見つけることができない先生は,ダラダラ過ごしてしまうのはもったいないので,掲示物や教材研究でもしようかな…のようなことになるのです。また「とりあえず,あの仕事終わっていないから学校にいくか」となったり。

教員という仕事が忙しすぎて,継続する趣味を持つことがなかなかできないという現状もあるのではないでしょうか。だからこそ,まとまった休日や,早く家に帰ったときに「何もすることがなく暇」ということが起こり,その暇に耐えられないため,結果仕事をしてしまうという悪循環を起こしているのです。

さらに日常的に仕事が忙しい教員は自分の家庭のことを誰かに任せ,他人の子供の面倒を見ているので,家族からは「もっと家庭を大切にしてよ…」と言われることがあるのではないでしょうか。そんなことを言われるくらいなら,仕事と言って職場にいた方が居心地が良いと感じてしまい,その負の連鎖から抜け出せなくなってしまっているのではないでしょうか。


自己犠牲で得られた快楽に溺れている

画像4

家庭や自分の時間を費やし,目の前の児童生徒に時間をかけた結果,「学級がうまくいった」や「自分のやりたい実践ができた」,「子供から感謝された」などやりがいを感じると,「苦労したけれど頑張ってよかったな」と思ってしまいます。そして,その快楽に溺れてしまうことにより,「今は大変だけど,この大変さを乗り切れば…」などという思いで必要のないことまで仕事として取り組んでしまうのです。

このマインドを変えるのは相当時間がかかりますし,勇気が必要です。あくまで一仕事として捉えることができるのかが鍵となります。


最後に

これから学校現場で働こうとしている方や,今自分の職場でなかなか帰ることができていない人は,まずはこういった人から距離を取ることをお勧めします。
『学校に残りたがる教員』は頼られることが好きな気がします。そのことに120%甘え,自分は帰りましょう。
初任者ではなかなかできないかもしれませんが,2学期あたりから,徐々に変化していき,3学期には自分の働きやすい環境を手に入れることで,無理なく教員を続けることができます。

大事なのは,誰の働き方をマネるかです。自分の働き方に合った人を探してみましょう。そして,どうしているのか聞いて学んでいきましょう。

では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?