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教員の働き方が変わる裁判

田中まさおさん(埼玉県の小学校教諭)が教員の働き方に関して訴訟をおこし,大きな波紋を呼んだ。

そして3月10日に控訴審第1回口頭弁論が東京高裁で開かれた。

「教員に自主的労働を求めることは『強制労働』」

と言う発言。
まさに教員の働き方の本質を捉えた発言。

令和3年度 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査では,教員の時間外労働の実態が明らかとなった。働いている身として感じることは「もっと長いでしょ…」ということ。
過小評価とも見れる結果ですら,中学校教員のおよそ3割は月の時間外労働時間が45時間を超える現実がある。

なぜこれでまかり通っているかというと,そもそも教員には残業という概念がない。これは(悪魔のような法律)給特法という法律のせいだ。

これによって実質,働かせ放題の状況を生み出すことができているのだ。
※あくまで裁判では自主的と話しているが,田中さんはこれを問題視している


さて,今回の裁判は令和3年10月1日の裁判に引き続き,教員の働き方について司法がどのような判断をするのかが見ものとなる。労働基準法という労働者をまもる権利は教員にも適応されるはずだが,その”特殊性”によって一部適応外となっていることによって,現状の働きにくさが生じている。そして,その結果「教員採用試験倍率低下」や「教員の質の低下」などの問題も引き起こっているのではないか。

この裁判がどのような判決を下すのか,そして,田中さんのような教員の働き方を本気で変えようと動いてくれる人がいるかどうか,これら次第では,もう教員の働き方改革を考えるのは無駄でないかとも思ってしまう。

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