見出し画像

アートと街が出会う場を育み、有楽町からイノベーションを生み出していく。YAU CLASS イントロダクション編

2022年2月からスタートした、有楽町でアートと街、アーティストと街のワーカーの交流によってイノベーションを生み出していく試み「有楽町アートアーバニズムプログラム YAU(ヤウ)」。

その活動の一つ、有楽町の人々がアートについて学び新たな思考を深めていく「YAU CLASS」の一環として、同じく大手町・有楽町・丸の内エリアで新たなワークスタイルのあり方を探る「丸の内ワークカルチャーラボ」と連携したトークイベントを4回にわたっておこないました。

第1回目のトークは、YAU STUDIOにて2月14日に開催。YAU設立の背景やワークカルチャーラボとの関わりについて、丸の内ワークカルチャーラボでプロデューサーを務められている古田秘馬さん、三菱地所の井上成さんを中心に語られました。

井上さんは、これまで大手町・有楽町・丸の内エリアで数多くのまちづくりプロジェクトを手掛けられてきました。「エコッツェリア」や「3×3 Lab Future」など、これからの時代に求められるテーマを社会に実装していくようなプロジェクトとして展開されています。

今回YAUをおこなうにあたって、「このエリアで長く展開されてきたアート活動をまちづくりの仕組みに改めて組み込み、アーティストの活動の場とまちづくりを一層リンクさせていくことによって、有楽町からイノベーションが生まれる可能性を生み出していきたい」と井上さんは話します。

三菱地所の井上成さん


一方の古田さんは、コロナ禍で人々の働き方が変化してきた中で、どのように新たな働き方の文化をつくることができるのかということを、丸の内ワークカルチャーラボを通じて複数の企業と一緒に取り組んでいます。そして、これまで様々な実証実験を重ねた中で、出てきたキーワードがアートだったと言います。

「一言で仕事やワークといっても、言葉のとらえ方は人によって異なりますよね。一般的なワークという言葉には出勤して仕事をこなしていくというイメージがあるかもしれませんが、アーティストは生活全てが創作活動につながっている。新しいものを生み出すこと自体がワークで、そこまでにやってきたもの全てが作品になるような感覚なのではないかと思います。そうした感覚をより多くの人々が持つことで、新たなものが生まれる瞬間が増えていくのではないでしょうか。」(古田さん)

丸の内ワークカルチャーラボでプロデューサーを務められている古田秘馬さん(右側)


また、今回YAUのコンセプトとして、既成概念を超える感性をもつアーティストや創造活動に関わる人たちが、ビジネス街に滞在することで生まれる新たなダイナミズム「アートアーバニズム」という言葉を掲げています。その背景には、大手町・有楽町・丸の内エリアで美的感性に基づいておこなわれてきた都市づくりの長い歴史がありました。「だからこそ、YAUを通じてアートとワークの結合点をつくりたい」と井上さんは話します。

「YAUによって、有楽町を”アートがある街”ではなくて、”アーティストがいる街”にしたいと思っています。
アーティストとオフィスで働く方々は普段、お互いに会う機会があまりないでしょう。YAUがあることで、互いに交流する場や機会が生まれる。それぞれが混ざり合う中で、自分が何者だとか、どういう発想ができるのかということを、互いに考えたり発見したりして、変化が生まれると良いなと考えています。」(井上さん)

今回を1回目としてスタートしたこのトークイベントは、滞在するアーティストやYAUの活動を詳しくお伝えするイベントとして、全4回にわたっておこなわれました。今後、その様子をnoteにてお届けしていきますので、どうぞお楽しみに。

写真:加藤甫

執筆:原田恵(YAU編集室レポーター)
ライター・編集者
事業創造プログラムの企画運営、ウェブメディア運営、まちづくりに主軸を置く不動産会社での企画広報・バックオフィス業務を経験。
現在は表現する人の活動支援をテーマに、まちづくり・文化芸術分野におけるライティングのほか、小さな組織・企業のバックオフィス業務にも携わる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?