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インドの美しい布文化を伝えたい

インドと日本の交差

当ブランドWHITE PIGEON
最新作ショール・コレクションは
MEETS ORIGIN
「 原点との出会い 」

3年前(2020.2)
ブロック・プリントのコレクション
初制作時

今回はインド北部ラージャスターン州
ジャイプール一帯の地場産業で伝統工芸
木版(ブロック・プリント)と日本の職人技を
融合させた意匠が特徴の作品です

日本の絹オーガンジーに
ブロック・プリントを施した作品

最古では正倉院の時代より
伝承され続けている染技巧、板絞り

着物の小紋や高級浴衣でも馴染み深い
雪花絞の基礎なる染で万華鏡を
広げたような印象が美しい伝統技です

当ブランドの板絞りは
アート作品の様に筆を使い
暈(ぼかし)を広げます

ショールの絹生地は福島県川俣町の
清流で織られた工芸資材の水羽衣

これら2ヵ国の文化を日本最高峰の
絹織物に施します

インドの工房での仕事

木版の魅力

木版を使い、染めていくブロック・プリントの
判子には自然界とインド文化をモチーフにした
様々な文様が彫られています

日本での和柄、代表格「青海波」
その源流は紀元前の時代、中央アジア
現在のカシュガルで陸地しか知らない
人々が憧れの大海を創造して刻んだ文様です

青海波文様が彫られた
木版(写真・下)

シルクロードを通じてアジアの国々往来が
盛んだった時代に、インドへと渡り
時を経て日本には安土・桃山時代に茶の席で
珍重された事から武家文化を通じて派生します

他にもインド北部は南インド文化とは
趣異なる小さな自然の命を
重んじる草花柄が溢れています

小花柄に青海波と唐草文様が
施されたスカーフ
WHITE PIGEON collcection
着用イメージ
※リンク(上)より作品を
ご覧いただけます

これらは中東のアラベスク文様へ
ヨーロッパへは唐草文様として伝来され
レースのスカラー刺繍に派生していきます

東西で衣・住装飾に現代でも
描かれる唐草文様の源流
レースのスカラーをイメージして
金彩を施した最新作のコレクション

そして私達、東洋へは正倉院の文献を
起点に様々に伝来
御祝い席での着物柄に、よく見かける吉祥柄
「七宝文様」は現在でも様々な伝統工芸品に
縁を繋ぐ柄として、重宝されています

藍と野菜のビーツを染料に
ハンド・プリントされた七宝文様
七宝文様の源流

ブロック・プリントの技術

ラージャスターン州の中でも山間に位置し
村の一帯で代々、継承される伝統工芸として
現在でも世界へブロック・プリントが
施された布は輸出されています

工場の庭

ご近所サンへミルクを
シェアしているそうです
私達がいただく
チャイもこの子たちから・・・
美味しくいただきました
立ち作業が続く合間の嬉しい休憩

私がこれまで出会い、共に制作を
してきた日本国内の伝統工芸士が言うには

「 本当に腕が良いなら手早く仕上げて
流通される事で弟子を育てながら
客を待たせない仕事が本物だ 」
「 時間をかけるのは
数をこなしていない二流 」という
話を聞いた事がありました

確かに全国各地の伝統伝承産業と共に
作品を生み出しす過程で
お客様が求める最良の手仕事を提供する
職人は仕事が早く、創造を超える美しさで
納品して下さる・・・という実感があります

ブロック・プリント
工房内の景観

話が脱線しましたがインドの
ブロック・プリントは木版を定規など
目安なるものを使わず全行程を感覚で
柄を繋ぎ合わせていく見事な技量

その技巧高いリズミカルな職人技は
いつ触れても感動します

民族衣裳のサリーを装う習慣は
いまだ根強く、地消地産が日本と比較して
循環している国、インド

「 サスティナブル 」という意識を
持たずしても、文化や歴史、
自然を大切に想う価値観が何世紀にも渡り
日常の中に溶け込んでいる姿は
インドの大きな魅力でもあります

円形に日本で染め上げた
絹オーガンジーへ、ブロック・プリントを施す様子
イギリス・リバティ柄の源流と
七宝文様の融合作品

自然の染料

鮮やかな染料は全て自然界の
草花や野菜を調合して使用

イエローは蜜柑(みかん)
グリーンは(ほうれん草)から
染料を調合

当作のシグニチャーである金彩文様は
パール生産の白蝶貝粉を粉砕し
彩りとして、使用しています

白蝶貝粉を染料に
長き伝承され続けている
サスティナブルの精神

デザイン決定

ショールの独創性を高めるため工房を貸切
当作では全て色目・配置をディレクションし
独創性を高めた逸品を制作しています

工房との仲介やディレクションを
手伝ってくれているマディさん
そして工場オーナーと担当の職人さん
皆で記念に1枚
「 空 」をイメージした羽織
最後は日本の和裁技術で手縫製します

豊かな自然美を表現し、時に崇拝する
文様がユーラシア大陸で何世紀にも渡り
美の象徴として愛され続けている様に

令和の時代でも互い文化を知り、
その感動を伝えたい想いから
当作はシルクロード美術を工芸で
一枚布に表現しています

展示会 MEETS ORIGIN

来週23日・24日展示会で文化と歴史が
織りなす至極の布をご紹介させていただきますので
是非、実際に触れてみていただけたら幸いです

― ご予約不要
― お気軽にお越しいただけましたら幸いです

日程:2023年5月23日(火)・24日(水)
場所:正午~18時(最終受付17時30分)
場所:浄土真宗大谷派 忠網寺
住所:東京都台東区池之端2-5-43
主催:株式会社WHITE PIGEON

*東京メトロ千代田線根津駅2番出口より徒歩2分
*会場へのお問い合わせはご遠慮下さい

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