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自然界と水羽衣(福島県・川俣町)

礎なる、絹織物の再構築

3.11以降、足を運び続けた
福島県・川俣町

2023年、日本国内とシンガポール
展開する最新作アート・ストール&スカーフ
そのコレクション準備に向けて礎となる
希少な絹織物を求めて数年ぶり、出張です

ブランドの定番
世界最極薄のシルク・オーガンジーに
浮かべるアート・クラフトの世界

最初は徳島県の本藍染から
スタートしたストール・コレクションは
時を経て、白生地へ

シルクロードの文様や自然を描きながら
よりユーラシア大陸の文化を感じる
作風へと、視界を広げています

シルク・オーガンジーに伝統工芸
日本の伊勢型染の源流
インドのブロック・プリントで
日印の草花をほどこす

福島駅から川俣町に向かう途中、
雄大な阿武隈川の情景は
日本画に描き表した様な銀世界でした

車中から阿武隈川を眺めて
山々が墨濃淡の世界

2011年、東日本大震災直後
交通機関が復帰したニュースを知り得て
直後に高速バスに乗り込み、
訪問した当時を思い返します

福島・川俣の自然が1400年以上
恵みを与え続ける、絹織物の文化

その魅力を世界に羽ばたかせたい
願いを平和の象徴
「WHITE PIGEON」に込め
ブランドを創業した頃が懐かしく
そして若過ぎたな・・・とも

試行錯誤を積み重ねながら
独創性を探求する作品を
ご紹介させていただける顧客様が
いらして下さる事を御礼申し上げます

繊細なシルク・オーガンジーを手に
端始末の方法で試作依頼に
工場めぐりをしていた頃(2011)

差異

濁りない、極寒地の流水に
絹糸を晒し
織り上がりの美しさを探求

日本の織物は例えるなら、質実剛健

極限まで絹糸そのものの
素材の良さを引き出す仕事

羽織心地、巻き心地は唯一無二

その中でも福島県/福井県の山間で
育まれる絹織物は例えるなら
自然界をあわせ鏡で表したような、
静かなる光沢と
研ぎ澄まされた印象が魅力です

清流なくして美しい織物は生まれない

絹糸を水通しすることで市販品の
シルクの様にヨレが生じない
正善とした水羽衣が紡がれます

この機会の隙間に糸を1本、
または2本をくぐらせて織り上げられます
「震災とコロナ」激動の12年を
乗り越えて伝承される技巧
大切に磨かれている日本家屋で
たゆまなく製造されています

神々しい自然界の借景

織元が帰路に立ち寄り下さった
川俣町の絶景

阿武隈川の恩恵から伝承され続けている
川俣町の地場産業、絹織物

地球環境と平和
壮大なテーマへ私達が生活の中で
どのように向き合うのか

透明で繊細な絹織物に
アート・ファッションで表現する
夢の世界を、これから描いて参ります

世界最極薄の絹織物を
二重に織り合わせた水羽衣


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