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海外アートコンペ用ポートフォリオガイド

*本稿の最後にPDFサンプルとAdobeソフトで直接編集できるファイルを添付しています*
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はじめに

CVに次いで多くの公募の提出書類の中に含まれているポートフォリオ。それだけ審査側が求めているわけですからポートフォリオもまた、目的と役割がはっきりしています。ポートフォリオを考える上では自身のためのアーカイブや図録の側面もあると思いますが、今回は何かしらの公募のためのポートフォリオ作りを前提に進めていきます。そうすると、応募用ポートフォリオを作る目的は「プレゼン」になります。ポートフォリオの役割は、それを見る人に対して、私はこうこうこういうアーティスト、作家です。ですからこの公募の採択に相応しいのです。と、包括的で説得力のある作品集(ヴィジュアルイメージ)を通して自身のスタイルや能力、ビジョンを伝える役割を果たします。

ポートフォリオは、物理的な本やスリーブフォルダ、デジタルPDFやウェブサイト、あるいはインスタグラムのようなSNSなど、さまざまな形式が考えられます。今回はPDF形式のデジタルポートフォリオにフォーカスしたガイドです。ともかく、アーティストにとって重要なのは、ポートフォリオを注意深くキュレーションし、自分のスタイルやビジョンを最もよく表現する作品を選ぶことです。

1. 原則

【記入順は“新しい→古い”の順番が一般的】
シリーズがあるような作品ではシリーズ別でまとめた方がスタイルや時々の作品の方向性などが整理されていい場合もありますので、どう伝わってほしいかを十分に考慮し順番を決めるのがベストです。

【 変わったフォントは使わない 】
Helvetica Neue, Zen Kaku Gothic, Hiragino Kaku Gothic などのフォントを推奨します。日本語と併記される場合や、日本語が混ざってくる場合などを考慮すると後者2つが無難です。

【 フォントサイズをコロコロ変えない 】
ここは必ず統一した方がいいので、作品情報9pt、行間14pt。シリーズのショートステートメント等のテキスト10ptで、行間14~16pt。ページの小見出しを12-14ptで設定するといいでしょう。

【 ページはA4 】
ページ設定は基本的にA4に設定しましょう。縦横については、縦が一般的ですが、デジタルポートフォリオの場合、印刷しない限りは閲覧画面は横なので筆者は横も用意しており、場合に応じて使い分けています(この場合、CVも必ず同じフォーマットに揃えます)。どういう使い分けかというと、

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