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授賞式 in ニューヨーク

忘れないうちに!ということで、先日ニューヨークに行っていた時の事を。

かれこれ7、8年ぶりにニューヨークを訪れることになったのは、Society of Illustratorsの年鑑コンペで銀賞を頂くことなったので、これは次いつ獲れるかわからないし行くしかない!と思い、1ヶ月前に航空券等急いで予約し授賞式に行ってきました。

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Society of Illustratorsってなんぞや!?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。これは所謂イラストレーター協会と呼ばれるもので、ニューヨークにあるこの協会はアメリカのみならず、イラストのお仕事されてる方ならもしかしたら一度は耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。おそらく数ある国際的な年鑑コンペで有名なうちの1つです。毎年秋頃に応募締切となり翌月には受賞者が発表となります。

僕自身は学生時代、厳密にはイラストレーション科ではなく、ヴィジュアルデベロップメント(Visual Development)科というところで勉強していたので、そもそもイラストのコンペがあること自体全然知りませんでしたし、応募をしたことすらありませんでした。(ヴィジュアルデベロップメントやアートスクールについてはまた後日改めて書こうと思うので、お楽しみに!)

学生時代は正直アニメーション業界一本しか見えていませんでした。しかし、学生時代の恩師で今でも親切にして頂いている日本人で長年アメリカのアニメーション業界で活躍されている伊藤頼子さんに“絵本の道もすごい合っていると思うよ!”とアドバイスを受け、そこから絵本やイラスト業界にも目を向けるようになりました。

伊藤頼子さんウェブサイト
https://www.yorikoito.com/

少し話が逸れてしまいました、すみません。

授賞式はニューヨークのマンハッタンのアッパーイーストサイドにあるSociety of Illustratorsのギャラリーで行われました。レセプションは午後6時からで、僕は少し遅れて会場入りしましたが、もうすでにそこには結構な数の人がいて、内心”こんな大人数の前で話すのか、、、”と、やや緊張気味になっていたので、そんな気持ちを紛わすかのように会場にあるバーでワインを手に取り、1階と地下に展示されているアーティストの作品たちを1人ウロウロしながら鑑賞していました。新人、ベテラン、色んな著名なイラストレーターの作品を目の当たりにしているうちに、なぜ自分の作品が賞をもらえたのか、さらに不思議に思えてきました。というのも、前回初めて応募した時は賞はおろか、入選もせずギャラリーに展示されることすらなかったので、今回銀賞を頂けると知った時は本当に驚きでしかありませんでした。

ここで一応僕の受賞作品を載せておきます。

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*印刷の彩度が少し濃いので、元のイラストも1枚目に載せておきました。

この作品のタイトルは”Dear Grandpa...”で、文字通り僕の祖父に向けて描いたものです。この作品を描くおよそ2ヶ月前に祖父が急死し、亡くなったことがなかなか受け入れられないまま時が過ぎ、新年を迎えました。仕事以外の絵は全く描くことなく数ヶ月が経とうとしていたのですが、自分の中で祖父の記憶を何かに残したいと思うようになり、その行き着いた先が絵でした。祖父は寡黙な人で、何か趣味があるわけでもなく、僕の記憶の中では猫と四六時中一緒にいるような人でした。祖父母の家には詰め所があり、そこはもはや猫屋敷と化しており、日中はそこが祖父の居場所でした。毎朝鳩に公園に餌をやりに行ったり、そのルーティーンは僕が生まれてから28年おそらく変わらずだったんだと思います。そんな祖父の毎日の一コマを僕の記憶からそのまま絵にしたのが上のイラストです。実際、これを描くのに猫の写真以外は全て僕の記憶から描いたものですが、家族に見せても本当にそっくりそのままだったようで、小さい頃にあれだけの時間を過ごした祖父との思い出は薄れていないんだなと思いました。あまりの急な死だったにもかかわらず、死目に間に合ったのは本当に良かったのですが、生きている間に最後にありがとうと伝えられなかったのは本当に後悔しています。ただ、こうして賞を頂くことができたのは、祖父が導いてくれたのかなーと何か考えてしまいます。

さてさて、授賞式の様子を!と言ってお見せしたいのですが、、、、写真がびっくりするほどなく、申し訳ありません。 授賞式自体が前回はビデオ録画されていて公式のFacebookページに載っていたのですが、今回は録画してないそうでそちらもお見せできずで、すみません。とりあえず、スピーチも一応冒頭で笑いを取れたので、それだけで自分は大満足でしたw

今回、授賞式の会場で、僕がこの仕事を目指して以来大ファンのイラストレーターの木内達朗さん清水裕子さんにお会いできたのは本当に光栄でした。お二人は長年グローバルにイラスト業界で活躍されていて、国内だけでなく世界に数多くのファンがいらっしゃるイラストレーターさんで、このSociety of Illustratorsの年鑑コンペにも常連でいらっしゃいます。今回お二人は金賞を受賞されており、一緒にコンペで作品が飾られているのを目にして本当に感無量でした!授賞式後の懇親会の場ではお食事をご一緒させて頂いて、お話しも聞くことができて、とても貴重な経験でした。裕子さんはニューヨークを拠点にされていますが、木内さんは日本で活動されていらっしゃいます。東京で個展をされることもあるので、是非その際は足を運んでみて下さい!

木内さんはnoteもやられてるので、是非フォローを!

木内達朗さんウェブサイト
https://tatsurokiuchi.com/
清水裕子さんウェブサイト
http://yukoart.com/

ちょっと長文になってしまいましたが、イラストコンペなど細かなことについてはまたの機会にしたいと思います。

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