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#2020年秋の美術・芸術!コンテスト- 【目印を見つけるノート】219. ミケランジェロとレオナルド、ラファエロの饗宴

#2020年秋の美術・芸術 !コンテスト-中間のご報告として、基本は、ほぼ時系列に(多少の順不動お許しください)、応募いただいた作品を、1作品ごとに、ご紹介とコメントとしての評を入れさせていただき掲載させて頂きます。まずは、ご応募ありがとうございます。

・【目印を見つけるノート】219. ミケランジェロとレオナルド、ラファエロの饗宴
おがたさわさま 応募ありがとうございます。

(評)ルネサンスの巨匠であるミケランジェロとの競作について、簡潔に、わかりやすく、まとめてあるアートエッセイだ。
そのミケランジェロ(ミケランジェロ・ディ・ロドヴィーコ・ブオナローティ・シモーニ/Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni,1475-1564/イタリア)は、イタリア盛期ルネサンス期に於ける彫刻家、画家、建築家、詩人。そして、西洋美術史上のあらゆる分野に、大きな影響を与えた芸術家である。
ある意味、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci,1452-1519/イタリア)と同様に学際的な視点を持ち合わせた作家だ。
そして、ラファエロ・サンティ(Raffaello Santi,1483-1520/イタリア-画家・建築家)を入れると、ルネサンスの3大巨匠となる。

そして、筆者は、ミケランジェロとレオナルド、ミケランジェロとラファエロが競作という、テーマ部分の解説に入る。
筆者の概要を記す。
1)『アンギアーリの戦い』×『カッシーナの戦い』:レオナルドとミケランジェロの作品だ。
まずはレオナルドとの競作(未完成)。
イタリア・フィレンツェのヴェッキオ宮殿(Palazzo Vecchio)がその舞台です。
シニョーリア広場に堂々とそびえるこの建物は宮殿として建てられ、かつて共和国だった頃は市庁舎でした。ここの本会議室といえる『五百人大広間』はふたりの競作した絵で飾られるはずでした。
・『アンギアーリの戦い』(レオナルド)は一応完成したのですが、絵具が画面に定着せず流れてしまい修正を余儀なくされます。レオナルドはこのとき、あまり使われていなかった油絵具で壁画を描いたのですが、それがいけなかったようです(この頃の壁画や天井画は絵具に漆喰を混ぜて使っていました)。それでも残存した部分は50年あまり存在しました。
(註)この事象は、フレスコ画の技法と、当時の油絵具のメディアム(ポピー/リンシード)との化学的な相性の問題があるとも言われている。

・ミケランジェロの『カッシーナの戦い』はさらに悲しいことになりました。彼は完璧な下絵を描いて、さて取りかかろうとしたときに急遽、ローマ教皇ユリウス2世からお呼びがかかります。自身の教皇廟の設計と彫刻の依頼です。壁画制作はいったん中断します。

2)『ラザロの蘇生』×『キリストの変容』
:ミケランジェロ(下絵から、セバスティアーノ・デル・ピオンボが描いたと言われる)とラファエロの作品だ。
こちらの2点はもともと、教皇クレメンス7世(当時は枢機卿)の依頼でローマのサン・ピエトロ・イン・モントリオ教会(San Pietro in Montorio)ボルゲリーニ礼拝堂のために描かれたものです。
『ラザロの蘇生』は、セバスティアーノ・デル・ピオンボが、ミケランジェロに相談し、ミケランジェロが下絵を描いたと言われています。
構図で人物に劇的なメリハリを付ける点などはミケランジェロの発想です。

この『キリストの変容』です。これはラファエロの最後の絵でもあります。ローマで大きな工房を抱え、後年は着色までしていなかったラファエロが一人で完成させた絵だといわれています。(病床でも描いていた)

3)あとがき
「最も雄弁なのは彼らの作品だ」
また、筆者は、「絵の解釈もたいへん重要なのですが、創り手も懸命に生きて活動を続けた「ひとりの人間」なのです。一筆、一彫りにその人の人生が重なっている。そして、稀有な才能同士、人間同士がぶつかって、お互いに影響を与えあった。」と鑑賞のポイントを述べて、この競作の項目を閉めるのだ。

当時に時代背景をよく考察なさってまとめてある。そして、人物像や巨匠たちの生き様も、ご自身の推測も、ほぼ、現在形の解釈で間違いないだろう。
筆者のまとめにあるように、「作品」が語っている、そこから、紐解けば、その時代背景や、人物像が垣間見られるだろう。
あの人は、ああ言う人だとは、言い切れない、時系列に作家の視点も揺らいでいることも確かだろう。そのあたりも、500年と言う時代が経った、現在、筆者の視点は、学術的にも押さえている。また、この2点の項目を選択してまとめる事は、時間的に大変だった事と感じる。
ご応募ありがとうございました。


(余談)パブリックドメイン(cc)で無料使用できる、2020年度には、世界の名画550万枚をダウンロードできる世界の美術館サイトもございます。
危ういウィルスの影響もあったと存じます。詳細は、各ミュージアムのサイトでご覧ください。(商用までも含まれるものも多くございます)
https://photoshopvip.net/111868

(註)ヘッダーは、ミケランジェロによる「カッシナ(カッシーナ)の戦い」:下絵(サンガッロによる模写)(cc:Creative Commons license)


(お知らせ)
締切日時は、2020年11/14(土曜日)24:00
結果発表は、2020年11/15(日曜日)18:00 です。
締切間際に応募された作品は、当然審査の対象内ですが、
作品評が、結果発表後になることもご了解ください。

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