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画家William Merritt Chaseとアメリカアート界

画家William Merritt Chaseとアメリカアート界に与えた影響・・

ウィリアム・メリット・チェイス(William Merritt Chase,1849-1916/アメリカの肖像・風景画家)

アメリカの印象主義の画家だ。そして、“The Ten”のメンバーだった
欧州、ミュンヘン美術院(München/ドイツ、バイエルン州)とヴェネツィア(Venezia /イタリア)で学び、アメリカにおける印象派を代表する画家になった。1896年に美術学校を創立した。その学校は、後にパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)に発展した。そのパーソンズは、数多くの著名アーティストやデザイナーを輩出している教育機関だ。
アメリカのアート界に、ウィリアム・メリット・チェイスが、残したものは大きい・・

日本の着物を着た少女-1890

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(cc) William Merritt Chase

略歴-William Merritt Chase
1849年、Nineveh(インデアナ州)で生まれる。12歳の時、家族はインディアナポリスに移った。
1867年、インディアナポリスに住む画家のもとで、絵を学ぶ。その後、海軍に従軍している。
1869年、ナショナル・アカデミー・オブ・デザイン(National Academy of Design/ニューヨーク)に入学した。
その時の教師には、ジョセフ・オリエル・イートン(Joseph Oriel Eaton,1829-187/アメリカの肖像画家)や、レムエル・ウィルマースがいた。(Lemuel Wilmart,1835-1918-アメリカの画家・教育者/ウィルマースは、レムエル・ウィルマースは、フランスでジャン=レオン・ジェローム(Jean-Léon Gérôme, 1824-1904/仏の画家・彫刻家-歴史シーン・オリエント・日本文化の描写)影響を受けている。
1871年、ナショナル・アカデミー・オブ・デザインを卒業し、家族の居住するセントルイスに帰り、両親の仕事(婦人靴製造と販売)を手伝いながら、絵を続け、展覧会に出展する。それは、地元の美術愛好家で、収集家に注目された、そして、収集家はチェイスの作品と交換にヨーロッパへの2年間の留学費用も持ってくれて、欧州での美術品の収集も手伝うことになる。ありがたいパトロンだ。
前述したが、ミュンヘン美術院(Akademie der Bildenden Künste München/Academy of Fine Arts, Munich/ドイツ最古の重要なアートスクール)では、当時の巨匠たちの絵を学んでいる。
(註)1875年にミュンヘンで描いた宮廷道化師(Jester)を描いた作品「Keying Up」は、1876年のフィラデルフィア万国博覧会の展覧会に出展されており受賞している。

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(cc)Keying Up

1877年、ヴェネツィア(Venezia /イタリア)に9ヶ月間、ミュンヘン美術院の仲間と滞在している。その旅の印象は後日の作品に影響している。

1878年、帰国し、ニューヨークにスタジオを作った。その1878年、新設校であるアート・スチューデンツ・リーグ(The Art Students League of New York)で教鞭も取る。そのアート・スチューデンツ・リーグで1878-1896年まで教えた。
1896-1909年、ペンシルベニア美術アカデミー(Pennsylvania Academy of Fine Arts/フィラデルフィア)で教え(そこでは、画家ジョセフ・ピアソンが影響を受けている)、1907年からは再び、アート・スチューデンツ・リーグで教鞭を取る。そして、ウィリアム・メリット・チェイスは、自らの美術学校を設立した。後のパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)に発展した。

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(cc) William Merritt Chase

人の生きるスパンは限られている、ウィリアム・メリット・チェイスは、周囲の人々からサポートがあって、留学から、はじまり、その多くの栄誉がある訳だ。その流れから、チェイスは、教育機関という体系化された組織で、後継を育てている。その流れは、後のアメリカのアートのパラダイム、そして、パラダイムシフトを繰り返し、現在形のアメリカアートの世界とつながるのだろう・・この先も。
(追記)竹久夢二(たけひさ ゆめじ、明治17-昭和9年/1884- 1934)は、日本の画家・詩人。あえて、コメントは要らないかも知れないが・・・ジャン=レオン・ジェローム→レムエル・ウィルマース→そして、ウィリアム・メリット・チェイスの流れとその影響力は大きい。(それが文化というものだろう)


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