MULHOLLAND DRIVE-デヴィット・リンチ監督、その解釈は謎だ
マルホランド・ドライブ-デヴィット・リンチ監督(脚本)2001年
それは、ストーリーそのもの事態が、謎の構成のサスペンスだ。
前半と後半では、大きくストーリーがねじれを起こしてるのだが、記憶と夢の世界は、冒頭シーンと終盤の展開はつながるかのように見えるのだが・・・そこには、多くの映像文法(映像言語)が使われている。
Mulholland Driveは、「21世紀の最も偉大な映画TOP100」1位に選ばれた。(BBCカルチャー/2016年)
「マルホランド・ドライブ」日本版トレイラー
イントロ:
ある真夜中、マルホランド・ドライブ(ハリウッド近く、ヘアピンカーブが多い)で、車の事故が発生した。ただ1人助かった黒髪の女(リタ)は、記憶を失っていた。そして、ハリウッドの街まで辿り着き、留守宅へ迷い込む、そこは有名女優ルースの家だった。そして、直後に、ルースの姪ベティに出会う。ベティは、リタと名乗ったこの女を叔母の友人と思い込むのだが、すぐに見知らぬ他人であることを知った。何も思い出せないと打ちあけるリタと、ベティは、同居することなり、一緒にリタの失った記憶を取り戻す手助けをして調べる。その手掛かりは大金と謎の青い鍵が入った彼女のバッグだが・・・
前半は、主人公ベティ(ダイアン/ナオミ・ワッツ)の輝かしく、違和感さえ覚える成功を描いている、後半は、主人公ダイアン(ナオミ・ワッツ)の苦悩に溢れる生活を描いている。ただ、前半に登場するベティ(ナオミ・ワッツ)やリタ(ローラ・エレナ・ハリング)のストーリーは、女優としてうまくいかないダイアン(ナオミ・ワッツ)の苦悩が生み出した夢の世界・・・前半のラストシーンでは、リタは金髪のウィングだ、それは、ベティ(ナオミ・ワッツ)とリタ(ローラ・エレナ・ハリング)の同一感を反映しているのかも知れない、女優として成功したカミーラ(リタ/ローラ・エレナ・ハリング)に対するダイアン(ナオミ・ワッツ)の願望なのか・・・
(前後するが、もう少し概要を追加すると・・)
ダイアン(ナオミ・ワッツ)は恋人(LGBT)であったカミーラ(ローラ・エレナ・ハリング)に裏切られた、それは、カミーラはアダム監督(ジャスティン・セロー)に気に入られて大役を獲る、そして、ダイアンを捨てて監督と婚約する。ダイアンは女優の夢もうまく行かず、カミーラの殺意を抱く、、そして、愛するカミーラを殺害してしまったと悩んだダイアンは精神的に病んで、最後には自殺に至るのだが・・
ここまで、お読みになってどうだろう、余計、この解釈の訳が分からなくなるかも知れない・・ただ、この映画の解釈は要らないかとも感じる、途中で現れる映像文法(同一配役や、小物類の違和感や、ハリウッドの闇、等々)も含めて、そういう文脈なのだろう・・・(映画というチャネルから、受け手が考える)
Webサイト(海外)には、マルホランド・ドライブの様々な解釈を見る事ができる、ただ、それは、デヴィット・リンチの望むところなのかも知れない。
「マルホランド・ドライブ」は、ABCネットワークのTVシリーズ用の企画であった。そのパイロット版は局のプロデューサーに却下され、その後、フランスの配給会社Canal Plusが出資し映画化された。そして、2016年には、「21世紀の最も偉大な映画TOP100」1位に選ばれた。(BBCカルチャー)そして、カンヌ国際映画祭 監督賞(2001)を得ている。
MULHOLLAND DRIVE - Official Trailer - From David Lynch and starring Naomi Watts
Mulholland Drive - I've Told Every Little Star