野創人
かつて人と自然はもっと身近だった…そんな時代になりつつあるのは何も今に始まった事ではない。野鳥の餌づけは人と野鳥を身近なものにする。それを観光地の目玉とする構想もあちこちで聞かれたのではないだろうか。
近年、自粛ムードが続いているのは鳥インフルエンザの問題があるからだ。野鳥から人へ感染する確率はまだ高くはないらしい。実際に鳥から人へ感染した事例は報告されているものの人から人へ感染する確率はさらに低いようだ。
鳥インフルエンザを警戒する一方で豚熱などの発生が見られる。警戒する方向は間違っていないのかと疑問を感じなくもない。しかし、直接食に関わることだから養鶏場などで発生したとなれば放置はできない。2020〜2021年は鳥インフルエンザの発生が特に多かったように思う。
人間はまだウィルスに際する防衛策を持たない…もしくは不十分なのだろう。有効な手段が見つかるのであれば、むしろ餌づけした野鳥にウィルス対策をすれば危機は抑えられるかも知れないと考えてみる。野生との共存共栄の道だ。
人と自然が今より近くなる時代がまたやって来ることを期待したい。
2月も下旬となれば陽射しも少しずつ力強さを増す。しかし、温暖化が影響してるためか気候が不安定だからか歳によって大きな違いがある。もっとも気候というものはある程度不安定だからこそバランスが取れているのかも知れない。
今季、2020〜2021年は積雪が多かった。そのため東北ではまだ多くの植物は雪の下になっているが、西の方からはすでに春の便りが続々と届けられている。
暖かくなれば、道端でも田んぼ沿いでもよく見かける青い小さな花。オオイヌノフグリだろうか。帰化植物なのにしっかり日本の風土に違和感なく馴染みどこでも見られるようになっている。在来種と言われるイヌノフグリの方を探す方が難しくなっているかも知れない。
命名された時代背景もあるのかも知れないが、野草の中にはちょっとかわいそうなネーミングのものが見受けられる。このオオイヌノフグリやヘクソカズラあたりが知られているだろうか。そのため別名で呼ぼうという動きもあるようだ。ただ、植物や菌類の種名については特徴をよく捉えていることが少なくない。ちょっとした呼び方の違いが混乱を招くことがあるので注意が必要だろう。
野草の接写をしていると意外と悩まされるのは花のコントラストの強さである。ピントは雄しべとか雌しべに合わせることが多いのだが、花の中央部は明るさが強くなっている。おそらく花びらによる集光効果と思われる。そのため、周囲と同じ露出で撮影しようとすると花が明るすぎて白飛びしてしまうのだ。さりとて花に露出を合わせると背景が暗く沈んでしまう。中間値を取ればいいものでもないので後で色調補正しやすそうな値を模索することになる。特にオオイヌノフグリは悩むことが多い気がする。
日が長くなり気温も高くなってくると野外での活動時間も長くなる。
風景写真では朝と夕方の太陽高度が低い時間の影が際立ち、太陽光線も赤みを帯びるためドラマチックになりやすい。
暖かくなり始めた風が雪原を渡り積もった雪の上を撫でる。雪面が少しずつ磨かれるのだ。
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…頼風…
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